「知っている人は知っているが知らない人は知らないと思うが、模型のキットはかなり処分を進行させている」
「なぜ?」
「買ったときに興味があっても今はもうさほど興味のないアイテムは邪魔になるだけで安価でも処分した方が良いからだ」
「そうか」
「もちろん、シャーマンとかワイルドキャットのキットは残した」
「まだ興味があれば別だってことだね」
「実は、美少女フィギュアのガレージキットは処分しなかった」
「どうして?」
「さあな。そこは後悔があるかも知れない。あと練習用という明確な用途もあって、実験台にできる」
「じ、実験?」
「かつて『時限流』という模型の作り方を打ち立ててスケールモデルはまあそれでもいいかという境地に達したが、美少女フィギュアは上手く作れなかった」
「それで、美少女フィギュアを作れる流儀を模索したくなったわけだね?」
テーマは「だらだら」 §
「テーマは少ない時間でだらだら作って、それなりに見栄えのするものだ(最上でなくてもいい)」
「それで?」
「従って、いかにして手を抜くかがポイントだ」
「でも、手を抜きすぎると見栄えが極端に悪くなりそうだね」
「だから実験が必要なんだ」
「そこで練習用として確保したフィギュアが役立つわけだね」
「そうだ。たぶん、そういうのが10個以上ある。ほとんどは知らないキャラだから、思い入れもなくて、思いっきり自由に作れる」
「そうか。そうやりたいわけだね」
「いや、もうやりつつある。以下は製作途中の2号娘」
「けっこう出来てるみたいだな」
「まだ目が入ってないし、胸の鈴のアクセントも付いてない」
「しかし、どうして2号?」
「作業の順番の関係上、着手が先の1号娘よりも先に色を塗り始めたのだ」
「写真の横に見えている塗りかけのが1号娘だね」
2号娘のテーマ §
「それで2号娘のテーマってなんだい?」
- 肌色は塗らない (レジンキャストされたパーツの路の色を使う)
- 服と髪は黒マジックで対処してみる
「おっと、なんてお手軽な」
「結局、マジックでは上手く行かなかった」
「どうして?」
「細かいヒダにペン先が入らずムラになってしまうのだ」
「そうか」
「なので、水性ホビーカラーのつや消し黒で塗ってある」
「艶有りの黒の方がこの場合良くない?」
「そう思ったが、艶有りの黒の瓶の蓋が固まって開かなくなってしまったのだ」
「なんてオチだ」
オマケ §
「ちなみに、写真の背景にドロンジョさまとかティファの箱が見えるけど、これもフィギュア?」
「そうだ」
「これらも作成対象予定?」
「むろんだ」
「そうか」
「マージョ様もいるぞ」
「なぜそんなものを」
「昔、サクラヤで安く売っていたからだ」
「ティファは?」
「こっちはまともな値段で買ったと思うが、確か蓄光型の透明素材だったと思う。作り方を工夫しないとダメだろう」
「透明素材か」
「透明素材のミスマルユリカはずっと昔作ったことがあって、これは色を入れないでクリアーだけ吹いて仕上げた。そういう路線で行くか、色を入れた方がいいのか、そこはこれからの課題だ」
「そうか」
「このキットは、実は他人に進呈するために組んだので、できあがったものはもう手元にない。しかし、同じ未組み立てのものがもう1つあるんだ。一応、それも作成予定だが、同じ処理方法で組むかはまだ決めてない」
筆塗りオマケ §
「しかし思い出した」
「何を?」
「色を塗るのは楽しい。筆塗りでぺたぺた」
「立体塗り絵ってことだね」
「それだけじゃない。やはり色は力なのだ」
零戦は赤く塗れ §
「もとキャラの色と違うけどいいの?」
「いいんだ。零戦は赤く塗れと言った偉い人もいるらしいから」
「それだけ?」
「色の力を信じているなら、色に奉仕するための配色でもいいだろ?」
「だから最強カラーの黒を使ったのか」
「それも実験だけどな」