新たなる旅立ちを、もっとざっくばらんに解釈する試みです。
レイプと男と女の問題 §
この作品では、惑星が女であり、強制的な採掘は一種のレイプであると考えることができます。デスラーの怒りは、まずガミラスという母星をレイプされたことに対する怒りです。そして、黒色星団の次の試みは、イスカンダルのレイプとなります。
紳士的なデスラー §
穴を掘ることがレイプの隠喩なら、着水して防戦するだけのデスラーは紳士的です。表面にとどまり、内部に入り込もうとしないのです。
(ヤマトも同じ)
夫は守 §
カットされたシーンで、古代守はイスカンダルを暴走させるために出撃します。真田出撃のシーンです。しかし、この行為は「守によって惑星イスカンダルを犯す」行為の隠喩であると見なせますが、これは受け入れられます。なぜなら、スターシャやデスラーから正統な夫であるとして承認されているからです。
ヤマトは女 §
波動砲発射口とエンジン噴射口という穴が空いているヤマトは女性側です。(船は本来女性形)
従って、カットされたシーンでは立ちふさがる星を破壊するためのゴルバとの戦いに撃ち負けます。これもまたレイプの変種の隠喩ですが、レイプに成功するのは男性的なゴルバです。
バイブ的なゴルバ §
ゴルバはある意味でバイブ的であり、レイプを行う男性性の隠喩的存在です。デスラーは自らの男性的な優越を示すために、ゴルバをレイプするという行為に出る必要に迫られます。つまり、デスラー戦闘空母をゴルバにめり込ませるわけです。そこで、古代に自分ごと撃てというのは、実は古代に対して男性的優位を放棄することを意味します。つまり、ヤマトに自らレイプされることを望みます。しかし、これは成功しません。ヤマトは女性だからです。
スターシャの介入 §
ここで、戦闘は「レイプ能力の優劣」という側面に集約されてきます。
- ガミラスを犯した黒色星団
- ゴルバを犯したデスラー
- イスカンダルを犯した守
この争いに参戦していないのはヤマトだけです。
しかし、このまま放置すればヤマトもデスラーを犯す形で参戦しかねません。デスラーははっきりとそう誘っています。
このまま放置すればレイプ合戦の勝者がイスカンダルを犯す権利を得るという男性的原理の世界に決着してしまいます。つまり、誰が勝っても女性的な原理の敗北を意味します。
従って、ここでスターシャが介入しますが、ある意味で当然です。実はスターシャがノーを突きつけたのは、そういう男性的原理による決着そのものです。従って、スターシャは自決という手段を選びますが、最終的にレイプ合戦に参加しなかったヤマトに家族を託して自らは命を絶ちます。イスカンダルをレイプされそうになった人妻スターシャは、他に誰も味方はいないため、精算のために自爆したわけです。
ならばプレアデスは女だ §
とすれば、プレアデスは女です。なぜならこれも穴が空いているデザインであり、ヤマトと対等です。プレアデスが持つ女性原理が男であるデスラーを追い詰めますが、女であるヤマトが到着することで、対等の女の戦いが起こります。ここで、スターシャはただ見守ることしかできません。第3者の女同士の戦いだからです。そこに意見する理由も介入する理由もありもありません。
しかし、守によるイスカンダル破壊と暴走、そして、射精行為である波動砲発射で戦いが決着したことで、事態は男性的原理の戦いへと移行します。その結果として男性的なゴルバが出現して、カットされた星の破壊合戦のシーンへと続きます。