「バトルスピリッツ ブレイヴを第2話まで見たがえらく面白い」
「そんなに?」
「ああ、そうだ。本来あるべきアニメってのはこういうのを言うべきだろ? ってぐらい面白いぞ」
「そこまで?」
「見ていてゾクゾクするな」
「でも、それってバトスピの感想でヤマト関係ない」
「いやいや。第2話ではっきり分かった」
「何が?」
「ヤマトの変奏曲なんだよ。このブレイヴは」
「ええっ?」
「まず遠い未来の話。そして、人類滅亡まで1年」
「あと1年しかないのか!」
「しかし、敵の種族は滅びない!」
「放射能の中で生きられるガミラス人みたいだね」
「しかも、会議室で状況やメカニズムを説明するシーンまである!」
「なるほど」
「更に、うるわしのソフィア号がヤマトを彷彿させるよ。第1話の発進は真田の回想の古代守艦の発進を彷彿させるし、登場人物の配置がヤマトに似ている」
「というと?」
「主人公の馬神弾が沖田。馬神弾/沖田への不信を、本人がいないときにぶつけてくるのがパイロットの青年/古代。すぐ信じてうちとけようとするのが整備の子/島。ヒロインが一段下がって艦長の前の席で、紫乃宮まゐ/森雪。遠くで見守っている司令官がカザン/藤堂」
「なるほど」
「あと科学者キャラがいるのも真田に対応するね。2人いるけど。あ、いや。もしかして真田と新米に対応するのかな。片方が小さいメガネキャラだし。かっこいい方が女性になるのは最近のトレンドだし。ヤマトでも真田の女性化という話は無いが、船医の女性化は起こってるし」
「対応しない部分は他には?」
「うるわしのソフィア号の艦長クラッキーレイは対応する立場が無いかもね。強いて言えば古代守的かな。キャラがかなり違うけど。キャラ的にはブンドルっぽい」
「なるほど」
「ってわけで、話を戻すと。だからニューヴェストロイアがダンガードA的だとすれば、ブレイヴはヤマト的なのかもしれないよ」
「でもガ○ダムのサンライズ作品なんだろう?」
「本当に革新的な作品はガ○ダムではなく、こっちかもしれないよ。ってか、おいらは凄く手応えを感じている」
「そうなの?」
「だいたい巨大組織は人が変われば対応も変わる。XXという組織だから……という考え方はできない」
「確かに」
「そうだ。太平洋上に新大陸という話はヤマトの海が干上がったという話とムードが似ているのかもしれない」
「ははは」
「そして、ブレイヴの敵のトップは謎の美女の女王だが、主人公を連れてこいと命令する」
「結局、行くのか。謎の美女のところに」
「詳細は食い違うが、謎の美女の女王のところに行くのは、イスカンダルのスターシャ的だ」
「うん」
「部下はデスラーに対するヒスみたいに分かってない奴だし」
「ははは」
「あとね。第2話で主人公のライバル的な奴が出てくるんだけどさ。その会話が凄い」
「というと?」
「超意訳すると、『私は戦争をしているのだよ副総統、くだらん飲み物で私のいちばん楽しい時間を邪魔しないでくれたまえ』」
「はははは」
「敵も主人公も強くなりすぎて敵が居ないけど、血が沸騰するようなバトルがしたい、ってことで意気投合しちゃうのは壮絶だな。もはや、そこに子供っぽい正義は存在しない。人類の救世主として未来に呼ばれた主人公がそこで話に乗っちゃうわけだ。敵も敵で、領地などを賭けないで純粋にバトルを始めてしまう」
「かなり気に入ったようだね」
「ああ、もちろんだ」
「でも他にいくらでもアニメなら見てるでしょ?」
「たりねえな」
「たりない?」
「魂を揺さぶる熱いアニメが見たいんだ」
「アイアンリーガーみたいな?」
「むしろヤマトみたいな」
「どういう意味?」
「次のエピソードの放送が待ち遠しいようなね。録画されているから見るか、というアニメとは違う」
オマケ §
「あと、音楽的に凄くいいのもヤマト的だね。特にEDとか」
「それから?」
「あとさ。日曜日になると、ブレイヴの続きが見られると思うってのもヤマト的だよね。ヤマトも日曜日だったから」
「第1シリーズの本放送だね」
「第2話放送の朝は忙しかったからリアルタイムで見てないけどさ。朝から今日はブレイヴが見られるってワクワク感はあったぜ」
「そうか」
「これだけのワクワク感は滅多にないが、それを裏切られないことも珍しい。第1話だけってアニメも多い」
「そうか」
「あとは、序盤だけってパターンにならないように祈るよ」
「それもけっこうよくあるパターンだね」
オマケ2 §
「ああ、でも1つ分かったな」
「何が?」
「本当に面白いアニメを見たかったらジャリ向けをチェックしないとダメだ」
「ダメなの?」
「ああ、そうだ。ファイヤースピリッツも面白かったしな」
「バトスピ?」
「いや、バトルスピリッツ 少年突破バシンも面白かったが、B-伝説! バトルビーダマン 炎魂のことだ」
「なるほど」
「そういえば、昔は、怪盗ドラパン謎の挑戦状も面白いということが理解されなかった。なんだドラえもんか、見なくていいやというリアクションが多数派」
「ガオガイガーの監督の熱血作品だろ?」
「でも、ガオガイガーは見るのに、ザ☆ドラえもんズは見ないんだなこれが」
「偏見?」
「偏見もあるし、感受性の不足もあるだろう。ザ☆ドラえもんズとかドラベースはドラえもんとは厳密に言うとノリが違うという常識もない。感受性も常識も無いから見ても分からない。作品を分かる力が決定的に弱いから、ジャリ向けすら分からない」
「そんなに?」
「ヤマトでも同じだろ? あれだけ流行ったヤマトなのに、見ても理解できない自称ファンで世界は一杯さ」
「ははは」
「だから、むしろジャリ向けで、あくまでジャリ向け商品の宣伝媒体でありつつ、そこで大人っぽい話をやってしまう反逆的な態度とかいいじゃないか。そういうのが好きだぜ」
「反逆か」
「1980年代のロボットアニメとか、みんなそうだったろ?」
「確かに」
「大人向け媒体で大人向けの話をやってもつまらん。予定調和過ぎる」
「予定調和はダメなの?」
「秩序という名の死だからな」
「うはっ」
「だから、ヤマトが拓いたアニメの後継者を自認するなら反逆すべきなのだ。それこそがアニメの進むべき道であり、それをやめたらもう存在価値はない。消えゆくだけだ」
「実際に消えつつある感じだね」
「放送本数は少なくないが、どんどん土日の早朝と深夜に追いやられてゴールデンタイムでの存在感は減る一方だ」