2011年04月15日
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ヤマトと滅びの予感

Written By: トーノZERO連絡先

「Dororonえん魔くん メ~ラめらの第1話であるが、興味深いのは『滅びの予感』で始まっていることだ」

「『滅びの予感』? どういうこと?」

「ヒロイン少女の『私は忘れない』というナレーションで始まり、1999年の恐怖の大王ネタを経由して、エンディングテーマは『みんなくたばるサァサァサァ』。くたばるという歌詞が何回も連呼される死の歌だ」

「えん魔くん、最後は死んじゃうの?」

「さあ、それは分からないが、滅びの予感を示した第1話であったことは確かだろう」

「なるほど」

「しかし、滅びの予感を提示したアニメはこれが最初というわけでもない」

「えっ?」

「主人公の敗北と滅びを第1話から既に予見させたアニメもある」

「それはいったい?」

「銀河烈風バクシンガーだ」

「なぜ結末が予見できるの?」

「宇宙でやる新撰組だというモチーフがベタベタにまる分かりだからだ」

「新撰組なら負けちゃうのが最初から分かるってことだね」

「いくらかっこうを付けても、強くても、元気いっぱいでも負けちゃう。最後はみんな死んじゃう。事実、みんな死んだ。厳密には死ななかった奴もいるけど」

「なるほど」

枕はそのへんで終わりにして §

「そこを起点に考えたとき、ヤマトはもともと『滅ぶはずだった企画』なのではないかと気付いた」

「はっ?」

「戦艦大和は滅ぶはずの存在である。新撰組と同じくね」

「撃沈されて負けて沈むってことだね」

「そうだ。そして、実際にヤマトも沈む。当たり前のように繰り返し沈む」

「でも第1シリーズでは沈まないし、松本先生は『さらば』の結末に反対だよ」

「松本先生は沈まないヤマトを支持する。しかし、それを横に置くと『沈んでしまうヤマト』は非常に多い。石津嵐版も沈むし、SPACE BATTLESHIP ヤマトも沈む」

「むぅ」

「とすればさ。松本先生による改変がまだあまり進んでいない第1話の段階では、滅びの予感がかなり大きかったとも言えるのだ」

「というと?」

「赤錆びた鉄の塊の大和というのは、仮に『映画は往復運動である』という主張を是としたときに、帰ってくるべき場所になる。つまり、宇宙戦艦として復活しようと、最後は赤錆びた鉄の塊というモチーフの提示になっていたとも言える」

「ええっ?」

「実際のフィルムでは地球が青くなって終わるから、そういう予感は受けにくいかも知れないけどね。でもそれは松本解釈だと思う」

「なるほど。『さらば』の結末はその揺り戻しだけど、松本先生はそれがイヤなんだね。自分の解釈と違うから」

「かもな」

「でも、他の誰かからみればそれが本来の正統な解釈なんだ」

「無限に争いが続き、永遠に接点が無いわけだ。結末をすりあわせることができないのではね」

「銀河百年戦争の遠因だね」

オマケ §

「前にも書いたと思うけど、結局ヤマトを船と解釈するか航空機として解釈するかで結論が分かれる。船ならほぼ壊滅状態で終戦を迎えたが、航空機ならまだ大東亜決戦機は温存されていたはずだ」

「ちっとも未来の話じゃないぞ」

オマケ2199 §

「ああ、そうか。分かったぞ」

「何が?

「西暦2199年ってのは昭和19年なんだよ」

「どうして?」

「西暦2199年から『西暦2』と『9年』を取ると19が残るだろ?」

「ええっ?」

「で、2200年が昭和20年なんだ」

「えええっ?」

「ちっとも未来の話じゃないな。ははは」

「笑い事かよ」

「そして、西暦2200年8月つまり昭和20年8月を迎える前にヤマトは終わる。そこまで続くと破局だからだ」

「まさか」

「昭和20年8月を過ぎたら原爆の連続投下で日本は滅びてしまう」

「人類滅亡まであと1年ってことは」

「日本が原爆で滅びるまであと1年。滅びは昭和20年8月を起点に始まるが、8月はまだ実験的な投下に過ぎない。本格化するのは9月から10月ぐらいだろう」

「昭和20年9~10月に日本が滅びるとすれば、その1年前にヤマトが旅立つわけで数字の辻褄があうね」

「本当に未来の話じゃないな。ははは」

「ミライちゃんもびっくり」

オマケIII §

「でも、松本先生も太平洋戦争時代の人骨が出てくるヤマトを描きたかったようで、そこはある意味で滅びを描くことを指向していてどこか矛盾している」

「もしかして、死んだ英霊が無限に見続ける夢がヤマトって解釈なのかね」

「さあ、どうかな。でも、一度既に死んでいる英霊をもう1回殺したくない、という気持ちは分からなくも無い」

「だろ?」

「でも、そう解釈するとヤマトは若さも希望も無い幻想の話だってことになってしまう」

「それもきついな」

「そうそう。1999年頃やった松本コンサートの名前はなんていうか知ってるかい?」

「なに?」

「幻想軌道」

「結局、幻想の話かい」

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