2010年01月02日
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山本の存在は、実は方針変更時期の推定を可能とする

Written By: トーノZERO連絡先

 しょうがないので、山本でもたくさん話せるという証拠を書こうとして、あらためて考えているうちに、あることに気づきました。

 以下、TV第1シリーズに限定して論じます。

ヤマト乗員の分類 §

 おそらく以下のように分類できます。

  • 主役級 古代、沖田など
  • 準主役級 2回以上名前を持って登場する 第1艦橋に席がある全員と加藤、佐渡、アナライザー、藪ら
  • 主要なゲスト 1回限りの登場で名前もあるが、物語に決定的な影響を与える
  • 主要ではないゲスト 物語に決定的な影響を与えない

ゲストの分析 §

 名前を呼ばれている1回限り(冥王星は2話で1回とカウントしたとする)のゲスト乗組員は、おそらく以下の4名です。

  • 山本 (第4話のみ)
  • 根本 (冥王星のみ)
  • 杉山 (冥王星のみ)
  • 林 (第15話のみ)

 ちなみに、藤本、石黒、K・新谷らも名前として存在するようですが、名前は呼ばれていないはずです。山本のように、主要なドラマの登場人物でもないはずです。

山本は根本、杉山の仲間だ §

 少人数の冥王星基地の潜入部隊として、根本、杉山の存在感が特に大きいものがあります。山本も、やはりワープ前に着艦できるかがポイントです。山本は人気もあり、生き延びているため(明確な死亡シーンがないため)、「さらば」で再登場しているので、準主役級パイロットに思えますが、TV第1シリーズに限れば違います。根本、杉山の仲間です。

ならば林はどうだ? §

 林は名前が出てくるだけで、ストーリーにはほとんど絡みません。

 登場は第15話は「必死の逃亡!!異次元のヤマト」であり、ドメルがバラン星に赴任して演習中にヤマトと遭遇して「1月7日、ヤマトに遭遇。侮り難し」と日記に書くエピソードです。つまり、林はドラマに決定的な役割を果たす「山本、根本、杉山」の仲間とは見なせません。

実は主要なゲストが消失するヤマト §

 つまり、冥王星までは3名もいた「主要なゲスト」乗組員がその後で綺麗さっぱり消えて無くなります。

 いや、主要ではないゲストさえ、ほとんど出番が失われます。つまり、太陽系を出たあとは、ほとんど主役級と準主役級の登場人物乗組員しか出てきません。これは不自然であり、やはりここで方針変更が行われたと考えられます。

では境界はどこにあるのか §

 おそらく境界は曖昧です。

 巡検する沖田にコックが苦言を呈する「さらば太陽圏!!銀河より愛をこめて!!」までは当初の予定通り進んでいると考えられます。

 その後、デスラーが直接手を下す、「決断!!ガミラス絶対防衛線突入!!」「絶体絶命!!オリオンの願い星・地獄星」が入っているのは方針変更の時間を稼ぐためでしょう。

 そして、ヤマト打倒の直接の指揮が、敵のトップであるデスラーから、格下のドメルに変わるという妙な展開が起こります。

 ガミラス人の顔が青くなるのもこのあたりです。

 しかし、まだ旧設定も生きています。

 たとえば、「決断!!ガミラス絶対防衛線突入!!」だったと思いますが、徳川が機関室で移動と停止を繰り返す沖田の判断が分からずにぼやくのは徳川反乱の布石でしょう。

 そして、林が出てくる第15話「必死の逃亡!!異次元のヤマト」にドメルが赴任してゲールを副官にした時点で、方針転換は完了したものと思います。この後の内容は、新設定による練り直しの対象であったと思われます。従って、ほとんど新展開です。

その結果 §

  • デスラーより格下のドメルに主要な敵が変更される
  • 中間地点バラン星の設定はやはり混乱したまま残る (バラノドン特攻隊等のエピソードのため、中間地点といいつつ終盤まで残さねばならない)
  • ヒスは反乱する腹黒い男からただ権力に媚びへつらう男に変更される
  • ゲールはバラン星の指揮官だったはずがドメルの副官と設定される
  • 放送期間が短くなっているがバラン星まではゆったりと進む
  • 波動砲、ワープ、アステロイドシップと技術の驚異で切り抜けてきたヤマトだが、ドリルミサイル等、超兵器はむしろ敵が使う切り札になる
  • 登場人物を整理し、人間ドラマを濃くしている
  • しかし反乱のようなえぐい展開はカットして秩序が強まっている (イスカンダルの藪がかろうじて反乱する程度である)
  • ヤマトの主要登場人物は沖田以外誰も死なずガミラスも「総統への忠誠心」で一貫される
  • 超兵器が敵の切り札になった関係上、真田は「超兵器」係として働いたのはせいぜい空間磁力メッキぐらいで、後は「実は科学という奴の傲慢さが憎い」という屈折したキャラに変更されている

 このあたりの持ち味を含め、かなり旧設定に対して松本色が強くなっていると考えられます。松本零士さんが自分の作品とみなしたい心理的な根拠も、このあたりの方針変更にありそうです。苦労して自分で作った、という思いがあるのはおそらく事実でしょう。

それはともかく §

 本当は山本の話をするつもりが話が大きくなりすぎた!

 いや本当はもっとミーハーな山本の話もできたはずなのに!

 やはり、「さらば」で加藤に続いて山本が登場したのは嬉しかったものね。

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