「というわけで、続かない予定の12月以降にまでヤマトネタが続いたね」
「うん」
「なぜだい?」
「予想以上に燃料が補給されたから。SPACE BATTLESHIPヤマトが凄すぎたからだろう」
「でも、上映は12月になってからだよね」
「12/1からだ」
「じゃあ、12月まで続いた理由にはならないよね」
「うん。そうだ。TV番組や、赤坂サカスの15mヤマトの存在がでかい。特に、赤坂サカスは重要だ。これだけで凄い話題性と言える」
「では、君のこのあとの予定を教えてくれ」
「赤坂サカスの最後の波動砲発射は、12/4の21時だと思うので、これを一応見届けたい」
「うん」
「あと、前売り券が1枚あるので、これを消費してもう1回SPACE BATTLESHIPヤマトを見たいと思う」
「それで?」
「以上で一応完了かな。まあ、あと大クロニクル等が残るけど。大クロニクルは一応現物はもう手元にあるけど、壮絶すぎてまだ消化できていない。あと時間が無くて松本零士の名言集も手を付けられていないな」
「そのあとは?」
「ヤマトの先に歩いて行けるかな」
「だといいね」
「前に進まないと話が始まらないしね」
「現状維持じゃダメ?」
「ダメっ。だって、SPACE BATTLESHIP ヤマトが見せてくれたのは未来へ続く道だから」
変化 §
「実は最近、語句の表記が変わったのが分かるかい?」
「どこ?」
- キムタク→木村拓哉
- 実写版ヤマト→SPACE BATTLESHIPヤマト
「そういえばそうかな」
「けっきょく、それは実際の仕事を見て、評価を変えたってことだ」
「どういう意味?」
「実写版ヤマトという表記はヤマトの亜種派生形というニュアンスなんだが、SPACE BATTLESHIPヤマトと書くとヤマトとは違う別の独立した価値として承認したことを意味する」
「キムタクは?」
「記号ではなく、生身の人間として意識されるようになったことを意味する」
「そうか」
「赤坂サカスで生で見ちゃったしな」
「そのときの印象?」
「歩く記号じゃなくて、人間に見えた」
「どこがどう人間なの?」
「イケメンとかスターとかタレントとかSMAPとか、そういう記号的な存在としてはまるで振る舞っていなかった。ささきいさおの方がよほどスターらしかったよ」
カウント §
「ちなみにオーマガのTOPはヤマトネタで占領された。2010/12/03 23:50頃の状況だ」
「なんというランキングの順位!」
「初日の感想はなんと1700超えだよ」
「ひぇ~。このサイトでは信じられない数字だね」
「まあ、あくまで今だけの状況だけどな」
「冷めてるね」
「ブームが去っていく状況は前のヤマトブームで見ているからな」
オマケ §
「ちなみに、ヤマトの音楽の佐藤直紀が手がけた作品等の関係でマシンロボレスキューを取り上げたけどさ」
「うん」
「このアニメも実に不思議だ」
「どうして?」
「子供向きだから、けっこう子供っぽい表現が多く含まれる。基地の上には巨大な手があって、出場するチームごとにグーチョキパーの形になったり(大隊出場では3本指を立てる)、マシンコマンダーの発進なんて人の顔を模した支柱の口から舌のように伸びたゴムで打ち出すんだ」
「ゴムカタパルト!」
「登場人物もほとんど子供ばかりだし」
「へぇ」
「ところがさ。これ大人に見せるとみんな例外なく真面目に真剣に見始めるのだよ」
「へ?」
「ゴムを引っ張って飛行機をぽーんと飛ばすアニメなのに、そういう馬鹿馬鹿しさに突っ込む奴が誰もいない」
「へぇ」
「1つに、タイトルは『出撃!マシンロボレスキュー』なのに内部では執拗に出撃ではなく出動でもなく出場という用語に固執するし、緊迫感も音楽も妥協しない。だから大人が見ても飲まれてしまうのかも知れない」
「ベタ褒めだね」
「しかし、この後継文化はアニメ界にはおそらく存在しない」
「えっ?」
「そもそも、レスキュー物はドラマとして成立しにくいのだが、それにしても後継文化がアニメ界にはない」
「無いのか。それは寂しいな」
「おい。アニメ界には、と限定したはずだぞ」
「というと?」
「結局、レスキュー魂を引き継いだのは、特撮TVドラマの2008年のレスキューフォースということになる。トミカヒーローだ」
「ええっ!?」
「レスキューフォースと後継番組のレスキューファイヤーになると、もう実在のレスキュー車両(消防車等)も紹介されるし、そういった車両の未来的な拡大版として架空のメカが活躍する」
「それってどういうこと?」
「だからここにあるのもアニメ文化の終焉という話になる。『出場!』って叫ぶレスキュー話は、もう、アニメじゃなくてもやれてしまうんだ」
「なるほど」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトが生まれるバックグラウンドも同じことなんだろう」
ファイナルレスキュー承認、爆裂的にオマケせよ! §
「というわけで、SPACE BATTLESHIP ヤマトが生まれる文化の一端を解析できて良かったね、で終わるつもりだった」
「しゃんしゃんしゃん」
「ところが終わらなかったんだなこれが」
「へ?」
「当時はまだ白組なんて名前は意識してなかったから気付かなかった。というか、2008年では現在進行形のヤマトを意識してなかったと言った方がいいな。復活編を含めて」
「何が言いたい?」
「以下はレスキューフォースのスタッフリストの抜粋だ」
- VFX - 白組
- 製作 - テレビ愛知、電通、トミカヒーロー レスキューフォース製作委員会(タカラトミー、三井物産、松竹、白組)
「白組……」
「鷹の爪団の映画で友情出演白組という名前を見てから白組という名前を意識するようになったが、実はレスキューフォースの段階でもう白組に遭遇していたとはなあ」
「まさに、ぐるっと話が一回りして出発点に戻ってしまった感じだね」
「実は、WikiPediaの白組のページで実績を見たら、もっと見たことあるタイトルが並んでいるのだがそれは封印しておこう。きりがない」
オマケの女 §
「でも、これだけは取り上げておこう」
「なに?」
「スーパーの女という映画がある。1996年の伊丹十三監督の作品だ」
「どんな映画なの?」
「ダメ男が経営するダメスーパーマーケットを、幼なじみのやり手のおばさんが立て直すという話だ」
「それで?」
「母が見たいというので、連れて映画館に行った。ロードショーじゃなくて下高井戸の映画館だったと思う」
「見てどうだった?」
「すげえ面白かった。邦画でもこんな面白くできるのかと思ったよ。主人公はやりてのおばさんで相手も歳の行ったダメおっさんだけど、すげえ面白い。むしろ、おばさん、おっさんだから面白いんだね」
「で、映画館に通ったの?」
「いや。それだけの心のゆとりは無かったからな。当時は。システムとしての映画館も今ほど便利ではなかったし」
「通うのは2010年を待たねばならないってことだね」
「そうだ。でも、今になって通えるというのは、昔見たこの映画の影響もあると思う。映画館は見に行く価値はあるんだってことを教えてくれたわけだから」
「でもさ。なんでまたヤマトと関係ない映画の話をしてるわけ?」
「WikiPediaから引用した、スーパーの女のスタッフ一覧の抜粋だ」
- デジタル合成:島村達雄、山崎貴、渋谷紀世子(白組)、武坂耕二(IMAGICA)
「へ?」
「この山崎貴の名前が目に入らぬか!」
「ははぁ。バリバリにヤマトに関連する話題ってことか」
「意識したことはこれまで一度もないが、おそらく山崎貴監督の手がけた映像を最初に見たのがこの映画ってことになる。まだ監督として独り立ちする前のね」