「ファミマ下高井戸2丁目店の店頭のヤマトのポスターがついに消えた」
「ヤマトの季節が終わった、ということだね」
「トロンの宣伝はまだある」
「上映開始時期の違いだろうね。ヤマトは12/1だけど、トロンは12/17だっけ」
「実はもう1つ話題がある」
「何?」
「偶然店内でひおあきら版のコンビニ版の2巻を見かけた」
「あれ、去年出てなかったっけ?」
「それのアンコール発売版だそうだ」
「へぇ。それで買ったの?」
「いや、去年買ったのが本棚にきちんと並べてあるから今更買わないけどさ」
「そうか」
「でも、まるで去年の状況のデジャブを見てるようだ」
「しかし、去年もうやっちゃったことをアンコール発売で繰り返せる状況ではあるわけだね」
「うん。だから歌っちゃうよ。デジャブ、あなたとは、シャワーでも消せない愛がある♪」
「なんか違う」
「そういうことを言う奴にはこれだ。札びらのシャワーだ」
「あちち。もっと、埋めて頂戴よ」
「……」
「どうしたんだ、ルパン」
「捨てちまおう」
「なに?」
「こいつはパチモンだよ」
「正規の模型店から買ってきたんだぞ」
「合体巨艦だよ」
「合体巨艦ヤマト? 幻のヤマトと言われたあれか?」
「リバイバル発売版が模型店にまで並んでるとはなあ」
「次元潜航艇、次の仕事が決まったぜ。前祝いにぱぁーっとやろうぜ」
「おい! 捨てたヤマトをマニアが拾ってるぜ。しかも嬉しそうだ」
「それがマニア魂ってものよ」
「で、次の仕事っていうのは?」
「アオシマじゃよ、アオシマじゃよ、アオシマじゃよ、かっかっか」
「なんでそこで急に話がアオシマに飛ぶんだよ」
「分からないか? ヤマトネタで見ていた湖川さんのブログでイデオンリバイバルの話題が出てるのだが、うろうろ覚えの記憶によると『アオシマじゃよ、アオシマじゃよ、アオシマじゃよ、かっかっか』のCMにイデオンも並んでた」
「ええっ!?」
「どうだ分かったか」
「それはいいがルパン、また出たぞ。イデオンにムサッシとかいう大和の同型艦っぽい名前のパチモンがいるぞ。ガンダムのムサイ以上にそれっぽい名前だぞ」
「それぐらい許してやれ」
「どうして?」
「それを言ったら宇宙戦艦ヤマトだって、戦艦大和のパチモンみたいなもんだ」
「がーん」
「そんなにショックか?」
「ところで、6連装トランジション波動砲のリボルバー型の内部メカ、オレの44マグナムをモデルにしてるって本当か?」
「そんな話は聞いたこともないぜ!」
「まさか地球防衛艦轟天のリボルバー型艦載機射出口……」
「ちゃうやろ」
オマケ・タイム §
「どうでもいい話だが」
「うん」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトを宣伝してくれた鷹の爪団の総統の主演映画、ハイブリッド刑事、本当に無料で上映するらしい」
「へぇ」
「ともかく、ヤマトの季節は終わりつつあるので、今更ヤマトのことは何もしてくれないだろうと思った」
「そろそろ、季節外れだしね」
「でも違った」
ハイブリッド刑事 ~小泉鈍一郎のページ。あなたにもチェルシー、あげたい~Tweet Blenderより
赤坂サカスとかに巨大な模型を展示⇒【問題点】そもそも何の模型を展示するのか?
「がんばれ総統。デスラーパレスみたいだと連想した赤坂サカス周辺にはきっと総統の15m巨大像が似合うぞ」
「そうかな……」
オマケジャー §
「ゴセイジャーはあまり熱心には見てない」
「そうか」
「でもさ。見ていて驚いた」
「何が?」
「最初に提示した主題を回収して終わるのが映画のあるべき姿だと述べたことがあるが」
「うん」
「ゴセイジャーというのは、ゴセイレッドがブレドランに敗北するところから話が始まる。途中で敵の組織は変わっていくのだが、ブレドランだけは続けて出てくる。しかし、途中で決着が付き、ブレドランは倒される。ブレドランとの決着で話が終わるという予測は外れたと思った。そのあとのブレドランは記憶のない機械にされて、ゴセイジャーの敵に立つがもはや過去の記憶もないので、主題を担える立場ではない」
「そうだね」
「でもさ。最後の最後で、記憶をいつの間にか取り戻していたという話になる。最後の敵であるマトリンティス帝国がゴセイジャーに倒されるまで待っていたのだ」
「なるほど。つまり、ブレドランという最初に提示された主題が最後に回収されるわけだね」
「だから構成が映画的である、ある意味で凝っていると思う」
「そうか」
「馬鹿にして軽視するとこういう形で逆襲を食らうのがゴセイジャーってものだな」
オマケンダム §
「それから次の話題は1/1ガンダムだ」
「お台場じゃなくて今は浜松だっけ?」
「いやいや中国の」
「えーっ?」
「日経の新聞を見て驚いた。オリジナルと主張するそっくりさんが中国にあるらしい」
「ガンダムと言い切っていいの?」
「デザイン的にあまりに共通する要素が多い。さすがにこれだけ似ている要素満載で、完全オリジナルとは言えないだろう」
「そうか」
「では、ここで逆に考えよう」
「何を?」
「なぜヤマトではなくガンダムなのか」
「うーん」
「なぜ赤坂サカスの15mヤマトを模倣してなぜ作らないのか」
「時間が無かったから?」
「それも理由としてあるかもしれないが、実はもっと別の理由が考えられる」
「なに?」
「ガンダムは無国籍であるが、SPACE BATTLESHIP ヤマトは日本なのだ」
「なぜ?」
「ガンダムのキャラクターは何国人かはっきりしない。みんな仲間として見てしまうことができる。しかし、SPACE BATTLESHIP ヤマトになるともう日本人の顔にしか見えない」
「そうか。だから、SPACE BATTLESHIP ヤマトは日本のヤマトとして受容するしかないが、ガンダムは僕らのものとして受容できる訳か」
「しかも、日本人に見えるということは、過去の戦争の歴史と重なって排斥される可能性がある」
「万人に嫌われるとは思わないけど」
「しかし、嫌う人がそれなりの割合でいれば、とても公共の場に展示はできない。たとえ少数派でもな」
「そうか。ヤマトは嫌われる可能性のある記号性を持つがガンダムは持たないのか」
「そうだ。だから全員とは思わないが、不快に思う人がいるだろうから、おそらく15mヤマトのパチモンは作れない。でも、ガンダムは作れてしまう」
「そこに立場の違いがあるんだね。ヤマトに特別な感情を持てるのは日本人だけということだね」
「まあそれも個人差があるけどな」
オマケチルドレン §
「ヤマトは日本人のもの。他民族のものではない。と言う認識は実は意味が大きいかも知れない」
「というと?」
「未成熟な子供は、まだ日本人になりきれていないという意味で、ヤマトを受容できないかもしれない」
「ええっ!?」
「もちろん個人差はあるのだが、未成熟であることはそれだけで受け止められない可能性があり得る」
「じゃあ、黙って子供はお断り?」
「そうとも言い切れない。ある種の精神性の成熟があればヤマトの世界には入っていけるからだ。それは幼稚園児であろうと持っている可能性があり得るものだ」
「難しいな」
「そうだ。難しいのだ。そこを理屈で乗り切ろうとしたらまだ未熟」
「30になっても40になってもまだ未熟ってことだね」
「しかし、直感的に把握してしまうと5歳でも乗り越えられる壁でもある」
「ははは。とてもねじれているね」
オマケ園児 §
「幼稚園児でも、という表現は何か意味があるの?」
「木村拓哉は幼稚園の時にヤマトの映画を見たそうだ」
「そうか」
「自分に当てはめると、幼稚園の時に見た映画は海底3万マイルとか空飛ぶゆうれい船なのだが、それとの類推で言えば、幼稚園児だから分からないとも言えない。かといって、いい年をしたおっさんだから分かるとも言えない」
「意味が良く分からない表現だな」
「うん。このへんはかなり意味不明だと思うぞ」
「やはり理屈ではない壁なのか」
「そうだ。理屈をこねて済むならこんなに楽なことはない」
オマケVFX §
「ちなみに、SPACE BATTLESHIP ヤマトと仮面ライダーで、もうVFXはオッケーになってしまった。むしろ、アニメよりVFXの方がいい。VFXでなくてもいい、ではなく、VFXの方がいい」
「ははは。かなり変化したね」
「しかし、やはりブレークスルーになったのはヤマトだな」
「ライダーじゃないってことだね」
「結局、ライダーが本物になるには、スカルが本格的に活躍する必要があったのだろう。それでやっとある種の平成ライダー自身の呪縛を打破できた。しかし、それは時系列的にSPACE BATTLESHIP ヤマト上映後に上映されたわけだ」
「そうか」
「あるいは敵がノブナガという映画をオーズでやってライダーも日本人のものになった感じがあるのかも知れない」
「ノブナガは確かにヤマトと並んで日本人なら誰でも知ってる日本人的な名前だね」
オマケート §
「というわけで、話は終わるはずであった」
「まだ何か?」
「レシートを整理していたら。赤坂サカスのスタバのレシートが出てきた」
「まさか」
「そうさ。15mヤマト見ながら飲んだコーヒーのレシートさ」
「ヤマトの季節、終わりつつあるけどまだ完全に終わった訳じゃないのね」
「5分や10分で無くなるものでもあるまい。解けきる前に見るんだ」