「スターシャって何歳なんだろう?」
「さあ」
「実は年齢不詳だ」
「若い女性ではないのか?」
「イスカンダル人は1年で大人になって、あとはゆるやかに歳を取るのだ」
「ってことは見かけの年齢と実年齢が比例しない?」
「そうだ。スターシャは実年齢6歳でも、実年齢60歳でも通る。それどころか、イスカンダル人の寿命も不詳だ。天寿をまっとうしたイスカンダル人は出てこない以上、何歳まで生きるか分からない。場合によっては実年齢600歳という可能性すらあり得る」
「ひぇ~」
「ではいった、スターシャは何歳だろうか。その問いかけには2種類あり得る。1つは、実年齢。もう1つは地球人の相当年齢」
「そうか。たとえ1歳でも異性が気になる以上、人間に換算すると10代後半に相当するわけか」
派生問題 §
「すると、派生的にガミラス人特にデスラーの年齢問題が出てくる」
「えっ?」
「デスラーって何歳?」
「分からないな」
「感じとして、自力で大帝国を打ち立てた人材にも見えるが、そうなると若いはずが無い。組織を作り上げるにはそれなりに時間が掛かるはずだからだ」
「そうだね」
「かといって、旧ザクに相当する旧式兵器が出てこないことから考えるとデスラー軍の歴史は浅いのかもしれない」
「旧ザクが出てくるジオンだって歴史は浅いよ」
「つまり、デスラー政権の歴史は、ザビ家よりもっと歴史が浅いのかもしれない」
「そうか」
「しかし、ここに1つの問題がある。デスラー政権が旧政権を追い落としたとしても、旧政権の兵器は通常継承されるからだ。たとえば、ダグラムでは反乱軍は正規軍の兵器を山ほど使っていた。反乱軍側で開発したダグラムが量産されることはなかった。正規軍の兵器を持った正規軍の一部が寝返ってきたのだ。その際、敵の兵器なんて要らないと捨てないで便利に使ったわけだ」
「そうだね」
「だからさ。鹵獲した敵の軍艦を使うなんていうのも当たり前で、装備は継承されるんだ」
「でも、ガミラスにはそのような継承が無い?」
「その解釈は2つある。1つは、全く系列の違う兵器がある理由付けになることだ」
「えっ?」
「たとえば、高速空母と三段空母ではあまりにも設計思想も運用思想も違いすぎる。しかし、どちらかが生粋のガミラス兵器では無く、ガミラスが征服した何らかの敵の技術だとすると筋が通る」
「そうか」
「もう1つの解釈は、平和的撤収だ。デスラー政権にガミラスを明け渡して装備を全て持ち帰ってしまったケースだ」
「平和的撤収か」
「その場合、気になるのはイスカンダルだ」
「えっ?」
「滅びを受け入れたイスカンダル人は、死んでしまえば後のことは関係無いと言って撤収してしまった可能性もある」
「えーっ?」
「その際、争いの火種は残したくないから武器は持って帰るだろう」
「そうか。彼らが帰った後の空白をデスラー政権が埋めたわけか」
「実際はどうか分からないけどな。でもこれでイスカンダルをガミラスが攻められない理由も分かる」
「どうして?」
「ガミラス兵器は、イスカンダル兵器の稚拙な模造品なんだ。小マゼラン雲まで攻め込めても隣のイスカンダルは攻められない。技術水準の差がありすぎてね」
「そうか、ガミラスは宇宙1強いが、イスカンダルはサンザー1強いわけだね」