なんたるうかつ!
NHKの人形劇、新三銃士を放送からかなり遅れて見ているとロンドンに旅立つシーンでした。これは見事な作品です。結末の分かった話を、これほど面白く見られるとは予測もしていませんでした。
(見始めたのは、新八犬伝のブームに乗り遅れたリベンジのようなものだが、これはこれで凄く面白いよ!)
しかし、見ながら思いました。
期限内にアイテムを手に入れて戻るとは、まるでヤマト(の第1シリーズ)ではないか。
そして気付きました。
子供の頃、ダルタニアン物語11冊を読み切ったのも、底辺でヤマトに通じるものがあるからだ! (少なくとも永福図書館の児童室ではソノラマ文庫のヤマトと比較的近い位置に置いてあったのだ)
ロマン、冒険心とはまさに共通するところ。
王妃とコンスタンスの二重ヒロインもヤマトのスターシアと森雪の二重ヒロインに通じるところ。
インモラルなところは、ヤマトでもガミラスでも反乱が起こる初期案を考えれば似ているところです。結局みんなで生きて戻って沖田だけ死んでいく(誤診だけどな!)という予定調和はやむを得ず成立したものであって、そういう綺麗な話ではなかったはずです。本来は、もっとドロドロとした話だったはずです。
(しかしまあ、ヒロインが人妻だとか、夫を裏切って別の男にプレゼントを贈る王妃とhが、そういう人形劇をよくNHK教育が午後6時に放送できているものだ、と思います。女学院が潰れる小公女の原作を改編してみんな許してしまう小公女セーラのよい子ぶりとは大きな違いです。さすが、教育テレビ。これでこそ教育テレビ)
しかも、第1シリーズの好評で延々と続くところまでそっくり。
最初の冒険で、上級者の脱落と若者の完遂も、艦長が寝込んで古代が跡を継いだと思えば同じ。
初期案まで辿れば仲間が脱落していく傾向は加速します。最初の提案に忠実とされる石津嵐小説版では島も敵のサイボーグに改造されて、スターシアももともと機械で古代と雪以外は全員死んでいたのではなかったかな。ヤマトも地球に戻らないわけだし。
実は期限もなく全員で目的地に行く西遊記よりも、三銃士の方が構造的に似ています。
……そう考えると、「三銃士」の事後に三銃士を迎えに行く未練たらしい展開も、「さらば」でみんな死んだのに「2」で生きていたことに変更された故事を思い出してしまいます。
いやいや。待て待て。
そうするとだな。
森雪は徳川機関長と一緒に通信室に入って「いい関係」と誤解された訳ですが、それを契機に2人は結婚してしまって、古代が横恋慕して森雪もその気があって、徳川が反乱で古代の敵にまわったりする展開もあり得た?
そう考えれば、長男ではない子供から生まれたと思われる愛子を溺愛する光景を見せた徳川だから、不相応に若い奥さんを溺愛しそうですね。少なくとも、ヤマトを人知れず整備しておいてくれた頼れる年上のイメージではありませんね。