「実は、宇宙気流の土方の命令が降下か下降か自信が無かったので、ロードショー責任編集のムックをチェックした」
「それで?」
「そこで、とんでもないことに気付いた」
「なんだい?」
「実はAR台本の段階では、宇宙気流は2つあったんだ」
「なんだって?」
「第1の宇宙気流をヤマトは乗りきって、そこに第2の宇宙気流がある。しかし、そこにゴーランド艦隊が待ち構えていた。そういう展開だったのだ」
「実際には1つの宇宙気流の話に整理されているよね」
「まあ時間的に妥当なところだろう。2つある必然性も無いし」
「無くなっても別に困らない展開ってことだね」
「新たなる旅立ちとかカットで話が矛盾しちゃうケースとは違う」
2つある理由 §
「AR台本では2つの気流の合流点が行ってはいけない場所扱いである」
「そうか」
「でもサルガッソーが行ってはいけない場所としてあるので無くても良かった」
「確かに」
オマケ・まわるメリーゴーランド §
「しかしなあ。ゴーランド艦隊は本当にやられたなあ」
「どうして?」
「あらすじは既にラジオドラマ等で知っていたんだ。結末を除いてね」
「序盤の展開なんて承知済みってことだね」
「メカの設定も出版物で見てよく知っていたんだ」
「そうか」
「なのに、艦首のあれがミサイルだとは思わなかったよ」
「わははは」
「発射されてびっくりだ」
「そうか」
「しかも、耐えて耐えて最後に逆転といういい話だしな」
「でも、それで終わりじゃないよ」
「そうだ。テレザートに現地守備隊がいる。これは合理的だ。幽閉して放置は考えられない。ゴーランド以外にも守備隊がいるのが自然だ」
「でも、コンバットA体勢で蹴散らされちゃうよ」
「ゴーランドがいる以上、一級の部隊はそこにいないだろう。2線級の部隊が守っているだけだろう。蹴散らされて当然だ」
「そんなものかね」
「太平洋戦争でも、よくヨーロッパのXX国の敵機は敵じゃなかったみたいに言うけどさ。本国がヨーロッパで戦争している状況で凄い人材をアジアの植民地防衛に送るかといえば、それは考えにくい」
「わははは」
「だから、プリンス・オブ・ウェールズという一線級の戦艦を沈めてしまえば、あとは二線級の雑魚しか残らないのだろう。そこで、九七式中戦車走らせて敵を蹴散らしてシンガポールに乗り込んで、YESかNOかと詰め寄っても、それでイギリスに勝てるわけじゃない」
「なるほど。つまりプリンス・オブ・ウェールズをボラーに沈められて、残ったのはロートルのヤマトだけ。デスラーの支援が無ければ地球はピンチだったというわけなのだね?」
「……なんか違う」