「とゆーわけで、もうあまり長くは続かないぞ」
「でも、5月まで続いただけで、長すぎだよ」
「4月中に終わってもおかしくなかったが、応5月5日のヤマトイベントまでは引っ張ろうという意図はあった」
「そうか。5月まで続いたのは意図的なんだね」
悲惨という問題 §
「実はさるブログでまた今日も見たけど、東北の震災の惨劇にショックを受けて更新できないという人がいた。川に関連する趣味を持っていたがこれほど水が怖いとは分かっていなかったようだ」
「それがどうしたんだい?」
「おいらは、全くそんな感想は持っていない。凄いし、悲惨だとも思うけど、想像できなかったとまでは言わない。その程度の怖さ、水に関われば当然だ。水は怖いのだ。増水するとあっという間に川は溢れて凶器になる」
「凶器か」
「そうだ。家や財産や人命をあっさり奪う凶器になる」
「そうか」
「その凶悪さすら魅力のうち、と思えないで川は追いかけられない」
「でも、思わないで追いかけていた若い人もいるわけだろ?」
「いる」
「なぜ違うんだい?」
「治水工事が進んで、川の凶悪さが緩和された後のことしか知らないからだ。でも、あくまで緩和だから、凶悪さが無くなるわけではない」
「なるほど。じゃあ君は治水工事が進む前の事も分かるのかい?」
「分かる。神田川がいかに氾濫したかも、多摩川の土手が崩壊して家が水没した事件もよく覚えている。そこは知っている場所だったしね」
「それってつまり」
「この件に関しても、おいらは上の世代の最後のグループなんだよ」
「下の世代のトップじゃないってことだね」
「だからここで同世代とでもギャップがある。超えられないギャップがある。下の世代のトップになった人たちとは感性が合わない」
戦争という問題 §
「だからさ。ヤマトを見ていても、『戦争やったら人が死んで悲惨』というのはおいらから見れば当たり前なんだ。死ぬ理由が無い人がホイホイ死ぬことは、当然の前提なんだ。だから、ヤマトはおかしいとは思わない。さらば宇宙戦艦ヤマトで古代が死んでも、SPACE BATTLESHIP ヤマトで古代が死んでも文句は言わない。戦争とはそういう理不尽なものだからだ」
「そうか」
「だから、リアルでは戦争に賛成しないよ。いくら景気のいい美辞麗句を連ねても、戦争というのは交戦当事国の国民全員の命が賭け金として積み上げられるのだからね。つまり自分の命も賭け金になる」
「ってことは?」
「命を投げ出す値打ちがある、ってことが本当に出てくるまで、戦争なんて賛成できないさ」
「1人1人が思うことは、今はそれだけでいいわけだね」
「誰かにとって都合がいいだけで、こちらには何のメリットもない茶番が透けて見えると、どんな正義も色あせる」
「ははは」
「そうだ。そこの君。君に話すことがあるとしたら、今はこれだけかもしれなよ」
「なんかこの話は終わって欲しくないな」
「今はまだ、さらばと言わせないでくれ って言いたいわけだね?」
「どこからどこまでがネタか分からない文章だな」
「わははは」
原子力という問題 §
「だからさ。福島第1原発でも話がおかしいと思うわけだよ。過剰な期待と過剰な失望を往復している感じで、何か認識がずれている。システムが機能していれば安全であるという言い分は、別にシステムそのものが崩壊した場合にも安全であるとまでは保証してくれない。そういう前提で原発がそこにある以上、ここまで大きな災害で何が起こるかは分かったものではない」
「トップをねらえのオープニングに出てくる穴が空いた日本だね」
「意外と知らない人が多いので驚くが、あれは原発のあった場所という設定で描かれた日本なんだよね」
「それはダークな」
「それを踏まえた上で、『お姉様が鉄下駄で!』とか『バスターホームラン!』とか言って笑うダークさが正しい鑑賞態度だろうね」
「けして素晴らしい科学が切り開く素晴らしい未来の話では無いってことだね」
「逆に言えば、ヤマトもそういう意味での毒を常に連れてくるから見ていられるわけだ。全てがきれい事なら見て楽しいものか」
オマケ §
「シュルツ指令、あのホーミングレーザーという兵器は脅威です。なんとレーザーが曲がるのです」
「慌てるなガンツ。我々にもあるではないか」
「シュルツ指令、それはいったい?」
「反射衛星さえ配置すれば反射衛星砲もいくらでもビームを曲げられるでは無いか。我々はまだ負けていないぞ」
「シュルツ指令!」
「なんだ騒々しい」
「反射衛星を開くタイミングが遅れて反射衛星そのものを破壊してしまいました」
「なんだと!」
「反応速度が遅かったようです」
「ガンツ!」
「は、はい!」
「反応速度を鍛えるために鉄下駄で基地内一周!」
「そんなあ。いくら私が太りすぎだからとって」