では、もうちょっとだけ先に進んでみようか。
苦悩あるところに物語があり
物語あるところに意志がある
・・そして意志がある物には魂が宿る
これは物語論としての秀逸です。
というのは、描かれたデフォルメされた絵でしかないキャラがなぜ「魂を持って実在する人間」のように愛されるのか、という理由の説明になっているからです。
つまり、「たかが描かれた絵」に魂を宿すことはできるわです。
そのためには「意志」が必要です。
その「意志」は、「物語」を根拠にして生成されます。
そして、「物語」が生成される根拠は「苦悩」にあるわけです。
従って、キャラに生を与えるにはまず「苦悩」が必要というわけです。
ちなみに §
最初にエヴァが言ったとき、苦悩や物語については言及していません。意志と魂だけです。つまり、エヴァが言ったとしてネギが言っていることになっていますが、もしかして実質的にネギオリジナルなのでしょうか?
更に余談を書けば §
虚構のキャラに人間のように感情をそそぐ行為は、昔からよくあります。別にオタクが最初というわけでもないし、それに関する良いことも悪いことも分かり切っています。何ら目新しくありません。従って、本当なら「人形に魂はあるか」といった手垢のような話もさほどの意味はないわけです。問題はその先です。
従って、エヴァはとっくに終わっていて「手垢の付いた話」として告げて、ネギはその先に考えが及ぶのかも。