2010年10月30日
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変化球が分からない問題とヤマト

Written By: トーノZERO連絡先

「アニメを2つに分けるとすると、おそらくストレートと変化球がある」

「たとえば、どういう感じ?」

「ストレートというのは、甲子園を目指すとか、宇宙からの侵略者と安易に戦うようなアニメだ」

「なるほど。決まったお約束があって、それを履行するのがストレートだね」

「変化球というのは、そのお約束からの逸脱だ」

「たとえば?」

「甲子園を目指す前に悪徳監督と戦うとか。魔球投げてたらいきなり超能力者だからと言われてロボットに乗せられるとか、ヒロインがムテクイーンに変身したり、3枚目の引き立て役がタイフンホラマーに変身したり、江戸時代風なのにメカキャットだったり、カードバトルでなぜか土地が奪われたり、そういう感じかな」

「なるほど」

「中でも、変化球が上手い変化球投手は宮崎駿や押井守だろう」

「客が待っているストレートな映画はけして作らないね」

「未来少年コナン2(タイガアドベンチャーじゃないよ)とかカリ城2とかビューティフルドリーマー2とか作れば確実にマニアが喜ぶけど、けしてやらないね」

「うん」

「さてここで問題はヤマトだ」

「ええっ?」

「ヤマトはもともと西遊記をベースにした企画だと言うが、西遊記そのものはスタンダードで、それをなぞった作品はおそらくストレートだろう」

「でも、紆余曲折でなぞった企画とも言えないよ」

「そうだろう。だから、ヤマトもやはり変化球なんだ。西遊記が西遊記に見えないほど変化した最終形だ」

「ボール握りつぶして投げたような感じだね」

「登場人物が分身して群像劇となる」

「それで、その話がどうなるわけ?」

「うん。実はオタク層は変化球にからきし弱い」

「ええっ!?」

「ロボと美少女に最終的に還元されてしまう。場合によってはロボすら排斥される。美少女も記号に分解されて、お約束に全て回収される。逸脱物は何も残らない」

「それじゃ、見なくても同じじゃないか」

「うんそうだ。だからオタクの指向は基本的にコレクションに向かう」

「見ないけどコレクションするのか」

「そうだ」

「じゃあ、中身なんてどうでもいいじゃん」

「そうだよ。中身なんてどうでもいいんだ」

「それで面白いの?」

「さあ、それは知らん。誰かに誰かに聞いといて」

「しっぽの光ったやまねずみの知り合いはないぞ」

オマケ §

「ガ○ダムはストレートだったから受けた」

「なるほど」

「ところが、∀でロボが洗濯出動するような変化球が来た。ここで、大激論がわき起こる。当然だ。マニアはストレートを待っていたんだ。最初の打席でストレートが来たんだから、今度もストレートであるはずだってね。そこで、強引に∀を暴投つまり投げ損なったストレートとして解釈しようとしたが、上手くまとまらないので激論が起こってしまう」

「ヤマトはどうなんだろう?」

「放送期間が短縮された結果、変化する前にミットに収まったので、ストレートと解釈した人も多いのだろう。あるいは映画版は割とストレートだ」

「でも本質的にはヤマトは変化球だよね」

「宇宙からの侵略者と戦ってるはずなのに敵が出てこないエピソードまである」

「凄い変化球だよね」

「うん。だから、ストレートを待っていた第1シリーズ原理主義者は次打席以降あっさり空振りしたので、ピッチャーは卑怯だと怒ってるのだろう」

「でも、変化球投手にそれを言ってもしょうがないよね」

「剛速球投手に、敬遠しないでストレートで勝負しろと要求するのとは違うからね」

オマケ2 §

「しかし、今時野球ネタは若者に通じないそうだぞ」

「へぇ」

「全員野球とか意味が理解できないとか新聞に出ていたね。野球は全員でするのが当たり前で、意味不明だとか」

「馬鹿者。野球にはベンチってものがあるんだぜ。戦えるのは9人までだ」

「なんかそれも違う……」

「じゃなかったら2軍。ベンチすら入れないチームメイトもいるんだぜ」

「それも違う」

「じゃ、3軍」

「第3野球部でもない!」

「じゃ、アパッチ野球軍」

「裸がユニフォームでもない! ってかどこからアパッチ出てきた」

「いや、米軍チームがAH-64で日本チームとベースボールの決戦やろうと日本に来たら入国拒否」

「Sightseeing?」

「No, Combat.」

「それじゃ入国できないの当然だろ」

「俺たちアパッチ飛行隊の軍野球チームと試合をやらせろ~」

「確かにアパッチ野球軍。なんかネタが古いな」

「陸軍ヘリの荒くれ野郎はみんな裸も同然」

「これが俺たちのユニフォーム?」

「じゃ、新しい野球ものでクロスゲーム行ってみよう」

「何をするの?」

「ばろーむクロスと叫んで少年が合体して1人のライダーWになる」

「それで?」

「そのままゲームに出るのだ」

「なるほど。これがクロスゲーム。でもいいの?」

「いいわけない。審判に10人試合に出ていると言われて退場」

「なんか違う」

「ところで、ゲッサンのオマケのあだちみつる特集の小冊子が凄かったぞ」

「どんな感じで?」

「たとえば、こんな漫画がある」

「どんな?」

「南ちゃんから怒られながらたっちゃんが逃げ出すわけだ」

「うん」

「そうすると、いろんなあだちみつる主人公と間違われる」

「ははは。そっくりだもんね」

「で、別人だと怒る」

「そうだね」

「最後に家に帰るんだが、ビキニで挑発するみゆき(妹)がお兄ちゃんお帰りと迎えてくれる。主人公が、オレって誰だっけと悩む」

「ははは」

「ちなみに、激走グルメポッポにもみゆきのパロディがある」

「どんな?」

「みゆき(妹)が12歳のモモで、みゆきちゃん(鹿島)が18歳のモモ。どちらもモモ」

「確かにどちらも同じ名前のモモだ」

「しかし、ヤマトはあまり野球に縁がないね」

「それはしょうがない。古代は元々昆虫採集が好きな物静かな少年なんだ。ダイナミックに野球を楽しんだりするキャラじゃない」

「艦内も狭いしね」

「格納庫整理しても野球をやるには狭そうだものね」

「惑星に降りても海ばかり。ガミラスも濃硫酸の海だし、イスカンダルも海ばかり、アクエリアスも海ばかり。たまには野球ができる原っぱでもないものかねえスターシャ」

「それならいい場所があります。イスカンダルのダイヤモンド大陸」

「ダイヤモンドをつんざいて、野球ができそうな大陸だ」

「でも明日には沈みます。延長戦は無理なので短期決戦で願います」

「うぉっ!」

オマケIII §

「今になって思い出した」

「なにを?」

「松本零士大先生も野球に熱心じゃない。昔、何かの後書きで、ちばてつや大先生が松本零士大先生を野球に誘ったが野球やってても昆虫ばかり見て試合に集中してくれないと書いていたような気がする」

「なるほど。でも、ハーロックには女子プロ野球出てくるよね」

「ミニスカで美女が打って走るのを首相がテレビで見てたんだっけ?」

「ああいう野球ならいいわけだね」

「オレもあれならいいぞ」

「白球よりミニスカを視線が追いそうだけどな」

オマケぶり §

「そういえば思い出した。ヤマトで野球ネタが1つあった」

「なに?」

「大きく振りかぶってという高校野球のアニメがあるのだが、確か応援でヤマトを演奏していた」

「ははは。確かにヤマトネタの野球ネタだが、ヤマト関係ない」

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