「おやかたさま~ 大変です」
「うろたえるな幸村」
「しかし、上杉テレ信と名乗る謎の女性から救援を求める通信が!」
「馬鹿者! (ぼかーん)!」
「お、おやかたさま!」
「出撃はゆるさん! ヤマトはもう廃艦と決まったのだ!」
「おやたかたさまー」
「ゆきむらー」
「おやかたさまー」
「さなださん!」
「すみません。おやかたさま。この幸村、どうしても困っている人を見捨てられません。ヤマト発進!」
「待て、お前にはヤマトの操縦は無理だ」
「伊達政宗。来てくれたのか!」
「That's All Right! いくぜ! 独眼竜ヤマト発進!」
戦国SARABA弐・愛の戦士達について §
大人気作品戦国SARABAの続編。独眼竜ヤマトが敵性言語の英語で喋るなど、あり得ない描写の数々が続くが、空気がない宇宙で会話したり、宇宙空間でいつも上から下に物が落ちることに比べれば大した問題ではないらしい。真田幸村(通称真田さん)と武田信玄の愛あるドツキあいが名物。続編は「戦国SARABA III ドツキあい宇宙」らしい。ちなみに、目玉(波動砲発射口)が1つだけの独眼竜ヤマトの必殺武器は腰に下げた6本の刀で繰り出す6連装トランジェント波動砲だ! SARABAと手を振るムードじゃないぞ。
オマケ §
「こんなネタを喜ぶ奴が何人いると思う」
「んー、日本全国で3人ぐらいかな」
「その3人が必ず読んでくれると信じて?」
「いや、その可能性も薄いな」
「意味ねえ!」
「ただ1つだけ補足しておくとだな」
「なんだい?」
「歴史ものっていうのは、知識や見識があればあるほど奇想天外にぶっとんでいくものだと思う」
「よりリアルに、ではなくて?」
「そうだ。歴史というのは調べれば調べるほど分からないことだらけなのだ。ほとんどが分からないことで、たまに分かることもある程度だな。ということは、あとは空想で補完するしかない」
「そうだね」
「でもさ。そういうことなら凡庸な中身よりも、飛んだ内容の方が面白い。フィクションだから非常識でいいんだよ」
「なるほど」
「歴史というシステム限界を分かっていればいるほど、ぶっ飛んでいくことができるわけだ。しかも、すげえマニアックな歴史ネタが挟んであればなおいい。そういう事例は意外と多い」
「戦国BASARAもそうだってこと?」
「ああ。上杉謙信女性説とか前提だしね」
「女なのは作り手の解釈じゃなくて?」
「上杉謙信が女性だったのかは分からないが、上杉謙信女性説というのはもともと存在する。別に戦国BASARAオリジナルではない」
「他の作品では?」
「他にはSAMURAI DEEPER KYOとか、サムライチャンプルーとか、陸奥圓明流外伝 修羅の刻とかも同じようなことが言えるけどね」
「でも、あまりヤマトと関係ない話だね」
「そうとも言えない」
「というと?」
「結局ヤマトの過去は大和ということで、一種の歴史ものになってしまうんだ」
「ええっ?」
「だからさ。ヤマトそのものが、あり得ないぶっとんだ大和ものの1バリエーションなんだよ」
「ってことは?」
「ぬるいマニア気取りなら大和が活躍する架空戦記を書くのだろう。でも、本物の歴史マニアなら、小手先の歴史改変で大和に活躍させることはできないことを知っている。だから、大和は素直に沈んで貰って、西暦2199年に復活させるわけだ」
「そうか、ぶっとんでいることは、逆説的に良く分かっていることの証明になるんだね」