宇宙犬作戦はネットでちらりと見て、今回テレビで1回見ました。しかし、なかなか内容が凄いですね。コスチュームはどちらかといえば、TNGっぽい感じもありますし、ネタとして宇宙大作戦じゃなくてスパイ大作戦っぽいのもあったりしますが。しかもゲストキャラの女の子はライカだし、犬はスプート29だし。
というわけで、終わった終わったと思って見終わったら何やらおじさんが「本日公開」という幕を出しています。よく見えなかったのであわてて巻き戻してあらためてよく見てびっくり。(録画を見ていたのだ)
題字は鈴木敏夫。そして出ていたのも本人。本日公開とはアリエッティのこと。金曜深夜放送ということは日付上は本日が公開日。
いやいや。これはびっくり。予想もしなかったことで驚きました。日本テレビが特番を組んでヨイショするだろう、ということは容易に予測できましたが、テレビ東京のしかも宇宙犬作戦ですよ。そこでまさか、こんなものを見るとは。
つまりどういうこと? §
「ジブリというのはよい子が作ってよい子が見る気の抜けたつまらないアニメ、と扱うことが賢い僕をアピールする方法みたいなとらえ方の人たちがけっこういるけどさ」
「違うの?」
「結局、ジブリって反社会的な集団で、作品もそうだよ」
「ええっ!?」
「考えもみてくれよ。紅の豚のポルコは政府から追われる身だぜ。愛国債権も買わないしな」
「政府ってファシストだろ? 政府と言っても悪だろ?」
「ハウルになると、もはやどちら側にも荷担しないで反戦を貫く話になってしまう」
「それは、政府に従順な人間をよい子と見なすなら、よい子に逆らう立場だね」
「アリエッティだってさ。上映前にいつものカメラおじさんのダンスの啓蒙CMだけでなく、警視庁の万引き防止CMまで流してる割に、その後で上映する本編は角砂糖を泥棒しに行く小さい人の映画なんだぜ。深夜に人様に家にこっそり忍び込んで角砂糖とかティッシュを頂戴に行くわけだ」
「借りじゃないのかい?」
「借りに行くとは言っても消費してしまえば返せるわけがない」
「おいおい」
「人間に見られてはいけない、ってのは泥棒の掟でもあるわけだ」
「そりゃ反社会的だね」
「うん。だからさ。従順な人間であれ、というメッセージ性に最後まで逆らうのがジブリらしいところだと思うよ」
「ははは」
「だから、そういうひねくれた部分が大好きさ。いいぞ、もっとやれ、と声援を送れるのが本物のファンだろう」
「それは君もひねくれているね」
「おいらも従順ではないからな。行列は嫌いだし、椅子に座って大人しく他人の話を聞くのも嫌いだ」
「じゃあ、君は泥棒の味方?」
「ルパン一家とアリエッティ一家の味方だけど、別に泥棒全般の味方はしないよ。むしろ、泥棒の味方をせよというネットの常識に従うほど従順ではないね。もちろん、ネットの正義に従ってあげるほどのお人好しじゃない。むしろ、正義がいかに茶番であるかを暴く側だ」