「さらば宇宙戦艦ヤマトという映画は、ちゃぶ台返しを3回行う映画といえる」
「3回?」
- 地球艦隊全滅後にヤマトがたった1隻で白色彗星に勝つのは
- 都市帝国
- 超巨大戦艦
「そうか」
「数え方にもよるけどな」
「そうだね」
「でも普通の映画はちゃぶ台返しは1回なんだ」
「起承転結ていう転は1つあればいいわけだね」
「そうだ。たとえば、GWのクレヨンしんちゃん映画なら、しんちゃんを騙していた女スパイが味方になる点がちゃぶ台返しだ。通常はこれ1回でいい。十分に意外だ」
「そうか」
「だから、その点で3回もちゃぶ台返しを行うさらば宇宙戦艦ヤマトは特異的だと言える」
「それで?」
「でもさ、午前10時の映画祭で1957年の『情婦』という映画を見てたまげた。これはちゃぶ台を返しまくりだ」
「えっ?」
「詳細は語らない。しかし、最後の最後まで油断のできない映画であった。終わったと思ったらまだ先がある世界だ」
「それってもしかして……」
「そうだ。さらば宇宙戦艦ヤマトと構造的に同じなのだよ。しかし、1970年代の映画にかなり先行して1957年の映画だ」
「それってどういうこと?」
「あの当時、ヤマト以外の映画をろくにしらない子供だったので、『さらば』ってびっくりする映画だと思ったが、この程度のビックリは映画的にビックリじゃないのかもしれない」
「うーむ」
「こういう視点を持つと、また『さらば』を見る視線が変わってしまいそうだ」
「『さらば』がどんどん特殊な映画からありがちな映画に変化していくね」
オマケ §
「という話を『情婦』を見た当日夜に書いてから公開までかなり時間が経ってしまった。ははは」
「なぜ?」
「他の話題に割り込まれたからだ」
「いい加減、ヤマトの話が終わらないわけだね」
「こうなったらSPACE BATTLESHIP ヤマトのBD発売まで引っ張るぞ」
「本当にできるの?」
「タラン! もとい。しらん!」