2010年03月24日
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海の冒険と陸の冒険の決定的な違いは何か?

Written By: トーノZERO連絡先

 海の冒険において最大の敵は自然である。

 陸の冒険において最大の敵は人間である。

 つまり、海の冒険において、人間同士のいがみ合いなどちっぽけなものであり、荒れ狂う自然の前で、いかなる人間も協力して対処することを強要されるわけです。

 一方で、陸にあって自然の脅威とは家や洞窟を使って簡単にやり過ごせるものであり、決定的な脅威にはなりません。その代わり、いつ油断を突いて襲ってくるか分からない人間こそが脅威となります。

 もちろん、陸でも見ず知らずの旅人を泊めて話を聞くこともありますが、そういう場合でも少なくとも相手を見てから決めます。海は相手を見ないで救難信号だけで助けに行きます。

 であるから、ヤマトは「海の冒険」の論理に従い、誰のものか分からない通信のために飛び出し、途中で「ヤマトの反乱を鎮圧する側」であるはずの土方を助けて、あまつさえヤマトの艦長席に座らせてしまうわけです。更に知らない星までわざわざ助けてコスモハウンドが転落して地球人にまで犠牲者を出して古代が辞表を書くわけです。ちなみに、地球を侵略しようとする敵の一族だと知っても、やはり助けることになるでしょう。

であるから §

 本質的に足のあるガンダムは陸の戦いのルールに従うから、たとえば恒星や惑星は盤石な存在として扱われますが、ヤマトは違います。太陽は異常増進し、惑星イスカンダルも暴走して止められません。せいぜい、邪魔な星を波動砲で粉砕して進路をずらす程度です。(アニメではカットされていますが)。

 そういう脅威の自然の前では人間とはちっぽけなものであり、人を殺すことなど何とも思っていないデスラーとヤマトが肩を並べて戦えるわけです。人が持つポリシーの差など、自然の驚異の前では吹けば飛ぶように小さなものだからです。

オマケ §

「というわけで書いてみたのだが」

「もっとも単純に模式化しすぎであって、違うという側面も大きいけどね」

「たとばえ?」

「登山は陸の冒険の範疇に入るが、やはり自然が最大の敵だろう」

「そういえば、ヤマトの後に放送していた(東京の場合)日本沈没の続編を書いた谷甲州は山岳冒険小説も書いているね」

「そう思えばヤマトと地続きの冒険世界と言えるかもしれない」

「海と山は、人間世界から見た辺境という意味で似ているのかも知れない。宇宙もね」

「そういえば、ヤマトは山からも発進するね」

「ほとんどは海なのだが、ヤマトIIIだけは日本アルプスから発進する」

「普通の市街地にある基地から発進するという話はないね」

「最初は干上がった海底。さらば、2、新たなる旅立ち、完結編は海。永遠にはイカロス。復活編はアクエリアスの氷だ」

「絵になるモチーフをよく選んでいることが分かるね」

「まあ、もともと宇宙のイカロスとアクエリアスは除外すると後は海だね」

「そうだ。やはり海が多いね」

「そうすると、実は1つでも山というパターンがあるのは意味がありそうだね」

「やはり山はヤマトが背負う価値がある冒険世界の入口だということなのだろう。ヤマトも漢字で書けば山門に通じて山を意識させる可能性があるかも知れない」

「秘密基地といえば山というのもあるね」

「なに? 南海の孤島じゃないのか?」

「それはサンダーバード。ウルトラセブンだと山が割れてウルトラホーク発進だ」

「山からホーク2号も宇宙に行くと思えば、ヤマトが日本アルプスから発進することもある意味で当然なのかもね」

「急に思い出したぞ」

「何を?」

「セブンといえば、戦艦大和モドキが海から出てきて暴れるのだけど」

「今調べた。軍艦ロボット アイアンロックスだそうだ」

「戦艦大和をベースとか言ってるね」

「残骸を集めて作ったらしい」

「って、どこまで設定がヤマトですか!」

「悔しいぐらいにヤマトだね」

「つまりさ。あれを見て、ああいう戦艦が本格的に活躍するドラマが見たいと思った子供はさ。セブンでは結局着ぐるみバトルになってがっかりするわけだよ」

「そうかもね」

「で、その心情が何に救われたかと言えば」

「エースでもタロウでもレオでもないね」

「ましてアストラでもない」

「じゃあなんだい?」

「宇宙戦艦ヤマトだ」

「なるほど。残骸から蘇った戦艦大和そのものが活躍してくれるね。着ぐるみ怪獣抜きだ」

「着ぐるみヒーローもね」

「実はさ。セブンはどうでも良くてホーク1号大好き的な子供も、あまり目立たないだけで典型的にあって、彼らがヤマトを最初に支持したのではないだろうか?」

「セブンはどうでも良くて怪獣大好き的な子供はウルトラファイトとかに行ったのだろうけどね」

「だからさ。怪獣の名前は咄嗟に出てこなくて調べる必要があっても、ハイドランジャーはTDF-HR1とか即座に出てくるタイプはやはりウルトラを卒業してヤマトに行っちゃったのではないかなあ」

「ポインターというと、C言語よりTDF-PO1」

「ピーゼロイチじゃないぜ。ピーオーワンだ」

「つまりそういう趣味なのね」

「そうだ。セブンの変身ポーズよりもポインターの車体の下に浮上するファンがあることの方が重要だ」

「やっぱり山から出てくるポインター」

「そうそう。基地はやはり山の中。市街地上空の御神輿じゃダメ」

「じゃあ、やはり日本アルプスで良かったんだ。ヤマトが発進する場所は」

「うん、海がダメだとは言わないが、山で悪いことはない」

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