以下はいい加減に書き飛ばすから、眉に唾を付けながら読めよ。頭から信じるなよ。
さらば宇宙戦艦ヤマトの地球艦隊はマルチ隊形を取って白色彗星に蹴散らされます。
実際の映画には出てきませんが、小説等では遠距離から見ているヤマトで酷評される体型です。
では、マルチ隊形とは何でしょうか?
なぜマルチ隊形は酷評されるダメ隊形なのでしょうか?
マルチ隊形とは §
艦隊の配列はいくつかあります。あまり詳しく突っ込んでもしょうがないので、ここでは3つだけ。
- 輪形陣 守りたい主力艦の周囲を護衛艦で囲む。対空戦闘で典型的に使われる
- 単縦陣 旗艦を先頭に縦一列。ともかく旗艦のあとに一列になって付いていけば指揮官の思い通りに機動できる
- 単横陣 横一列。より古い時代の隊形。機動性を発揮しにくい
さて。問題のマルチ隊形は「単横陣」の発展形と見なすことができます。上下2列に主力艦を並べた単横陣と考えられます。(2列なのでマルチと思われる)
ここで問題はなぜ2列の単横陣が酷評されるのかです。
白色彗星は、進路が予測され、待ち伏せが容易であったはずです。しかも、単縦陣では先頭の旗艦以外は波動砲を撃てません。(前の艦に当たってしまう)
失敗時の回避機動 §
この隊形の問題点は、おそらく失敗時の回避機動にあります。もしも迎撃に失敗して脱出する際、左右に回頭したら僚艦に当たりかねません。上列は下に回頭すると同じです。下列は上に回頭すると同じです。つまり、上列は上に、下列は下に回避するしかなく、回避ルートが簡単に読まれます。
それ以前に、どうも地球艦隊には垂直面を使った機動に関する意識が希薄であり、水平面での機動で問題を解決しようとする気風が強かったと思われます。とすれば、マルチ隊形とは失敗時のリスク管理が存在しない隊形であり、それゆえに発想が甘い幼稚な隊形と酷評されることになります。
3次元機動の発想はあるのか無いのか §
冥王星海戦でほとんど唯一敵艦を沈めた古代守は3次元機動の発想があったと考えられます。また冥王星とガミラス星で海に潜る作戦を考えた沖田も3次元機動の発想があったと考えられます。都市帝国の下部にヤマトを待避させた機動もやはり3次元機動の発想があったと考えられます。しかし、これらはすべて個人に属する発想であり、組織としてはそういうマニュアルを持っていなかったのではないかと思われます。
しかし、実際に3次元的な機動はしばしば見られ、個艦の能力としては可能だったのでしょう。
ちなみに、ヤマトIIIでヤマトがショックカノン撃ちまくりきりもみ急降下のような作戦を取るのは、マニュアルに3次元的な機動が取り込まれた結果とも考えられます。それほど追い詰められていない段階で取る機動だからです。
まとめ §
- おそらくマルチ隊形とは上下2列の単横陣である
- 迎撃に特化した隊形であり、機動性への配慮がない
- 失敗時へのリスク配慮がない
- 上手く行かないことは、ヤマト乗組員なら容易に予測できていた
オマケ §
「全艦、HMX-12隊形を取れ」
「ちがーう」
「マルチダさん、マルチダさん、マルチダさーん」
「それも違ーう」
「マルチダさんにボインタッチ」
「それはマルチタッチ」
「じゃあ、マルチ商法で一儲け」
「それは犯罪」
「ま、ルチーナ、どこに行くの?」
「それはただのバイファム」
「魔人ゾアメルグスターさまの名にかけて」
「それはスレイヤーズのマルチナ」
「UNIX以前のOS」
「それはマルチックス(MULTICS)」
「わんわん」
「それはマルチーズ」
オマケ2 §
「しかし、ヤマト2になるとマルチ隊形という見せ場もなく、突如出現した白色彗星に地球艦隊は壊滅するのであった」
「火炎直撃砲になんとか勝ったのに、負けるときはあっとう間だね」
「土方が指揮した地球艦隊とアンドロメダだ。メダルーザと火炎直撃砲ぐらいの強敵を用意しないとやはり失礼なんだろう。すると見せ場はそちらに行ってしまう」
「結果的に有能ゆえに逆に苦労している感じしか残らないね」
「さらばの地球艦隊の指揮官は有能とは言えないけど、軽くバルゼーを蹴散らしたしね」
「バルゼー、もうよい、どけ!」
「結局、あの地球艦隊は何だったのか」
「軍人は前の戦争を完璧にやり直したいと思うが、戦争のやり方を革新してしまった側が勝つというけどさ。白色彗星戦役は、ガミラス戦役とは全く異質な戦争だったんだ。だけど、地球艦隊はガミラス戦役を勝利で完璧にやり直そうとした」
「でも、ガミラスと違って艦隊の他に白色彗星がいた」
「つまり、艦隊を見て白色彗星を見てなかったんだよ。戦力として」
「だから蹴散らされてしまったわけだね」
「そこが、既に白色彗星を見てきたヤマトと違うところだ」