2010年12月15日
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ヤマト・制服の矢印の起源問題

Written By: トーノZERO連絡先

「話の枕に雑談しよう」

「うん」

「久々に読んで気持ちの悪いヤマトの感想文を偶然ネットで見てしまったよ」

「どんな感じ?」

「別にURLも記録してないので、ええかげんなうろ覚えで書くぞ」

「いい加減ってことね」

「いい加減だから、もしかして自分のこと?と思ってもたぶん違うサイトだぞ」

「ははは」

「では列挙する」

  • SPACE BATTLESHIP ヤマトの感想である
  • 制服の矢印はダサイ
  • シナリオは別に悪くもないが良くもない
  • アニメのヤマト劇場版は監督(舛田利雄)の名を貶めただけである

「なるほど」

「これも、オタクとは違うアンチの系譜にあるのだろうと思う」

「なぜアンチだと思うの? シナリオは別に悪くもないが良くもないと言ってるんだろ? 別に悪いとは言ってないんだろ?」

「そうじゃない。このシナリオは、職人芸の極地と言える技巧のシナリオなんだ」

「どういうこと?」

「だからさ。このシナリオは、表面的には『この程度上手く書けているシナリオならいくらでもある』のだが、ぜんぜん違う映画の構成要素を集めてそれを実現してしまった点が凄いのだ。しかもつぎ込まれた演出的なトリックは、トップクラスの映画にひけを取らない。でも、ヤマトネタ満載なんだ」

「じゃあ、このシナリオ評価はそういう解釈と相容れないね」

「というか、表面をかるく撫でただけで、分かった気になっている」

「なぜそうなるんだろう」

「劇場で目を開けてスクリーンを見ながら座っていただけなんだろう」

「君が前に言った通り、スクリーンを見ているだけの状態と映画を見たというのとは違うってことだね」

「しかし、そこにはもう1つの深層がある」

「というと?」

「アニメの段階でヤマトを承認していないわけだ。そういう先入観がある。舛田利雄への言及がそれを明瞭に示している」

「そうか」

「だから、最初からダメなヤマトを見に行くという先入観があるから、何を映像で描いても頭に入らない。良くあることだ」

「なるほど。君が、一般人には見ることを勧めるが、ヤマトを知っているつもりのオタクには一切勧めない理由だね」

「まあな」

「でも、君も劇場版第1作害悪説というのを準備していると言ったじゃないか」

「だからさ。劇場版第1作害悪説の趣旨は間違った先入観を植え付けてしまった点にあるわけで、この人ももしかしたらその被害者でしかないのかもよ」

「ははは」

「しかし、実はここまでは話の枕だ」

「ええっ!?」

「本題はここから」

矢印はダサイか §

「問題は制服の矢印だ」

「うん」

「これを格好いいと思うか、ダサイと思うかは個人の主観であり、何とも言えない」

「そうだね」

「しかし、これはあくまで錨を図案化したものだから、そういう機能性を考えたら何らかの形で制服にそういう意匠が入っている必要がある。そう思うなら、実は『ダサイ』という感想は十分ではない。どういう料理方法でこの図案を活かせばいいのか、という適切な代案が無ければ説得力がない」

「そうか。それ抜きだと、単に自分は好きじゃないってだけの話でしかないものね」

「と思ったのだが、実は偶然にもそうじゃないことが分かった」

「ええっ!?」

「大クロニクルの松本零士インタビューで、松本先生はこれは加藤隼戦闘隊の錨のマークだと言っている」

「加藤隼戦闘隊!」

「ただ、ネットを軽く調べた範囲では、加藤隼戦闘隊の尾翼に書かれたマークは矢印であって錨ではない。錨だとする話も出てこなかった。まあ、軽く調べただけだけどね」

「うん」

「もしかしたら、松本先生の記憶違い、またはテープ起こしのミスということもあり得る。ずっと昔、銀英伝のムックで意味不明の単語があって首を捻ったら、ある作中の用語の聞き間違いだと気付いたこともある。『伊達と酔狂』だったかな。テープ起こしした人にそういう用語も概念も無かったんだろう。だから無いとは言い切れない。他にも、テープ起こししたテキストをチェックにまわすと『言いたかったのはそんなことじゃない』という直しが入ることも多い。話言葉は曖昧なんだ」

「なるほど」

「しかし、ズバリ錨が描かれた服も存在する。沖田の制服とかね」

「うん」

「だから、錨を図案化したものという昔の解釈は素直に理解できた」

「そうだね。沖田に錨、古代に錨を図案化したシンプルな矢印」

「でも、沖田は錨だが、古代は加藤隼戦闘隊だとすると、極めて捻れている」

「そうか、同じ艦内にいながらルーツの違う似た記号を付けた乗組員がいるわけだね」

「ちなみに、加藤隼戦闘隊の矢印が見たい人は以下の検索にゴー」

「もともとあった宇宙零戦という設定を踏襲してコスモゼロは生まれたのだろうが、松本先生の視線はむしろ、加藤隼戦闘隊の方にあったのかもしれない」

「なるほど、君が前に書いたヤマト大型戦闘機説に従うとヤマトは屠龍のイメージで、大型爆撃機キラーの巨大砲を機首に付けた屠龍を隼が護衛して飛んでいくイメージだね」

「とすると、実は零戦が護衛するよりも筋としては通る」

「なぜだい?」

「零戦は海軍機だが、屠龍と隼は陸軍機だからだ」

「そうか」

「しかも、ヤマトのエースパイロットの姓は加藤だ。相性バッチリ」

オマケ §

「今思いついた。そうか、大型爆撃機キラーの巨大砲を機首に付けた大型戦闘機のイメージだとすると、拡散波動砲は榴弾砲なんだ。ヤマトの波動砲は対戦車砲(PAK)だけど、拡散波動砲は榴弾砲(Howitzer)なんだ。だから、広範囲を制圧できるけど、凄い装甲を持った強敵は撃ち抜けないんだ」

「そうか」

「しかも、榴弾砲なら砲身が短くなり、その分だけ連装にできるのかもしれない」

オマケ沖海戦 §

「ああ、更に気付いたぞ」

「何?」

「冥王星沖海戦は、イメージとしてはT-34ショックなんだ」

「ええっ?」

「沖田艦は4号戦車なんだ。主砲の短砲身7.5cm砲で榴弾を撃ったがT-34の装甲に弾かれて大焦り。しかも、T-34の主砲は簡単に4号戦車の装甲を貫通しまくり。でも、護衛隊長の乗った3号戦車の3.7cm戦車砲で撃った徹甲弾は条件が良ければ辛うじて敵を撃ち抜けたんだ」

「で、ヤマトは?」

「T-34に逆襲する最強兵器のティーガーだ」

「じゃ、シュルツ艦は?」

「KV-1だよ。T-34集団の後ろにいる重戦車で指揮を執ってるイメージだ」

「そうか。意外と筋が通っているかもよ」

「思いつきだから信じるなよ」

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