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2010年04月27日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマトtotal 11179 count

テクノポリス21Cの失敗はヤマト的には他人事ではないかもしれない

Written By: トーノZERO連絡先

「というわけで、モデグラ6月号は80年代のリアルロボット特集ということで、当時の狂乱を振り返っているのだけど」

「知ってる作品ばかりだね」

「表紙からしてバイファムとダグラムだからね」

「その割に、燃えてないようだけど?」

「結局、リアルってなんだろう?」

「オモチャっぽくないということ? スーパーじゃないということ?」

「リアルなロボットの方法論は、ミリタリーなんだろうと思う」

「うん。実際の兵器にあるようなデカールを付けたり、ドイツ軍の戦車のようにバリエーション展開してしまったりする」

「でもさ。まず、1970年代にタミヤMMから、静岡4社のウォーターラインシリーズの誕生、更には有井のトーチカを含むジオラマブームを経てしまい、ミリタリーモデルありきで始まってしまった側から見ると、それはリアル的な記号をロボに貼り付けてるだけの話なんだよ。つまり、リアルではないものに、リアルの記号を貼り付けただけのものであって、やはりリアルそのものではないんだよ。リアルというのは、実在の歴史的な兵器のことを言うわけだ」

「90年代にちょっと模型にカムバックしたときもウォーターラインシリーズの神通を作ったね」

「4本煙突の5500t級軽巡が好きだったんだよ」

「でも、後からガ○プラもいくつか買っているよね」

「うん。ただし目的は3つあった。1つは、SF戦闘機が目当てであって、スーパーガンダム買っても目当てはGディフェンサーだけだったり、GP01買っても目当てはコアファイターだけだったりする。2つめは塗装方法の試行錯誤していた時代の練習用。ガ○ダムならまあ失敗してもいいかということで。Sガ○ダムの昔のやつとか、そんな感じで塗装の試行錯誤に使われた。エラブラシもコンプレッサー使ったりガス使ったり、筆塗りでいいんだ、むしろ筆塗りの方がいいんだと割り切るまで時間を食ったよ。3つめは∀だけはシドミード的なデザインの研究に買った。これは2520も同じことだ」

「あまり真剣に買ってないね」

「うん。目の前に次々父の手で作られていくウォーターラインシリーズの日本艦や、1/72の太平洋戦争当時の日本軍用機の数々があって、今更巨大ロボットごときに本気になれと言うのは無理がある」

「つまり、リアルロボットの本質が現実としてのリアルではなく、ファッションに過ぎないことが見えてしまったわけね」

「だからかな。この雑誌の特集で狂乱の時代とされた頃は、ほとんど模型から離れていた気がするな」

「それが結論?」

「いいや、ここまでは前座だ」

幻のテクノポリス21C §

「のけぞったのは、やはりこの時代のリアルロボットの紹介でクラッシャージョウや、テクノポリス21Cという説明が載っていたこと。とくに、テクノポリス21Cだね」

「テクノポリス21Cというと?」

「映画的な長さの第1話だけパイロットして作られた後、実際にテレビシリーズとして放送はされなかった悲しいアニメだ」

「そうか。だから、名前が知られていないのか」

「でも、これはSF大会で上映されたときに見ているし、後から中古屋で安くテープがたたき売られているのを見て買ったこともある。再生できるかは別としてまだ部屋にベータのテープがある」

「ベータ版?」

「SONYのベータマックスだよ。もちろんコピーじゃない正規のパッケージ」

「それで?」

「うん。これは見て面白いと思った。でも、どうやら世間はつまらないという評価で決まっているらしいぞ。企画が倒れてもやむを得ないというぐらいだ」

「評価が割れているね」

「つまりだな。今から思うとこれは解釈できる」

「というと?」

「テクノポリス21Cという企画は、本質的に刑事ものなんだ。等身大で自立して動くロボットは出てくるが、そういうロボットとペアを組む人間が主役の話なんだ。そして敵は暴走した最新鋭の戦車だ」

「その戦車がロボットに変形するのね? で、ロボも巨大化するのね?」

「いやいや。戦車は最後まで戦車のまま。海に潜ったりするが戦車のまま。ロボも巨大化しない」

「えっ。だって、リアルロボット特集なんだろう?」

「だからさ。本文にもちょっと言及されていたけど、リアル風のロボットという世界を突き詰めると、本物のリアルに至るという作り手の考え方もあったわけだよ。しかし、客の大多数はリアルロボットこそが終着点であると認識していたのだろう」

「というと……」

「テクノポリス21Cという企画は、リアルを突き抜けた先が、ミリタリーとSFであるという認識から、ロボットの相棒と捜査する鋼鉄都市的な未来世界観を持ち込んでいる。これは作り手側の認識通りといえるが、受け手の認識ではなかったということだ」

「なるほど。だから大多数の受け手にとってはつまらない訳ね」

「受容する回路そのものが頭にないから、つまらないという結論しか出てこないのだろう」

「それが結論かな」

「いやいや、ここからが本番だ」

「ええっ?」

「つまりだな。アニメブームはヤマトから始まったかのように言われるが、こういったブームを形成したファン層は、はたしてヤマトファンとかぶるのだろうか?」

「どういうこと?」

「つまりだな。ロボットに変形しない兵器群や、自立した等身大のロボットというモチーフは宇宙戦艦ヤマトと相通じるわけだ。そして、手がけたスタジオぬえも、ヤマトと共通する」

「そうか、同じぬえだから路線が似通っているのか」

「いやいや、そう短絡したものではないぞ。あの、ぬえのパワードスーツもあるぐらいだから」

「えーと。つまりどういうこと?」

「ヤマトからアニメブームが始まったという定説をそのまま解釈して、ヤマトのファン層をターゲットにした後継作品として名乗りを上げたのがテクノポリス21Cと考えられる。しかし、実際はその路線は支持されず、実際に支持されたのはガ○ダム以降のヤマトが否定したはずの巨大ロボット路線であった、ということだ」

「うはー、それはきついな」

「だから、送り手の一部や受け手の一部であった我々が代用食だと思っていた作品群は、彼ら客層から見れば理想のメインディッシュだったわけだ。従って、本物が供給された瞬間、もはや代用食に味覚など感じられない、という感覚は我々にはあるが、彼らにはない」

「そうか、そこか。アニメファンが自ら金を出して買うOVAの世界があれば、スポンサーの意向に関係なく見たいアニメが見られるはずなのにロボットがいつまでも消えて無くならないのは……」

「スポンサーの意向に関係なく、客はロボットが見たかったからだろう。ちなみに、念のために言えば、すべてのロボットを見たくないとは言わない。ボロッ殿とかさ」

「でも、それって等身大の自立ロボットになっちゃう」

「そうだ。ボロッ殿もブスボロエースもスキャニーもアナライザーも、みんな自立した等身大サイズだ。人間が乗り込んで操縦したりはしない」

「なるほど」

「でも、しょせんは少数派だ。今となってはビジネスを成立させるだけのマスがない」

「そうか。だから、モデグラはヒストリカルな渋い模型を隅っこに追いやってロボットが目立つわけだ。ビジネスとして存続するために」

「ハセガワも痛機とかビジネスをせざるを得ないわけだ」

「これも、模型がビジネスとして存続するために、だね」

「僕らではない別の客層を取り込んで存続しようとすれば、そういうことなんだろう」

「ってことはまてよ? 巨大ロボットが出てこないヤマトはピンチだぞ」

「ヤマトに限らず巨大ロボットやりたくない松本作品群もな」

「この先、どうなるんだ?」

「さあね。まあ、ハイジ路線でそれなりに居場所をキープした宮崎ジブリ系の映画は大丈夫だろうと思うが、ヤマトのビジネスがどうなるかは分からんよ」

「そんな酒瓶の底を見ながら佐渡先生みたいに分からんよ、とか言わないでくれよ」

「しかし、分からんものは分からん」

「やはりヤマトも4体合体にして、ブリッジをロボットにして」

「でも、今はチームじゃないとダメかもよ」

「じゃあ、複数いて艦隊を組むということで。レッドホーク連合艦隊出撃!」

「それ、ヤマトはヤマトでも合体巨艦ヤマト……」

「ちなみに、アオシマは本来合体ロボではないレッドバロンとかを4体合体にして売っていたこともあるから、あのヤマトだって今から4体合体にデザインできるに違いないぞ!」

「却下!」

余談 §

「本当にヤマトから離れるけど、ぬえのパワードスーツがかっこいいと思ったのは、実はハインラインの宇宙の戦士ではなく、小隅黎の北極シティーの反乱の初期出版された版。後から出た版は挿絵のパワードスーツがしょぼくてぜんぜん違う」

「それで?」

「実はさ、もううろ覚えだけのこの小説の未来像が面白かった」

「というと?」

「働かなくても生きている時代になったけど、少数の人間が必要とされて仕事をしているという設定だ。ここで、仕事はそれほど存在しないが、仕事を得ている人は尊敬され、偉いという発想になっている」

「なるほど。奇抜だね。懲罰として労働させられている訳ではないのか」

「しかし、今の世の中はそういう感じではないかな?」

「えっ?」

「仕事の数は少なく、優秀でないとそれにありつけない時代だ」

「そうか。そう思うと今の時代とかぶるな」

「つまり、労働は権利であり、優秀さの証明になる……かもしれないわけだ」

「でも、仕事がなくてもすぐ死ぬわけではないね」

「こういう形で、未来に向かって何かを突きつけるのが本当のSF小説というものだろうね」

余談2 §

「本当にヤマトから離れられないけど、ヤマトはパワードスーツがほとんど出てこないのだよね」

「機械力にアシストされて強くなるという発想がほとんど無いね」

「真田さんも、手足が義手義足だが、機械力でパワーアップするという発想には行かない。切り札として爆弾を入れておく程度だ」

「結局、どういうことなんだろう?」

「機械力によるパワーアップよりも負けない心こそが重要なのだ、ということなのだろう。それがヤマト魂というものなんだろう」

「だから、ロボットに乗り込んだり、パワードスーツを着込んで強くなった幻想に浸るよりも、等身大で自立したロボットという他者とも上手くやっていく話がいいわけだね」

「個々の兵器をうまく使える人間よりも、人心を掌握して危機を乗り切れる人材の方がいいわけだね」

「だから掌握できなかった島ではなく、掌握できた古代が艦長代理になるのだろう」

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