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2010年10月29日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマトtotal 2519 count

ヤマトファンもどきの深層というか余談

Written By: トーノZERO連絡先

「余談だけどさ」

「うん」

「スターチルドレンって歌があるじゃない」

「劇場版のガ○ダムの主題歌になり損なった歌らしいね」

「詳しい事情はよく知らない」

「それで?」

「歌詞に地球光って言葉がある」

「うん」

「これは、もともとそういう用語があったんだよ」

「へぇ」

「ああ、ここにあったね」

「なるほど」

「そもそも、クラークの作品にズバリ地球光というタイトルの小説があるぐらいだ」

「それで?」

「うん。そういうバックグラウンドの知識の有無で、歌の印象も大きく変わる」

「なるほど」

「客が楽しいと思うためにそんな知識は必要無いが、ガ○ダムとは……と確定的に偉そうな語りを行う場合、そういった予備知識の有無は致命的になる」

「というと?」

「どれほど偉そうに語っても、地球光が持つ意味合い、作品が見ている方向性への視点が欠落すると馬鹿にされちゃうだけだからだ」

「はははは」

「実は同じような構造はヤマトでも普遍的にあって、勘違いして馬鹿にされた批判も多いという話なんだが、まあそれは横に置こうか」

「置いちゃうのか」

「忙しいんだよ、いろいろね」

「それは知識が無い奴はダメだってこと?」

「いや。偉そうに語る奴はダメってことだよ。知識なんて無くて当たり前。映画に予習は必要無い」

「映画は相手の言っていることを聞くために見るのであって、自分の自慢大会じゃないってことだね」

「自慢したい奴は自分でメガホンを取れ。いかに客に見て貰うのが難しいかを痛感できるぞ」

「それ以前に予算集めで自分の限界が見えてしまうかもね」

「集まるスタッフがいかに自己中で言うことを聞かないかもね」

ヤマトは §

「そういう意味で、ヤマトは不幸すぎた面とラッキーすぎた面がある」

「というと?」

「最初はあまりにも失敗し過ぎたが、後で成功しすぎた」

「なるほど。視聴率低かったものね」

「でも、映画になってドッと来た」

「そこで、作り手側にもいろいろ変な勘違いがあったような気がする」

「終わる終わる詐欺の西崎さん?」

「いや、スタッフを含め、関わった人全般」

「たとえば?」

「松本零士先生もそうだが、絵コンテの安彦良和さんとかも、けっこう変な紆余曲折の人生だと思うぞ」

「ダイアポロンカリスマになっちゃった人もいるしね」

「宮川晃さんなんていうのも、やはりマツケンサンバ2で人生が紆余曲折すぎるが、これもヤマト系」

「なるほど」

「この状況下で、また映画を作れた西崎さんはやはり凄いと思うな。作っただけでえらい」

「確かに。ヤマトIIIも見てないのに、確定的にヤマトを語っちゃう困った人ばかりの世の中でそれは偉いかもしれない」

オマケ §

「ヤマトIII見てない人は意外と多いね」

「というと?」

「ヤマトIIIってのは2大陣営の間に挟まれたヤマトが両陣営に翻弄されながら第2の地球を探す話だよ、戦争が主目的の話ではないよ、っていうと本気で驚く人がけっこういるんだよ」

「ええ? それは本気で驚くぞ。驚かれることに驚くぞ」

「ヤマトよ永遠にのテレビ版だと信じてる人もいるしね」

「ははは。そんなわけない」

「情報通を気取るマニアでも、結局詳しいという自負で多くのものを見落とすわけだ」

「結局何が悪いんだろう」

「過信は足下がおろそかになるってことだろう」

「自信過剰ってことだね」

「結局問題はそこで、いくら上半身に強力な武装を乗せても足払い一発でこけちゃうんだよ」

「ははは」

「いやね。だからさ。昔は正面突破をやってたときもあるけどさ。年を取ると面倒くさくてね。足払い一発でこけると見えちゃうとそれでいいじゃん、ってなってしまう。時間も勿体ないしね。最後は足払い一発でこけると分かると面白くないから素通り」

「少年突破でイセカイカイトータル! って叫ぶのはやはり若くないとね」

「いやそれはいいから」

「てへ」

「結局さ。ヤマトってのはそこなんだよ」

「どこ?」

「だからさ。実は大艦隊での決戦という話はほとんどない。あっても、ヤマトが関与しないことが多い」

「そういやそうだね。さらばでも艦隊決戦にヤマトはいないし。2でも、別働隊だから決戦の現場にいないし。IIIだとガルマンガミラスとボラーが激突している時にヤマトはハイドロコスモジェン砲を太陽に撃ってるし」

「復活編でやっと、大艦隊の中核としてヤマトが機能し始める」

「そうだね。結局、ドメルの大艦隊も決戦には連れてこない。空母中心の小艦隊で来るだけだ。いくら許されても罪人だったからしょうがないのかもしれないけど」

「その代わり、相手の意表を突く搦め手の作戦が多い」

「人工太陽とか?」

「濃硫酸の海がある空洞惑星ってのもそうだろう」

「そうだね」

「そこまで来ると、もう過去の知識がいかに多くても語れない世界になる」

「それがヤマトってことだね」

「ワープが特別に美味いスープではなく森雪の服が脱げることだなんて、まさに見ないと分からない世界だしね」

オマケ大戦3 §

「でも、君の感性は世間の多数からはずれてるかもしれないよ」

「我が友を守り我が道を行くだけさ。愛の御旗のもとにな」

「愛の御旗ってどこから出てきたんだよ」

「だってヤマトは愛だしな」

「なるほど。夢とロマンと冒険心を讃えるのだね」

「それってどんな交響組曲なんだよ」

オマケ交響組曲 §

「しかし、あまりにはまりすぎた」

「というと?」

「巴里歌劇団は、夢と希望と明日と正義を讃える」

「うん」

「でも、交響組曲は、明日への希望 ~夢・ロマン・冒険心~なんだ」

「ははは」

「さあ、道なき道を行こう。イスカンダルへ。手を取り合って力を合わせて。たとえ、藪が反乱して真心が涸れようと」

「はまりすぎ。でもロマンはないね」

「そんなことはないぞ」

「どこに?」

「大正桜にロマンの嵐」

「そこか」

オマケの翼 §

「しかし思い出したぞ」

「何を?」

「最初に初代のサクラ大戦の情報を見たのは、深夜のゲーム番組だった」

「うん」

「こんなゲームが出るよと言う予告」

「どんな感じ?」

「大正時代に女だけの秘密チームが帝都を守る。しかも、普段は歌劇団に偽装している。しかもチューブに飛び込んで着替えるんだよ。これってどんなサンダーバード+エンジェル隊(もちろんGA隊ではない)だよ。ワクワクしたねえ。当時としては斬新だったし」

「それでみんなと一緒に盛り上がったの?」

「いや、周囲の反応はだいたい意味不明でぽかーんとしていた」

「え? あれだけ人気あるじゃない」

「現物が出た後はそうなるけどね。最初はもうぽかーんと意味不明で何も感じない人が多かったみたいだな」

「それはどういうことなんだろう?」

「ヤマトが分からない病理と同じことで、時間軸が飛ぶともう追い切れなくなる。想像力の外側に行ってしまうんだろうね」

「ほんとに?」

「他にも例がある。省略するけど」

「なるほど」

オマケの未来 §

「結局、過去に興味はない未来志向って言い方は手抜きの代名詞だったんだよ」

「そこまで言ってしまっていいのかね?」

「うん。いいぞ。過去から学ぶこともなく、とっくに失敗の事例を積み重ねたアイデアを再発明して、そんな素敵なアイデアを思いつくオレって天才とか言ってアピールする行為が正しいわけがない。自滅への一直線だ」

「ははは」

「と思ったらストック原稿の『ヤマトと目新しさの問題』に直結する問題じゃないか」

「既にあるのか」

「そのうちに公開するからな。それまで請うご期待」

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