「こんなことが書いてあるけど君はどう思う?」
Microsoftは、「iPhone」や「iPad」のようなスケールのヒットを経験していない。Surface Proがそうした商品の仲間入りを果たすことがあるなら、Microsoftにはそうした成功をうまくコントロールする手腕を同社の忠実なファンに見せつけてもらいたいものだ。
「Microsoftは、「iPhone」や「iPad」のようなスケールのヒットを経験していない……と言っているけどさ。大量に売れる商品を過去に持った経験はMSも多い。単にここ数年は「iPhone」や「iPad」がヒットしているからMSが未経験に思えるだけで、言われていることは当たっていないような気がする」
「君はどう感じたんだい?」
「うん。需要に対応できなかったのではなく、需要を読み間違ったような気がするな」
「どういう意味?」
「売れるかどうか分からない商品を大量に作ることは普通なら行わない。需要を予測して、それに応じて生産数は決まる」
「そうか。不良在庫の山は持ちたくないものね」
「そうだ。倉庫にだって費用は掛かるし、売れなかった商品はただ単に生産コストが赤字になるだけだ」
「でも、なぜ読み間違ったの?」
「ProではないSurfaceの売れ行きや世間の動向を見て決めたのではないか」
「もっと具体的に言ってよ」
「ARM版のSurfaceはやはり限定的な用途にしか使用できなかった。一般のWindowsアプリは動かないからね。しかも最近ではSurfaceの価値に関して懐疑的な意見が非常に多く聞かれた」
「アンチの言説?」
「いや、アンチじゃなくても言われていた。他のメーカーからいろいろな特徴を持った機種が出ていて、今となってはSurfaceのアドバンテージは大きくないと。MSに好意的な人たちにも、そういう意見が多かったように思う」
「なるほど。それを聞くと、今さらSurface Proがバカ売れするような状況は考えにくいね」
「でもさ。実際は違った。ARM版のときにスルーした人たちが想像以上に多かったのだろう。彼らは一般のWindowsアプリが動くIntel版のProになってドッと動いたのではないか。そんな気がした」
「それは本当?」
「さあ。それは分からないよ。行列した人たち全員からアンケート取ったわけでもないし。ただの個人的な感想」
「君はSurface Pro買わないの?」
「今のところ予定は無い。ARM版のSurfaceも、タッチ対応のIntelノートも既にあるしね」
「誰かが君にSurface Proをあげようと言ったら?」
「そりゃ喜んでもらうよ。実際に使ってみたいのは本当だしね」
「でも、無ければ無いで困らないってことか」
「まあね」