「はたと気付いた」
「何?」
「実は雪を放り出して宇宙にいる古代は珍しくない」
「えっ?」
「考えてみると、物語冒頭で宇宙にいて、地球に帰還してから旅立つというパターンが非常に多い」
「ええっ?」
「たぶんこうだ」
- 第1シリーズ: 火星から地球 (でも雪はずっと地球)
- さらば: パトロール艦から地球 (でも雪はずっと地球)
- 2: ヤマトから地球 (でも雪はずっと地球)
- 永遠に: パトロール艇から地球 (でも雪はずっと地球)
- 完結編: ヤマトから地球 (でも雪はずっと地球)
「なるほど」
「だから復活編で古代が宇宙にいて雪が地球にいても、それはヤマトの王道パターンだったのだ」
「そうか」
「と思ったら大間違い」
「えっ?」
「実は『でも雪はずっと地球』というパターンの方が踏襲されていない」
「移民船団の司令官として宇宙に出ちゃったわけだね」
「そうだ。だから、ここで問われるべきは古代の行動では無い、雪の行動なのだ」
オマケ §
「それにしても、古代がこれほど問題になるとは思わなかった」
「そうかい?」
「いろいろな意見があることは知っていたがね」
「それでもかい?」
「それでもだ。妻と娘を放り出して宇宙に行っている髭ぼうぼうの古代は、負け犬だ。こちらからすれば、負け犬古代だから、感情移入できる余地があっていい良いヤマトだと思えるが、古代君が負け犬じゃ嫌だという人もけっこう多い」
「そうかもね。一応、ヒーローだしね」
「かといって、森雪に夢を持っていた男共の末路も哀れだ」
「出てすぐ退場。後は出番無し。しかも即ヌード」
「結局、古代君は森雪に頼ってもらえなかったのだ」
「地球が大変なの、戻って来て古代君……とは訴えなかったわけだね」
「ある意味で、自力で問題を解決しようとしてしまう点が、パーフェクト万能ウーマン森雪の弱点だ」
「パーフェクト万能ウーマンか」
「だから、ミルの射撃で負傷するのも自分でなんとかしようとするパーフェクト万能ウーマン的な解決方法だ。しかし、それが自分の死と古代特攻の引き金になったのだから、森雪の態度も善し悪しだ」
「そうか」
「だから、娘もパパ抜きで何とかなると思い込んでしまうのだ」
「実際はパパに助けられたけどね」
「あれで娘も反省しただろう。いざとなるとパパの力も当てになる」
「でもパパはあれで満足だろうか」
「というと?」
「艦内は若いオスの猛獣集団だ。娘が心配じゃ無いだろうか」
「そんなときは、またスーパー天才真帆にお任せだろ。美雪を頼むと無理難題を押しつけてパパは逃げちゃう」
「馬車馬のように働かされる真帆ちゃん」
「いや、馬では無くロバだ。パリカール!」
「なんで真帆がロバなんだよ」
「だっていうだろ、『まほろば』って」
「それは意味が違う」
オマケ4コマ §
「まあ、一般論としてのヤマトネタはこの程度かな」
「辛辣だね」
「復活編やSPACE BATTLESHIP ヤマトをネタにしても受けないから、こういう路線になるしか無い、というのも1つの解答だろうな」