「ブラックタイガーについて考えているとき、とんでもないことに気付いた」
「なに?」
「コスモゼロは宇宙零戦であり、もちろん零戦がイメージソースだ」
「うん」
「でも、ブラックタイガーは、隼じゃないかな」
「そうか。加藤が隊長だから、加藤隼戦闘隊のイメージだね」
「そうすると、奇妙な問題が出てくる」
「というと?」
「零戦の写真はあまりマスコミでは流れていない。しかし隼はマスコミに露出している」
「零戦の写真が出回るのは戦後ってことだね」
「そうすると、隼はモノクロの写真がメインになり、零戦はカラーがメインになってしまう」
「えっ?」
「すると、零戦のイメージは明灰白色や飴色か濃緑色かはともかく色つきだ。でも、隼のイメージは白と黒になる」
「白と黒……。でもブラックタイガーは黒と黄色だよ」
「白と黒ではさすがにカラーテレビに申し訳ない。放送事故と間違われかねない。そこで、黒と相性が良い黄色を白の代用として使うと、ブラックタイガーの配色のできあがりというわけだ」
「どうして白より黒が優先されるのだ?」
「ブラックタイガーという名称は、隊の名称としてメカのブラックタイガーに先行しているからだ。ブラックは外せない。外せるのは白の方だ」
「でも、カラーテレビに申し訳ない、なんて発想がまだあったのかな?」
「あったはずだ。なぜなら、実際にヤマトをモノクロテレビで見た猛者は実際にいるからさ」
「それ、バイロンかい?」
「いや、俺だよ」
「君もだけど、庵野秀明監督もそうらしいね」
「ハイジとのチャンネル権争奪戦に負けると、カラーテレビ所有家庭であっても、モノクロテレビでヤマトを見なければならなかったのだ」
「カラーテレビは1台しか所有してない家庭が多数派だった時代ということだね」
「そうだ。しかし、買い換える前のモノクロテレビは残っている可能性が高い時代なのだ」
オマケ §
「よく考えるとブラックタイガーの下面は白なんだよね」
「そうか、下から覗くと白なんだね」
「そうだ。上は黒と黄色」
「下から覗くと白なんて、ウブな女学生みたいだ」
「アナライザーっぽいぞ、その発想」