「Acoustic Yamatoを聞いているうちにふと気付いた」
「何を?」
「宮川彬良のピアノは全曲を通じて凄くいい。静かな熱意がこもっている」
「そうか」
「でもさ。平原まことのサックスは上手いんだけど、上手いだけの時と気持ちの入っている時と、ムラがあるような気もする。あくまで気がするだけだけど」
「難しいね」
「宮川彬良のピアノに挑発されてガンガン来るような場合もあるような気がするしね」
「本当に?」
「気がするだけだ」
「ぎゃふん」
Acoustic Yamatoは何者か §
「そういう意味で、Acoustic Yamatoは宮川彬良の趣味的アルバムであろうと思うが、これがヤマト音楽の決定版かというと、何かもう少し先がありそうな気もする」
「それは彬良さんに期待していいことなのかな?」
「それはワカラン」
「分からないのか」
「今や、ヤマト音楽の担い手も多様化しつつある」
「それもそうだね」
「でもさ。ここではやはり宮川彬良だからできることがると思う」
「それはなんだい?」
「父親殺しさ」
「ええっ? もう死んでるじゃ無い」
「だからさ。父親の音楽は生きていて尊重されているのだけど、それをとてつもなく破壊して先に行くのはやはり息子の特権だろう」
「うはー」
「そういう意味では、Acoustic Yamatoや最大級に臭いコースを付いてきたクセ球だ」
「えっ?」
「他のアーティストはヤマト音楽を尊重してそれをあまり大きく壊そうとはしていない。でも、息子はかなり大胆にやってるんだよ」
「凄いね」
「でもさ。あのオヤジの息子ならそれも当然。そもそもディスコアレンジで自分の音楽すら壊して見せたんだ。ファンが『大好きな曲をこんなにされて……』と泣いちゃうぐらい壊して見せたんだ」
「壊すことすらもオヤジの手の上ってことだね」
「だから、もっと先はある。それに期待しよう」
「期待しちゃうのか」
オマケ §
「松本零士音楽大全だが聞き込むとヤマト関係以外でもけっこう発見があるな」
「たとえば?」
- エメラルダス主題歌は、実はオフボーカルバージョンがかっこいい
- ゴダイゴの銀河鉄道999は、実は英語バージョンがかっこいい
- 凡庸だと思った音楽の中にもキラッと光るものがあったりする
「そうか。何事も聴いてみるまで分からないってことだね」
「でも最近はあまり聴いてないなあ」
「どうして?」
「自転車に乗る機会が増えると怖くて音楽聴けないよ」
「徒歩だったら聴いていてもさほど問題じゃ無いってことだね」
オマケ2 §
「しかし、どうして松本零士音楽大全以外にエメラルダスのサントラ持ってるんだろう。本編はたぶん1枚ぐらいしか見てないのに」
「さあ」
「更に、マリンスノーの伝説もサントラCD持ってる。なぜだろう」
「さあ」
「999とかハーロックになると断片的にしか持ってない。なぜだろう」
「さあ」
「1000年女王のCDは単独では持ってない。なぜだろう」
「さあ」
「3倍速く動けるザクなんてありはしませんよ。なぜだろう」
「シャア」
「見てみておじさまー」
「サーシャ」
オマケIII §
「ヤマト関係のCDは別にだぶっては買っていないが、だいたい2セットあると思っていいだろう」
「どうして?」
「通常版の後でETERNAL EDITIONのCDを全部買ったからだ」
「かなり、だぶっているはずだってことだね」
「まあ、完結編は徳間版のCDまで買ってるからそれも含めると更にダブってるはずだけどね」
「そこまであって、まだ満足できないのか!」
「だって、CD化されてない音源だってあるし」
「そうか」
「ちなみに、最近某所で見た泣き言だけど、昔のテレビ雑誌なんてもうチェックできないから、記憶で書いたっていいだろという意見」
「確かにチェックは難しいね」
「難しいけどマニアとはそれをやる人種だ」
「えっ?」
「だから、それは泣き言なんだよ。何となく昔の思い出に浸ってネットに書き込んで貢献していい気持ちになって、カタルシスを得たいのだろうが、実は記憶なんてあやふやで、きちんと典拠を示せない情報なんて限り無くゴミクズに近い」
「ひぇ~」
「だから、初版のロマンアルバムなんて異様に古い本を手元に置いて語るわけじゃ無いか」
「それで語るのか」
「そうだ。語るシス・ウェーブ!」
「なんか違うぞ」