- 普通のキットなら誇らしいハセガワのマークなのに、パッケージのハセガワのマークが邪魔に思えた。こんなの初めてだ
- アルカディア号などの他のキットの宣伝がパッケージに入ってないのは良かった
- パーツ数は少ない。かなり作りやすそう
- やたら細かいパーツはあるが、作り易さへの配慮が見られる (細かいパーツは限定される)
- デカールの模様が絶句するほど細かい
- ヴァンシップの足元の窓が開口していない
- ステップも開口していない (が窓とは扱いが違っても良いかも知れない)
- 内部構造の詳細設定はあるが作り込まれていない (作りやすさにつながっている)
- ヴェスパの中央船体こそが見せ場なのに、左右のカバーが隠してしまっている
- ビギナー向けガイドにやたら難しい作業への挑発が「謝りながら」書いてある
- ビギナー向けガイドが女子モデラーを想定した文章だが、僕達男の子の出番がちゃんと用意されている
- キットは圧倒的に「おっさん」成分が足りない。人物は女の子のイラストばかり。しかし、その分はスケールアヴィエーションのモニターの作例で補完されている。あっちは「おっさん」ばかり (アフターサービスもバッチリ)
「非モデラーのマニア向けのモデルとして、作りやすさとマニア度が両立されている感じだなあ。実際は作ってみないと分からないけど」
「素直に作る気は無いわけ?」
「あたぼうよ」
「どこを変更する気?」
「大和デカールを使用する以外、まだ検討中だ」
このキットの価値 §
「普通、オリジナルのキットは外装しか塗らない」
「うん」
「飛行機模型は内装を何で塗るか考えねばならないが、あまり変な色は塗れない」
「本物からあまり逸脱できないわけだね」
「でもさ。ヴァンシップは上から見える内装があるにも関わらず実物が無い。何色を塗るか、考える余地が大きい」
「それが他のキットとの違いだね」
ヴェスパ §
「ヴェスパは小さいし、すぐ作って……と思ったけど考えれば考えるほど難しい」
「なぜ?」
「ヴェスパは搭乗員の足が隠れる。降着姿勢だと後席搭乗員の足が見えるが、それでも足りない」
「おいおい」
「もっと足を見せたい」
「ひ~」
「と思うとパーツ構成をよく研究する必要があって、うかつにすぐ作れない問題が」
「考えすぎ」
ヴァンシップ §
「凝った改造をする気は無いが、足元の窓だけは開口したい。あそこがヴァンシップのチャームポイントだと信じるからだ」
「エンジングリルとか開口しないの?」
「しない」
「なぜ?」
「中にエンジン無いから」
「ぎゃふん」
感想 §
「アートプラとかいって、模型側からのアートへのアプローチはあるのだけど、これはアート側からの模型へのアプローチに近い」
「その2つは違うの?」
「違う。模型の発想は模倣だが、アートの発想は表現だ」
「その違いは何をもたらすの?」
「アートの模倣が模型的なアプローチ。しかし、秩序の破壊がアート的なアプローチ」
「どのへんが秩序の破壊なのさ」
「パッケージイラストをよく見ると、『銀翼のファムのタチアナのヴァンシップ』という製品であるにも関わらず、飛行中の人物からは顔の個性が一切除去されていて、ファムもタチアナも分からない。非常におおざっぱな形状と色からこれがファムに違いないとは推定できるが、実はファムでは無いという推定もできる曖昧さがある」
「えー」
「結果として村田画伯の普通の美少女画が浮いてしまう感じさえある」
「そんなアホな」
「それにしても封を切るのがもったいないキットだなあ」
オマケ §
「あー。今気づいた。アウトリガーの保持パーツ。板バネだ。鉄道模型の下回りでよく見た板バネだ!」
「何を興奮してるんだよ」
「見慣れたパーツがあると興奮するね」
オマケ2 §
「パッケージ背景の大型艦の下部がスタートレックに見えて仕方が無い」
「ひ~」