上映前 §
サービスムービーの上映開始後に入ったので、全部見てません。
ポケモン映画の宣伝に出てきた古風な多発機は結果として、コナン映画のムードを盛り上げるいい前振りになったかも。
それから、鷹の爪のムービーの新しいバージョンかと思ったらRAILWAYSと夫婦50割の宣伝。ここにも進出とはやるな。
本編の感想 §
「きゃー、キッドさま! 以上終わり」
「それだけかい」
「いや、これでもコナンのコミックは買ったことがないが、キッドのコミックは全巻買ったぐらいなんだぜ」
「おいおい」
「しょうがないな。じゃ行くぞ」
「うん」
「まず飛行船というのは巨大ななりに中身がスカスカ。乗ってる人数もあまり多くない。つまり、ビジュアルのインパクトがある割にコンパクトなドラマが作れるわけで、映画向きだと思った。だから、スカスカの胴体の内部のキャットウォークでスピード感のあるアクションも出来ちゃうわけだ」
「それで?」
「これでもか、と飛行船の中や構造も見せてくれた後、最後のエンディングは実写映像になってしまう」
「え?」
「実写映像の建物の上空を、劇中のSACのロゴ入り飛行船が飛んでいるのだ」
「それってどういうこと?」
「もはや、アニメと実写に境界はないということだろう」
「ええっ?」
「言い換えれば、もう見ている観客の心理の中で、あれはもうアニメの世界じゃなくて、現実世界の地続きなんだろう」
「わー」
「だから、この映画が指向しているのは、実写の映画と同じ地平なんだろ」
「やはり1つの時代だな」
「ちなみに、飛行船といえば宮崎駿も描いているが、こういう風に内部から描くことはしていない」
「キキも飛行船に乗らないしね」
「でも、スタッフロールにテレコムの名前も出てきたから、やはり飛行船的な方向性を意識したスタッフの選び方をしているのかもしれない」
「テレコムなら宮崎駿が昔いただけでなく、パタパタ飛行船の冒険とかあるしね」
「残念ながら見てないけどな。衛星のアニメは守備範囲外なので」
「あと、ちゃんと怪盗が盗むのはヒロインの心であり、何も盗まないで行ってしまうとか、感じとしてカリ城のような世界を踏まえた上で先に行こうとしているようにも思える。そこは良い点だ」
「そうだね。飛行船といい、その先を見据えているようだ」
「あと、1回事件が決着したと思わせて、そこから更に真相が出てくるのもいいぞ」
「いかにも映画らしいね」
「明石海峡大橋を使った大逆転も意外性があって爽快だ。あのアイテムを、ああいう風に使うなんてね」
「まさにビックリだね」
「映画とはビックリなのだろう、という意味でこれは映画であったのだろう」
余談 §
「監督の山本泰一郎さんというのは、名前を聞いてピンと来なかったのだが、何気なく調べて凄いことが分かった」
「へえ、なに?」
「これを見ろ」
- おちゃめなふたご クレア学院物語 演出
- レッドバロン 絵コンテ、演出
- 怪盗セイント・テール 絵コンテ、演出
- 史上最強の弟子ケンイチ 絵コンテ・演出
「これなに?」
「WikiPediaから引いてきた山本泰一郎さんの経歴の抜粋」
「それで?」
「この4つ、実は過去に特に好きだったアニメそのものだ」
「ええ?」
「おちゃめなふたごは、こんな面白いアニメがあるぞと録画したテープを旭川まで行ったときに見せたことがあるし、怪盗セイント・テールの音楽は実は今でも音楽プレイヤーに今も入れてあるほど好きだし、ケンイチも良かったし、何よりレッドバロンだ」
「レッドバロン? 特撮じゃないの?」
「あとでリメイクされたアニメが存在するが、極めてマイナーで無名。赤影のアニメ版とどちらが無名か競えるぐらい無名じゃないかな」
「ええ?」
「何しろ、当時Niftyのアニメフォーラムにレッドバロンの感想会議室があったけど、継続的に感想を書いていたのが2人だけ」
「たった2人! それじゃ君を入れても確実にファンだったのは3人!」
「とんでもない。おいらが2人のうちの1人だから2人だよ」
「ひ~」
「そういう経緯からすれば、ある意味で面白く見られる映画を作ってくれるのは当然だし、楽しめてしかるべきだったのだ。まあ、後知恵だけどね」
「なるほど」
「ちなみに、良いと言える格闘アニメはそれほど多くはない。格闘ゲームがブームだった頃にいろいろ作られているが、精神面に踏み込んできちんと描いている作品はそれほど多くない。レッドバロンは実はロボットアニメではなく格闘アニメとしていい線を行ったし、ケンイチも良かった。ま、これは余談だけどね」
「語り出したらきりがないので、ここで締め!」