スターシャ「私はイスカンダルのスターシャ。ここには放射能を除去する青い鳥がいます。イスカンダルまで探しにいらっしゃい」
古代「ここにも青い鳥はいなかったよ、雪」
森雪「でも、古代君と一緒になれて幸せよ」
古代「そうか。これが幸せというものか」
古代「艦長。分かりました。幸せとは幸せを探す旅そのものだったのですね」
沖田「うむ。人々は絶望ではなく希望を持って死んでいけるのだ」
古代「世界の終わりが明日来るとしても、今日も種を蒔きます。雪を妊娠させる子種だけど」
藪「こんな結末はいやだー。反乱してやる!」
真田「古代。俺はおまえを妹のように思っていた」
古代「さ、真田さん。まさか」
真田「雪も同じようなものだ」
古代「妹の複数形ってまさか」
真田「妹たちよ」
古代「ここまで来たら最後のオチが分かりましたよ」
スターシャ「どう分かったというのですか?」
古代「あなたがかくまっているという1人の地球人。それは兄さんじゃなくてハーロックだ!」
オマケ §
「で、これがどうしたの?」
「オチが分からない?」
「わかるか~っ。ハーロックの挿入歌まで空で歌えて、しかも、ヤマトの後でヤマト系スタッフで作ったアニメが、メーテルリンクの青い鳥と知ってないと分からないだろう。メーテルリンクの青い鳥のネタだから、999のメーテルのネタは一切入ってないこともな。あと、古代守が没設定でキャプテンハーロック(でも同名の別人)だった話も知ってないとワカランぞ。いったい誰のためのネタだ」
「ははは、誰のためでもいいじゃないか。じゃ、さいならー」
「赤いスカーフ振って誤魔化すな!」
オマケの青い鳥 §
「しかし、今になって気付いた」
「なに?」
「WikiPediaにこんなことが書いてあるんだ」
以前に西崎や藤川らが関与した『ワンサくん』と同じく「ミュージカルアニメ」として作られ、
「それで?」
「子供の頃はそれほど面白くないと思ってあまり見ていなかったが、今見ると感想が変わるかも知れない」
「そんなもんかね?」
「実は過去にも押井守の御先祖様万々歳という作品の1巻を買っていて、買った当時は意味が分からなかった。でも、かなり年齢が行ってから見たら驚くほど面白かったことがある。あれも、ミュージカルではないが舞台演劇風の作品だ」
「なるほど。趣向を理解する力が付けば、どこで面白がらせようとしているのか、理解しやすくなったということだね」
「そうだ。結局、子供の自分はまだまだ世界が狭かったということだ」
「しみじみ言うねえ」
「だってそうだろ。ネットの世界には、正当な批判と、無知の告白の区別も付かない人たちで一杯さ。そういう世界の狭さを自分も昔は持っていたのだなあと思う」
「批判をしているつもりで無知を晒してるってことだね」
「ただし、今時のオタクは、とか、今時の若者は、という批判をする気は無いよ」
「それをやったら年寄りの愚痴にしかならんものね」
「言う必要もないしね」
「というと?」
「オタクは生まれたときから既に、批判をしているつもりで無知を晒すタイプが山ほどいたってことさ」
「わはははは」
「いや、笑い事じゃないって、『ガンダムには宇宙の戦士って原作があるんだよ』なんてしたり顔で説明する奴は昔、山ほどいたぞ。さも凄い隠された秘密を教えてあげようという感じで」
「アシモフ、クラーク、ハインライン当たり前のSF読みに言うことじゃないな」
オマケのオマケ §
「アシモフ、クラーク、ハインライン当たり前のSF読みに言うことじゃないな」
「そういう言い方は自慢と思われるかもしれないぞ」
「違うんだな。そうじゃない」
「どう違うのか説明してくれよ」
「いいだろう。アシモフ、クラーク、ハインラインのSF御三家の最盛期は1950年代ということになる。黄金の50年代SFは最盛期であり、人気も高かった。従って、SFを読むということは、必然的にこの御三家を軸に展開されることになる。SFを読むなら人は誰でも読んでいたということだ」
「だから、当たり前ってことだね」
「厳密にいうと違う」
「えっ?」
「その後の1960年代にはニューウェーブという新しいムーブメントが出てくるが、これは賛否両論があり、評価が定まらない」
「50年代のようにみんなで支えるわけでは無いってことだね」
「そうだ。毀誉褒貶が激しいということは、全員で支えているわけではない、ということだ」
「そうか」
「従って、50年代SFはSF読みの共通基盤たり得るが、ニューウェーブはそうでもない」
「そうか。60年代では無く50年代の代表選手であるハインラインは話をする前提になり得るのか」
「そうだ。60年代の代表的なたとえばJ・G・バラードのような作家は前提になりにくい。好きじゃ無い人はぜんぜん読んでないからだ」
「なるほど」
「1970年代は50年代や60年代ほど明確なパンチが打ち込まれていないので、あまり明瞭な形は見えてこないが、ヤマトやガ○ダムが始まった1970年代はそういう世相であることを理解しなければならない」
「そうか。だから、1959年の宇宙の戦士は、SF読みの前提的な常識として読まれていて当たり前だったんだ」
「読んでいないとしてもハインラインと宇宙の戦士の名前は知っていて当たり前だったんだ。夏への扉とか他の作品は読んでいて当たり前だったんだ」
「そうか。それは自慢にならないね」
「そうさ。なんら自慢になどなりはしない話なのさ」
「ってことは、SFネタを使う当時の漫画家の多くも読んでいて不思議ではないってこと?」
「そうだ。たまたまガ○ダムではそれっぽいネタを使ったが、松本零士や、藤子F不二夫や、その他のSF的なネタに熱心な漫画家が宇宙の戦士を知っていても何ら不思議では無かったのだ」
「ってことは、他の世界では当然知った上で『ああいうテーマは使いたくないな』ってことなのかな?」
「さあね。そこまでは知らんぞ」
オマケのオマケのオマケ §
「でも、今思うと、思想面ではヤマトも宇宙の戦士の影響を受けているかも知れない」
「えっ?」
「ガ○ダムはぬえデザインのパワードスーツのデザイン的影響を受けたかも知れない」
「うん。肩にキャノン砲だね」
「でも、新入隊員が軍隊で甘さをぶち壊されて戦士になっていく、といのは特に新たなる旅立ちあたりで顕著に出てくる、経験を積んで強くなる若者のモチーフと重なる」
「そんな作品なの?」
「要するに志願はしたものの、あらゆる配属希望が却下されてK9部隊にも入れず、最後の候補だった機動歩兵にさせられ、パワードスーツを着せられるという小説だからな」
「K9部隊って」
「犬がずば抜けて好きじゃないとダメだそうだ。わさお~!」
「喜んでパワードスーツ着込んでヒーローになる小説じゃ無いのね」
「鬼軍曹から新兵がウジ虫扱いされて、ヒーローにほど遠い小説だ」
「なるほど。そういう意味ではガ○ダムよりもヤマトに近いね」
オマケ敬礼 §
「3/20のゴーカイジャーを見てぶっとんだのは、ストーリーが三勢力で込み入っていることだ」
「なるほど。ボラーとガルマンの間でヤマトが苦労するような感じだね」
「誰が敵で誰が味方か分からない話は作るのが難しいし、見る方も分かりにくい。まあ、ザンギャックが共通の敵であることは少し分かりやすい要素ではあるが」
「少なくとも1勢力が敵であることは分かるわけだね」
「じゃなくて、ぶっとんだのは、宇宙警察の敬礼が、腕を胸に当てるスタイルでヤマトっぽかったことだ」
「わははは」
「デカレンジャー式の敬礼かもしれんがな」
「そうか。古い戦隊なんでもありか」
「って、ちょっと調べたらあのワンちゃんもデカレンジャーのキャラだったのか。しらんかった」
「2代目キレンジャーの好物を言い当てられるくせに、見てない戦隊のことは何も知らないのだね」
オマケ犬 §
「って、なぜか犬の話題がかぶった」
「K9とデカレンジャーだね」
「ヤマトはネコ派なのに」
「クロネコヤマトってことだね」
「ちがーう、ミー君だ!」