「ゲールの印象は良くない」
「どうして?」
「優秀なドメルと、無能なゲールという対比が印象的だった。特にひおあきら版で顕著だね。ゲール艦隊にはいいところがない」
「でも、なぜ今になってゲールの話になるの?」
「うん。たとえばさ。ドイツのロンメルは名将とは言われるが、一方で問題点も多く指摘されているわけで、そういう視点から見るとドメルも同じ事が分かる。ただ単に卑怯な密告で勝利を逃した悲劇の名将ではない。やはり欠点が存在する」
「そうすると、ゲールをただの劣った指揮官扱いできなくなるわけだね」
「そうだ」
「それだけかい?」
「実はガボーチンさんより有りがたいメッセージを頂いた」
Subject: デスラー論再び・実はデスラーは浪費家では無い
Keyword: 【▲→トーノZERO→アニメ感想→宇宙戦艦ヤマト】
URL: http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20111013092539
名前: ガボーチン
本文:
すみません、ゲールの話題がでてきたもので・・。実は、ガミラス的にゲールは趣味の悪い男なのか?・・と以前から思っていたんです。ガミラスの基地内の設備やデスラーのグラスを見ても全然「OK」ですよね。しかも、戦闘艇に載りながら、原住生物バラノドンをあの形にもっていける精神力、ドメルの自爆宣言にもうろたえない潔さ、かなりの「人物」ではないか・と。さしたる危機もない補給基地バランで部下に好かれる理想の上司をやってたのではないかと確信しております。
「これは目から鱗だ。ドメルは名将で賢くて品があってデスラーのおきにいりで強くて格好いいという先入観があると見落とすが、確かにガミラスの設備や道具はどれも趣味が悪い。ゲールだけ趣味が悪い訳では無い」
「まさか」
「更に言えば、実はゲールのコレクションはガミラスでは美術的な価値があるのかもしれない。ドメルは趣味が悪いと言って壊したが、そんな話はいくらでもある。ガラクタだと思って捨てたら高価な美術品だった、とかね」
「どういう意味だよ」
「だから。ゲールの部屋を嫌ったのは、ガミラス式デザインが、ドメルとしては個人的に気に入らなかっただけかもしれない」
話しは続く §
「あくまでドメル個人の趣味か」
「そもそもゲールのバラノドン特攻隊にしても、基地のガミラス兵の協力なくしてできるものではない。ドメルの不興を恐れずにゲールに協力してくれるムードはあったのだろう」
「そうか」
「しかし、この話は延長すると凄いぞ」
「何が?」
「ドメルはガミラス式デザインが好きでは無いとすると、実は地球式デザインの方が気に入ったという可能性が出てくる」
「ははは、でもそれは分からないね」
「いやいや。ドメルは死ぬ間際にわざわざ通信を寄越して、ガミラスと地球を対等として扱ったのだ。確かに死ぬ前に何か言っておきたいとか、一目で良いから敵を見ておきたい気持ちは分からなくも無い。しかし、対等に『栄光あれ』と言うのは少し行きすぎだ」
「そうか。ドメルはガミラス兵器よりも、地球兵器の方が趣味に合ったから、ここで過剰に地球を尊重しちゃうわけだね」
ドメルの趣味 §
「そういう意味で考えると、円盤形旗艦のデザインが特異である理由も分かる。ああいう形状のガミラス艦は、あの時点のガミラスには他に描かれていない。同型艦も出てこない。あれこそが、ドメルの趣味だとすると何となく旗艦を乗り換えた理由が分かる」
「そうだね、あっちの方が好きなんだね」