YAMATO 2520はDVD化もされていなければ完結もしていません。テープは寿命が怪しい時期ということを考えれば、LD5枚とLDプレイヤーがあるのは幸福なのかも。2520は売らないで保存していたし。(もっとも全部再生できるかは分からない)
え? なぜVol.3までなのに5枚かって?
そりゃ、Vol.0と胎動篇もあるからさ。
2520が見られることは小さな特権かも。
さて、Vol.3だけ見てみました。
やはりヤマトは冒険船だ §
負けたYAMATOのデータを使ってセイレーンの放置されたドックで作ったもので、世間を知らない少年達が運用しています。そういう意味で、軍艦ではなく明らかに冒険船です。
艦長は元軍人であり、クルーに途中から軍人も入ってきますが、やはり本質は軍艦ではありません。
実は、Vol.3って安易かつ即座に敵と味方を分けていて右翼っぽいねという印象があって好きではなかったのですが、今見ると印象が180度変わりました。
いきなり戦場にワープアウトしたヤマトがセイレーンに「敵じゃない」と言わずに全面的に戦ってしまうのは、若者達が世間を知らないバカだからですね。民間人を抱えて逃げに徹するべきだというのは、大人の考えです。戦える、勝てるという根拠のない自信が、いきなり彼らを個人レベルの安易な競争としての戦闘に駆り立てます。戦えるフネに乗っていて、負けることなど考えてもいないから、敵を無意味に作ってしまうわけですね。これが本当の軍艦なら「バカ野郎」の一言で終わりです。組織も規律も任務も無いから、かえって戦ってしまうわけですね。だから、軍艦ではなく冒険船です。
女神は艦内にいる §
マーシィが可愛い。しかも、ブリッジから椅子に座ったまま降下してヤマトの進むべき道を教えてくれます。まさに不思議な能力と導く力を発揮する女神です。まさに、折原真帆の原型的な存在でしょう。椅子がブリッジからいきなり降下する場面を見てそう思いました。まさに、復活編の原型を見る思いです。
民間人殺しの根拠 §
民間人殺しは、昔は単なるお涙頂戴の展開かと思いましたが、要するに敵の指揮官が味方の支援すら断るほど逆上しているから後先考えずに命令を履行して行ったに過ぎないわけですね。
生と死 §
そして、マーシィはさして根拠もなく死んで死者と交信して(?)生き返るわけです。まさに、生死の物語です。生者の世界と死者の世界の往復です。
艦長、逃げるんですか!? §
最後は、ろくに反撃もできずに逃げる一方です。やはり、逃げてこそヤマト。やられてこそヤマト。
どこでもドア文化圏 §
進化した技術を持つ者は一瞬で移動し、いちいち宇宙船など飛ばさないとすれば、そういう話ですね。
ブルーノア? §
このVol.3には側面にブルーノアと書かれている艦がいるという情報もありましたが、確認できず。たぶん、普通に見ていると分からないような存在なのでしょう。ただ、普通の戦闘艦より青くて大型の艦がいるカットもあって、「こいつか?」と思うこともありました。
終わりに §
しかし、続きは見られないわけですね。
ちなみに、戦闘シーン、時に大規模戦闘シーンの見応えは技術的な問題で復活編に見劣りする部分が大きいと思います。しかし、人間が生き生きと描いてあるからさほど気になりません。
それから、ナブはよく考えれば南部に通じますね。音的に。
しかし…… §
続きは作ろうと思って作れるものではなさそう。既に映像作品の前提条件が変わりすぎているから。同じスタッフすら集められるか怪しいところ。1話からあらためて作り直すか、それとも途中から別の作品になってもよしとするか。しかし、そもそもそれは続きが作れるという仮定上の話でしかありません。
しかし、死ぬまでに2520は最後まで見たいなあ。