2009年12月21日
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続・ヤマトの艦載機問題・百式探索艇とは何か?

Written By: トーノZERO連絡先

 コスモゼロを宇宙零戦と解釈し、零を年号と解釈すると西暦2200年制式採用です。

 一方、百(100, 一〇〇)式探索艇は百を年号と解釈すると西暦2200年制式採用です。

 末尾が00の年を示す際、ゼロが旧海軍のルールで、百が旧陸軍です。

 というわけで、宇宙零戦と百式探索艇を並べるとネーミングルールが矛盾します。

 ちなみに、ブラックタイガーを99式とする設定は明らかに後付です。

解釈 §

 解釈を3種類並べてみます。

  • ヤマトは全世界の総力を結集したものであり、元も所属組織とは無関係に機材も集まっている (そもそも、百式探索艇は便利だからヤマトに搭載された陸上機である。カタパルト発進の機能は後から与えられたのかも知れない)
  • 実はゼロも百も年号でなく、過去の機体(零戦や百式司偵)にあやかったネーミングでしかない
  • 設定が混乱しているだけ

解釈の否定? §

 ヤマトの解釈は1つではない。それがヤマトのヤマトらしさであるとすれば、公式の設定も蹴って良いことになります。(そもそも何を持って公式とするか、という解釈も悩ましいし)

 そもそも、宇宙零戦や百式探索艇が平然と2199年に飛んでいる以上、既に量産されていると思われます。つまり、2200年制式採用という話は困難です。そのことは、特に百式探索艇で顕著です。最終的にアニメでは「古代専用機」となっていく宇宙零戦と比較して、百式探索艇は誰もが操縦し、大量に使い倒されて消えていきます。

 従って、以下のように解釈できます。

  • ゼロも百も年号とは実際には関係なく、元の所属組織による違いでもない

デザインの系譜 §

 実は「エアインテークのあるパイロット版の戦闘機」のデザインから宇宙零戦を経てコスモタイガーへの至る系譜の他に、この系譜からこぼれ落ちた多くのデザインがあるのではないかと思います。

 百式探索艇もその1つではないかと。

 とすれば、もともと戦闘機として使われるべきデザインであり、古代と島が第1話で勝手に出撃した機体もこれかもしれません。とすれば、「探索艇」という設定も初期には混乱して固まっていなかったことになります。であれば、「百式探索艇」というネーミングも後付かもしれません。

 更に言えば、宇宙零戦もブラックタイガーも第1話の時点では登場が全くありません。古代と島は火星と地球で機体に乗り込んでいますが、存在も示唆されません。

 実はヤマト艦載機の混乱はヤマト艦載機だけでなく登場する全ての機体に混乱が見られるようです。

 つまり、デザインの系譜は以下のようになります。

・原型→エアインテークをつぶす→宇宙零戦→ブラックタイガー

・原型→エアインテークをつぶさない→百式探索艇

 では、宇宙機にエアインテークがあるのはおかしいから宇宙零戦が出てきたとすれば、エアインテークがあるデザインはなぜ生き延びたのでしょうか?

 実は大気圏内用機としてではないでしょうか?

 そのことは、第1話の以下の描写からもうなずけます。

  • 火星には大気があると思われるが、古代と島を沖田艦が迎えに行く必要があった
  • 復讐に燃える古代は九州には行くが宇宙に行くという発想がない

 しかし、ヤマトに搭載されてしまったことでこの設定は混乱します。

 最終的に、戦闘機としての側面はそぎ落とされ、百式探索艇として「戦闘機ではない機体」に整理されていったのでしょう。しかし、それは「画面に出てしまったから仕方なく整理したものであり、本来は望ましい宇宙機ではない」と言えます。

 であるから、エアインテークがある宇宙機は退場すべきなので消えたとも言えます。つまり、「さらば」以後は全く別デザインの搭載艇へと変化していき、百式探索艇の印象を残す機体は「さらば」には出てきません。

なぜ適切ではない名前が残ったのか §

 名前を与える際、「非戦闘用の日本の傑作機」を探すと「百式司偵」の名前にたどり着くのはある意味で当然です。陸軍機ながら海軍まで借りて使ったという傑作機です。しかし、「司偵」の文字は使えません。ヤマトは地球の司令部から遠く離れた実働部隊ですから、ヤマトの搭載機が「司令部偵察機」では噛み合いません。残るのは「百式」という言葉だけです。従って、「百式探索艇」という名前が必然的に出てくることになります。

 (しかし、もしここでネーミング者の頭に「彩雲」の名前が思い浮かんだら、どうなったのでしょう? われに追いつくガミラス機なし、ではヤマトの有り難みも無いことになりますね)

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