2011年08月31日
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ヤマトの感想・補遺9

Written By: トーノZERO連絡先

「目から鱗が落ちた」

「なんだいい?」

「問題はここ」

「宇宙戦艦コスモという企画が藤川桂介、アステロイド6が豊田有恒によって作成されているのだが」

「これが何か?」

「ヤマトは最初から対立を含んでいたのだよ」

「えっ?」

「西崎対松本という対立軸だけが目立ったが、実は藤川対豊田という対立軸があったのだ」

「なにそれ?」

「豊田有恒がヤマトを悪く言うのも分かる。実際のフィルムになったヤマトは自分のアイデアを使いながらも藤川色が色濃かったのだ」

「でも、立場が違いすぎるじゃん。シナリオライターとSF作家では。文字を書くという共通点しかないよ」

「そうだ。そう思うと接点が無い。しかし、時間軸を拡大すると違う」

「えっ?」

「豊田有恒はアニメのシナリオを書いていた過去がある。藤川桂介にはSF作家になってしまう未来がある」

「領域がかぶりまくりじゃん」

「そして、西崎対松本も領域がかぶりまくりだ。どちらも作品を企画する立場だ」

「ぐだぐだだね」

「でもさ。実はこの対立も原点は最初の2つの企画に行き着くような気がしてきた」

「どういうこと?」

「アステロイド6寄りで本当はやりたい西崎さんと、コスモ寄りの松本先生の対立が遠因にあるのではないだろうか」

「実際のフィルムはコスモ寄りってこと?」

「藤川桂介先生が実際に書いているわけだからね」

「ならどうして、西崎さんはアステロイド6寄りなんて思うの?」

「最初のノベライズはアステロイド6寄りらしいからさ」

「本来の意向はその経路から出やすいってことか」

「直接的な西崎世界で解決できる話だからね」

「そうか。みんな死んじゃう夢も希望もない話を目指すか、それとも美女が待っていてくれる夢のある話かは大きな対立点なんだね」

「だから、松本色が強いテレビ第1シリーズではイスカンダルは夢の世界だが、西崎色が強い新たなる旅立ちになるとイスカンダルは夢も希望もないぐだぐだの世界になる」

「イスカンダルそのものが無くなっちゃうしね」

SPACE BATTLESHIP ヤマトは §

「そうすると、SPACE BATTLESHIP ヤマトはアステロイド6寄りになる」

「確かに夢も希望もないイスカンダルだね」

「放射能除去装置だけはかろうじてあるけどな」

「あるだけマシか」

「石津嵐版ならそれすら無いしな」

オマケ §

「宇宙戦艦コスモの企画は復路が無いようだ」

「地球を脱出するだけってことだね」

「とすると、実は松本零士と相性がいい」

「なぜ?」

「ワダチと同じだからだ」

「なるほど」

「その後で、松本零士と藤川桂介が組んで、マリンスノーの伝説をやるが、実はこれも海底人が宇宙に飛んでいってそれっきりなのだ」

「単方向運動組ってことだね」

「短編の発想、あるいはテレビサイズの発想と言えるかも知れない」

「それで?」

「アステロイド6の方は往復みたいだな」

「それは長編の発想ということ?」

「あるいは、映画の発想だな。あるいは往復運動の発想だ」

「シナリオライターの藤川桂介はテレビで発想し、SF作家の豊田有恒は長編で発想したってことだね」

「まずここで発想が噛み合わない」

「確かに」

「それから、TV第1シリーズで事実上復路の話が無いことも分かる。彼らの発想には往路しか無いんだ」

「最終回しか復路の話はないものね。しかも、映画になるとほぼ割愛」

「だからさ。往復が発想にあれば、またイスカンダルまで行く新たなる旅立ちはあり得る。しかし、永遠には復路が無い。敵の本星に行って破壊したら終わってしまう」

「ややこしく絡まっているね」

「これはギャラクティカとスターウォーズの違いとも言える。ギャラクティカは地球に行って終わる。でも、スターウォーズEP4はデススター壊して戻って来てレイア姫の前に出て終わるんだ」

「復路があるわけだね」

オマケ2 §

「それから、TV第1シリーズで事実上復路の話が無いことも分かる。彼らの発想には往路しか無いんだ」

「ハイハーバーにはオーロがいるわけだね」

「そうだ。だから宮崎駿はテレビシリーズの未来少年コナンをやっていても発想は長編だったのだろう。だから、その後は映画ばかり作るのだろう」

「次はテラを語ろう」

「それはテラへ。ヤマトじゃ無い」

オマケIII §

「でも、そうするとヤマトIIIは映画的なんだ。最終決戦は地球に戻ってやる」

「うん」

「完結編も地球に戻ってからが長い」

「しかも、2回戻るね」

オマケ打ち切り §

「復路が無いのは、放送打ち切りで時間が無かった、という可能性は無いのかい?」

「もしそうだとしてもストーリーを練り直す時間はたっぷりあった。しかし、その練り直しで帰路のエピソードはまるごと消えてしまうんだ。バラン前にはいくつものエピソードを消化しているのに、帰路の話はほとんど何も無い」

「確かに極端すぎるね」

「発想として時間が無ければ無くてもいいのが復路という発想なんだろう」

「重要度が低いわけだね」

オマケ中間地点 §

「そういう意味では、中間地点バラン星の手前が過剰に長すぎる。バランスがいびつだ」

「そこは特別な意味を追求する余地があるってことだね」

オマケ復活編 §

http://twitter.com/#!/haramakineko/statuses/108419189722714112より

牛タンカレー堪能した! これから山下康介さんとSF大会打ち合わせ。

 こいつめ、佐藤直紀さんばかりか、山下康介さんまで。

 やはり職業は選ぶべきだね!

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