「本題の前に1話題」
「なんだい?」
「とても凄いものを見たんだ。大人は誰も笑いながらテレビの見過ぎと言うけど、僕は絶対に絶対に嘘なんて言ってない」
「8等身のアナライザー……」
「まさに偶然目に入った」
「何の予想も無しにこれを見るとショックだね」
「更にはSPACE BOTTLESHIP ヤマトネタがいいぞ。実は前から暖めていたアイデアだが、実際に作れる見込みが無くて断念していたものなんだ」
「ボトルシップでヤマトを作るのかよ」
「構想だけは考えたが、一発ネタでそこまでの時間は取れなかった」
「ははは。そりゃそうだ」
「絵とは言え、実現してくれたのは立派だ。素晴らしいぞ」
「ははは」
「さて、以下はかなり昔に書いた原稿だ」
「SPACE BATTLESHIP ヤマト祭りが挟まって公開が順調に遅延されたわけだね」
昔のテープ §
「昔のテープのサルベージ作業を久々にやったら、ヤマトのラジオドラマが断片的に出てきたんだ」
「それで?」
「オールナイトニッポンではありえない。正体が良く分からない音楽が付いていた。主演はあべ静江だ。もちろん古代役ではなく語り手らしい」
「へえ。あべ静江……。まるでヤマトらしくない」
「しかし、検索したらおおむね分かった」
WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第18回 アニメラジオより
『宇宙戦艦ヤマト』のラジオドラマと言えば、もうひとつ伝説的なのが、あべ静江の『宇宙戦艦ヤマト』だろう。1977年にNHK―FMで放送された番組だ。まず「NHKで『ヤマト』をやる」というのに驚いた。内容は朗読劇の形式で、ト書きも台詞も、歌手のあべ静江が読んでいた。とにかくデスラーの高笑いが印象的だった。放送を聴いた翌日に、学校で「あべ静江のデスラーが凄かった」と話題になった。
「というわけで、NHK-FMだ。AMとFMはおろか短波まで入るラジカセを使っていたし、当時エアチェックがブームでFM放送のラジオからの録音も定番だったからおそらく間違いない」
「エアチェックか。もう死語かもしれないね」
「口まねで番組をチェックすることじゃないぜ」
「ははは。そう思った若い人がぜったいいるね」
「デスラーは録音されていなかったが、おそらくリアルタイムで聴いている。忘れちゃっただけだ」
「それは残念だね」
「仕方がない。おそらくタイムシフト用の録音だから、聴いたら上書きして消すのが前提なんだろう」
「そうか。リアルタイムで聴けないときに録音しただけなんだね」
「そうだ」
「しかし、エンディング部分が残っているのはいいのだが、どういう音楽なのか今ひとつ分からない。現在ヤマトとして発売されているCDは全て持っているはずだが、その中には無い。局で適当にみつくろった音楽なのかもしれない」
ヤマトの系譜とは §
「だけど良く分かった。徳光和夫もヤマトのコンサートで司会して太陽系サレザーと叫んだし(それはCD化された音源に含まれる)、島倉千代子は新たなる旅立ちでEDを歌った。さらばは沢田研二だし、復活編はALFEEだ。そして、あべ静江もヤマトをやった。だからその系譜から行けば、木村拓哉主演の実写ヤマトがあっても、なんら不思議ではないんだ」
「いくらアニメ系の人がヤマトなんて……と言ってもそれとは別の系譜にヤマトは支えられているということだね」
「しかし、すっかり忘れていたよ。あべ静江とはね」
「録音されている以上、聴いていたのは確かだものね」
「しかも、上書きされている以上、1回は聴いているはずだ」
「そこまで行くとさ。ヤマトにとってのアニメって何だろう?」
「実はそれほど重要ではなかったのかも知れない」
「じゃあ、実写で作れないからアニメにしたという程度の意味合いで、実写で作れればそれでいいという話かな」
「かもしれない。というか、復活編のアニメと境界が分からないぐらいのCGの導入で、既にアニメへの依存度が低いことを示したとも言える」
「じゃあ、SPACE BATTLESHIP ヤマトのあとでもう1回ヤマトの企画があり得るとすると、それはもうアニメではないかもしれない?」
「可能性としてはそうだろうな」
「ならば、アニメ業界がヤマトにあからさまな不快感を示すのも当然だね」
「素晴らしい世界に通用する日本を代表するきらめくアニメ文化を否定してるようなものだからね」
「ヤマトはヤマトである段階で既に日本の文化の一部だったのだ。アニメの代表選手だからではない」
「というか、ヤマトにとって、もともとアニメブームは意図せざる結果であって前提じゃなかったわけだしね」
オマケ §
「このテーマミュージックは、過去に質問があって、なにやら小数点の名前の付いた曲だと既に判明していたらしい」
「かなり曖昧だね」
「まあ、そんなもんだ。話を聞いても記憶なんて曖昧だしな」
オマケ2011 §
「この文章が書かれたのはかなり古い」
「どうして分かるの?」
「『木村拓哉主演の実写ヤマト』という部分、実はもともと『キムタク主演の実写ヤマト』と書かれていたからだ。キムタクという表記は木村拓哉を見直す前に使っていた表記でかなり古い。SPACE BATTLESHIP ヤマトがまだはっきり見えなかった頃の話だ」
「それはかなり古いね」
「あべ静江のヤマトよりは新しいけどね」
「そっちはもっと古いだろう」
「じゃ、もっと古い話をしてやろうか」
「どんな話? ヤマト関係じゃないと嫌だぜ」
「もちろんヤマト関係で近代よりもずっと昔の話さ」
「いったい何の話をするつもりだい?」
「古代の話」
「……」
オマケ2 §
「雪、実はオレ、太古のパワーを受け継いでいる恐竜戦士なんだ」
「え、嘘でしょ古代君」
「こんなへっぽこなオレが戦闘班長なんて信じられないだろ? 実は太古パワーで選ばれたんだ」
「まさか」
「名前だって古代って人間の名前っぽく無いだろ?」
「こ、古代君!」
「というわけで、オレの股間の恐竜を見てくれ。理性とは無縁だから女を見境無く襲っちゃうぞ」
「(ポカリ)」
「いてーな」
「真面目に聞いて損した」
オマケIII §
「聞いたぞ、古代」
「なんだよ島」
「おまえ、恐竜戦士なんだってな」
「ええと、いやまあ、あはは」
「古代は偽名で、本当の名前があるんじゃないか?」
「実はコセイダーっていうんだ」
「分かった。じゃあ、坂巻キャップお願いします」
「お、おい。何をする気だ」
「決まっている変身してもらうために、ショックカノンで撃ち出すのさ」
「おいおい。ショックカノンはビーム砲だぜ。実体は撃ち出せないって」
「忘れたのか? 真田さんが波動カートリッジ弾を撃つために実体弾も撃てるように改良してくれたんだ」
「ひ~」
「いけ、人間大砲!」
オマケ完結編 §
「ちなみに、コセイダーは恐竜戦士じゃなくて恐竜戦隊だから間違えるなよ」
「そうか」
「しかもタイトルはコセイダーじゃ無くてコセイドン」
「ボーンフリーじゃ無いの?」
「それは別番組」
「No more runnin's for cover♪」
「それはボーンフリーじゃなくてBorn To Be Freeだっちゃ」
「そんな裏番組ネタ入れていいのか?」
「むろん、真にハーロックファンなら無限軌道SSXを見るべきである」
「だよな」
「でもいいのだ」
「どうして?」
「劇場版に限っては映画館で適当な時間に見られるので、裏番組ではないからだ」
「ぎゃふん」
「まあ実際はビデオをタイムシフターにしてテレビでも両方見たけどな。SSX重視だけど」
「タイムシフターか」
「一種のタイムマシンだ。時間をずらせる」
「タイムマシンとは、ちゃんとコセイダーネタに戻ったね」
オマケ復活編 §
「1つ惜しいのは、ヤマトはタイムトラベルしないのだ。ネタとしては煮え切らぬ」
「宇宙大作戦のエンタープライズはタイムトラベルするのにね」
「ワープ中に原始人や恐竜さんが見えるのだから、ヤマトも後一歩なのだけどね」
「タイムレーダーもあるしね」
「ただ、ワープは時間旅行の一種と言えないことも無い」
「どうして?」
「普通の方法を使う限り、物体Aは1光年先まで行くのに1年以上かかる。もしも、物体Aが1年以内にそこにあったとすれば、それは時間旅行したというのに等しいわけだ」
「ええっ?」
「だから、ワープは時間と空間を飛び越えるというが、そういう意味で時間も飛び越えているのだ」
「過去、現在、未来へを続く時間法則を騙しているのか」
「まあ、ヤマトに嘘はつきものだしな」
「うそー」