暗黒星団帝国は、ヤマトの波動エネルギーに弱いわけですが、理論的に考えてヤマトにだけ弱いという解釈は考えにくいと思います。当然地球の波動エネルギー全般に弱いはずです。ということは、イスカンダルの波動エネルギーにも弱いということも考えられます。
ということは以下の仮説が成り立ちます。
- 実際、惑星すら破壊しかねないデスラー砲を受け止めているから、本来ならゴルバの装甲は惑星の破壊にも耐えるはずである
- そのゴルバが破壊されたのは、実は自爆の一環としてイスカンダルの波動エネルギーが解放されたからである
- プレアデスがヤマトの波動砲で仕留められてしまったのは、波動エネルギーに弱かったからかも知れないが、そうでないとしても敵艦を仕留めるには十分すぎる威力なので、結果はうやむやである
以上のことから以下のような結論が導き出せます。
- 正面から正々堂々と戦ってもイスカンダル/地球の波動エネルギーに勝てないことは明らかである
従って、以下の点は必然です。
- イスカンダルが消えた後、地球は何としても葬り去るべき敵である。正面から戦えば確実に負ける。攻められたら絶対に負ける。いくら戦争反対を叫んでも攻められれば負ける
更に、以下の3点が必然的に導き出されます。
- 奇襲する。敵に波動エネルギーを使わせる前に決着を付ける必要がある
- 隠されたヤマトを奇襲で取り逃がしてしまったのは痛恨だが、それは数の優勢で攻める。どうせヤマトの反動砲は1方向にしか撃てないのだ
- 本拠は波動砲にも耐えるとはいえ、使わせると被害の拡大が止まらない。波動砲を使わせないために、搦め手の情報操作でお帰り頂く方がずっとリーズナブルである
しかし、この戦略は破綻します。
- ヤマトは奇襲対象外のイカロスに隠してあって撃ち漏らした
- どの方向に向かっても連続して撃てる波動カートリッジ弾が開発されていた
- 間違えて左右反対に考える人を複製してしまった (資料が左右逆の裏焼きだったらしい)
綱渡りの綱が切れたわけです。
まとめ §
- 暗黒星団帝国との戦いは、もともと地球が勝って当たり前だった
- そこで、周到に計画して地球侵攻を行ったが、かなりの綱渡りであった
- 綱は切れたので、負けた
しかしそうすると、実は「地球人の肉体を奪う」という目標が宙に浮いてしまいます。ですが、以下のように考えれば辻褄が合います。
真の戦争目的とは §
- 対地球開戦は暗黒星団帝国が生き延びるための戦いとして構想が開始された
- しかし、戦費を正当化する報酬は不可欠であった
- 地球人の肉体はそのための報酬としてひねり出されたものである
- 従って、報酬の都合だけ考えればいきなり重核子爆弾を起動して身体だけもらった方がリーズナブルだが、真の目的は「地球の波動エネルギーの殲滅」であり、あらゆる波動エネルギーの在処を調べ上げるまで、地球人を殺すわけにはいかなかった
- それを知っていると思われる藤堂長官は、脱出して地下にもぐってしまい、うかつに重核子爆弾で地球人全般の脳を破壊できなくなった
いやまて §
話はもっと進められます。
- 奇襲は予想以上に上手く行きすぎた (ほとんど損害も無く、ヤマト以外は全て制圧できた)
- そこで欲が出た
- 地球人の女を私物化する行為も黙認されるまで風紀が緩んだ
- そこに、付け入られる隙が多く生まれた
そう思えばやはり悲劇的です。奇襲で勝ちすぎてかえって気が緩んで負けるのは、良くあるパターンです。某赤い丸印を国旗に掲げた帝国の1940年代の頃とか。
……けどね §
こういう文章を書いてみましたが、どうなのかなあ。