「ファミマと言えば、SPACE BATTLESHIP ヤマトの宣伝がどの店にも出ていた」
「うん」
「コミックコーナーには、SPACE BATTLESHIP ヤマトに合わせて再刊されたひおあきら版のコミックもあった」
「そうだね。あったね」
「でも、どちらももう無い」
「うん」
「もうヤマトを意識させるものは無いのだろうか。明日への希望は無いのだろうか」
「映画終わっちゃったんだからしょうが無い」
「ところがだ」
「なんだい?」
「今日、さりげなくレジで精算中にレジの横の液晶パネルを見たんだ。生産金額を確認するためにね」
「合計999円だったとか?」
「それじゃ連想するのはヤマトやのうて銀河鉄道」
「違うの?」
「なんと黒木メイサのお姿が液晶にでかでかと」
「わははは。それヤマトじゃ無くてオシャレな何かだろ」
「そうかもしれない。でも、ヤマトを連想するのに十分であった」
オマケ §
「しかし、ある意味で黒木メイサも貧乏くじを引いたな」
「どうして?」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトでの印象が、暴力女。殴る殴るどんどん殴る。オヤジにも殴れたことが無いぐらいに、本人は殴られない」
「わははは」
「おかげで、自分では殴らない家族思いの古代くんの方がヒロインに見える」
「古代って殴ってなかったっけ?」
「序盤に少し男に対して暴力を振るっているが、女は殴ってない」
「あっさり異性を殴る森雪とは違うわけだね」
「しかし、それはシナリオが森雪に与えたキャラクターであって、別に黒木メイサのキャラクターでは無い」
「確かに。黒木メイサの暴力沙汰なんてニュースは聞いたことも無い」
オマケ2 §
「でも、黒木メイサって名前に黒が付くからブラックタイガーとの相性は良かったのかも知れない。それに、黒いイメージを担うキャラでも良かったのかも知れない」
「おいおい」
「でも、木村拓哉さんには黒いイメージはない。木が付く名前なので、『緑の地球を取り戻そう』という立場の方に相性がいい」
「こじつけっぽいけどな」
オマケIII §
「だから、黒い凶暴ヒロインを調教して従えた木村拓哉偉いって話かもしれない」
「黒さを除いたらスタイル抜群の美女だしね。古代くんウハウハ」
「でも、黒さを除いたら、代わりに放射能除去装置が入り込んで、別の何かになっちゃう」
「やはり黒木メイサって貧乏くじ」
オマケ完結編 §
「だから、SPACE BATTLESHIP ヤマト語りをする場合、どうしても比重が重くなる人とそうじゃない人が出てくる」
「というと?」
「たとえば、森雪の語りは、藤堂の語りよりも軽くなる」
「なぜ?」
「藤堂は沖田の嘘の片棒をかつぐのだ。そして最後に通信で『放射能除去装置は本当にあったのか』と喜ぶ演技もいい。ヤマトには乗らないが存在感が極めて大きい」
「そうか」
「でも、森雪が自発的に行ったことは少ない。気に入らない奴を殴ったぐらいで、あまり精神的な奥行きの無い行為だ」
「そうだね」
「しかし、それはシナリオが森雪に与えたキャラクターであって、別に黒木メイサのキャラクターでは無い」
「なぜそうなるんだろうね。女性の脚本だから?」
「真のヒロインは古代くんだからだろう」
「ぎゃふん」
「そこで漁夫の利を占めるのが相原のマイコだ」
「無理でもやります、とかっこいい台詞を言えるし、殴るシーンは無い。けっこう出番も多いし、目立つ。沖田艦からずっと出てくる」
「なるほど」
「結果として、黒木メイサよりもヒロインらしいポジションに立ってしまう」
「そうだね」
「でもヒロインじゃ無いので、最後に第1艦橋から退去する女性は森雪になってしまう」
オマケ復活編 §
「古代さんの嘘つき! 『相原、君の方がヒロインに適任』って言ってくれたじゃない!」
「でも、森雪とはエッチしちゃったし。相原、君は先に退去してくれ」
「こんなところで筋トレ?」
「今度はダメオヤジのオヤジ役をやるんだ。身体を鍛えておかなくちゃ、暴力妻と付き合えないだろ?」
「……やっぱり黒木メイサ貧乏くじ」