「以下は、ヤマト公開直後ぐらいに書かれている」
「うん」
「だから太田の扱いを少し間違えている」
「そこは後からフォローしてくれるわけだね?」
昔書いた太田論 §
「SPACE BATTLESHIP ヤマトの主要キャラには南部、相原が含まれる。でも、太田が含まれない」
「そうなの?」
「たとえば、映画パンフの人物相関図。南部と相原は載ってるのに、太田は載ってない」
「なぜだろう?」
「実は、はたと気付いた」
「何を?」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトという映画。ガミラス側のドラマを全てカットしただけではない。実は航海班のドラマも思い切りカットしている」
「ええっ!?」
「だから戦闘班の南部の出番はカットされないが、航海班の太田の出番はカットされる」
「島は出るじゃない」
「それは古代の隣の席に座っている昔なじみだからだ。古代との絡みがあれば出番はある」
「そうか」
「あと、相原は通信担当として古代とも直接絡むから出番がある。徳川も波動砲などで古代と関係を持つから出番がある」
「そうか。太田は古代と直接的な縁が希薄なのか」
「しかも、昔のアニメと違って、森雪が難しい専門用語を上手く言えないからレーダーを太田が見るという事情もない」
オマケ §
「考えてみると、南部と太田は位置づけがまるで違う」
「どう違うの?」
「ヤマトのパイロットがヤマト放り出して艦載機で出てしまう復活編ならともかく、島が健在なら、太田が島の穴を埋めるケースはあまりない」
「うん」
「一方で、すぐコスモゼロで出撃してしまう古代の代役として、南部はヤマトの主砲を撃つためにどうしても出番が増える」
「なるほど」
「更に考えてみよう」
「何を?」
「太田の名台詞って何だろう?」
「コーヒー関係か。あるいは『ミサイル接近、大型です』か」
「後者は本来森雪が言うはずのものだ」
「あれ」
「実は、その方向で考えるとたまたま森雪の台詞を肩代わりしたから台詞がそこそこ多いが、それを除くと出番が凄く少ない」
「南部と同格とも言えなくなってしまうね」
そして今 §
「よし、昔の原稿を終えて現在に戻ってきたぞ」
「1980世界からログアウトしたんだね? で? 今読むとどう?」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトの太田がしっかり識別できるようになって見てみると、実はいろいろな意味で興味深い」
「というと?」
「航海版のドラマがカットされて、太田の出番が無い……。これは確かにその通り。でも、太田はその上で緑の制服ではなく青の制服に変更されてしまう」
「島の部下としてのドラマが無いから真田の部下にされるわけだね」
「島の部下は相原だけで十分ということだ」
「なるほど」
「そして、島の部下には太田の代わりに佐々木が増えるのだが、佐々木は太田よりも更に出番が少ない」
「ほとんどいるだけのキャラってことだね」
「結局そうなってくる遠因を探れば太田はもともと出番の薄いキャラであったとしか言えない」
「森雪の肩代わりでレーダー見てなかったら、出番がほとんど無いってことだね」
「本当に不味いコーヒーを喜んで飲むぐらいの出番だ」
「宇宙遊泳で飛び出した相原みたいな出番も無いしね」
「南部のように古代の片腕として見せ場があるわけでも無い」
「そうか。ならば南部加藤相原太田の4人は一緒に第3話で挨拶するから同格に見えるけど、実際の出番の重みから言えば加藤>相原>南部>太田ぐらいの感覚なのかねえ」
「かもな」
「むしろ、この4人に含まれない山本にすら存在感で負けてる気もするぞ」
「そうかもね」
「でも、やっぱりそこがいいんだろ?」
「そうさ。帝国華撃団にずらっと様々なタイプの少女が並んでも好きなのがそのうちの誰でも無く由里君だからな。主役より脇役をほじくり出した方が楽しいぞ」
「それで太田に注目だ」
「でも、実際は太田よりもっとマイナーな佐々木という強敵が存在するからな」
「相原の席の後ろを見ていた方が楽しいというわけだね」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトの第1艦橋は佐々木で決まり。以上……以上」
オマケ §
「でさ。太田って、デスラーが第1艦橋に来たとき、南部にかばわれちゃうのだ。そして、デスラーを恐れて相原の席の方まで移動しちゃうのだ」
「そこまで見てるのか」
「ちちち。ある程度の回数をこなしたあとは、そこを見ているのだ。わははは」
「そこを見ているとは、そこがしれん」
「そしてSPACE BATTLESHIP ヤマトの底は第3艦橋だが安藤は顔が出る出番が1つしかないので、追求する面白みが少ない。残念だ」
「2回目の出番は通信の声だけだものね」
オマケ2 §
「でも安藤は古代に敬礼を直してもらった」
「そこまで古代とスキンシップしたサブキャラは他に無いわけだね」
「直接古代が触ってくれたものな」
「801がきっと黙っていないぞ」
「古代×安藤か」
「安藤×古代かもしれないぞ」
「どう違うんだよ」
「違いの分かる女は分かるんだよ。意味の違いが」
「それって、受けるネタなの?」
「けっこうネタ的に攻めてるつもりだぞ」
オマケIII §
「安藤と古屋が古代を巡ってバトル」
「でも加藤が内心、古代さんの一番は自分とか思っていて」
「古代総受け」
「そして究極の攻めキャラ森雪登場」
「古代は殴られみんな大爆笑」
「なぜそこで爆笑」
「だって受けるって、笑いを取ることだろ?」
「なんか違う」
「ここ、笑うところですよ。はい笑って笑って」
「泣きべそなんてサヨナラね!」
オマケキャンディ §
「あ、目から鱗が落ちた」
「えっ?」
「謎だったチーム古代が見えた」
「どういうこと?」
「キャンディ・キャンディだよ」
「チーム古代がどうしたって?」
- 頼りにならない味方→チーム古代=アーチーとステア
- 凶悪な敵→沖田と森雪=ニールとイライザ
- 夢をくれる王子様→藤堂=アンソニー
「まあ死んでしまうという特徴からアンソニーを沖田になぞらえてもいいのだけどね」
「むう」
「だから、こういう構図を描くとチーム古代=アーチーとステアなんだよ。以下の特徴が当てはまる」
- 無条件で味方である
- 2人以上の集団として登場する
- イマイチ頼りない
「ええっ? なにそれ?」
「ともかく座れ。チーム古代着席!」
「でもさ。SPACE BATTLESHIP ヤマトとキャンディ・キャンディではかなり距離感があるぜ。いいのかよ」
「いいのだ」
「どうしてそこまで言い切れるのだ?」
「山崎貴監督はキャンディ・キャンディ世代だからだ。おいらと同じくね」
「むむっ……」
「別に好きじゃ無くても男でも見てた世代なのだ」
「アニメが少ない時代のヒット作ってことだね」
「そうだ。しかもテレビも少ない。家族が見ていたら一緒に見ちゃうし、そもそも女はみんなマジンガーZを見て、男はみんなキャンディ・キャンディを見ていたという時代だ」
「その時代背景があっての推定ということだね」
「そうだ。レディジョージィではありえないのだ。あくまでキャンディ・キャンディなのだ」
「そうか」
「ちなみに、WikiPediaのキャンディ・キャンディのページが熱いぞ。なんと宇宙戦艦ヤマトって書いてある」
「ええっ? どうして?」
なおこういった著作権裁判は、『宇宙戦艦ヤマト』でも起きている。
「わはははは。場外乱闘もまたヤマトネタか」
「そうそう。そこまで楽しまないと。ね。笑って笑って」
「わらえねーよ」
オマケのオマケ §
「どうして森君のコーヒーは不味いんだろう」
「私だって頑張ってるのよ」
「インスタントで誤魔化してないか? ミルを使ってるか?」
「ちゃんとミルを使ってるわよ」
「それにしてもこの味は……。とても女がいれたとは思えない」
「失礼ね」
「いやすまん。森君に失礼だったかな」
「ちゃんと白色彗星のオカマに入れさせてるわよ」
「ミルを使ったのか」