2014年01月04日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマトtotal 969 count

続・「行きの物語」と「帰りの物語」論と、「帰りの物語」としてのICEとさらば宇宙戦艦ヤマト

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

「2つの対立する陣営があるとき、片方が100%正しく、片方が100%間違っていることはまずない」

「どちらかが正しいと思わせることで、間違っていてもシンパを自陣営に呼び込めるわけだね」

「そうだ」

「だから、本当の答えは2つの主張の中間にあるわけだね」

「いや、無い」

「えー。なんでだよ」

「2つの主張の中間に真実があると思わせるのも1つの詐術テクニックだよ。間違った主張と間違った主張の間に真実なんか浮かんでくるものか」

「……」

「しかし、「行きの物語」の物語は便宜上の正解と、便宜上の悪が用意されることが多い。悪人になったやむを得ない事情の物語が用意されることはあっても、悪は悪だ」

「ならば、「帰りの物語」とは?」

「対立する2つの陣営がどちらも100%の正義ではないことが描かれてしまう」

「たとえば?」

「ICEなら塔の上も下もどちらも正しくない」

「ヤマトなら?」

「彗星帝国は正しくない。かといって地球も正しくない。かくして古代は反乱を起こしてヤマトで飛び出すしかなくなる」

「えー」

「Zガンダムだって、ティターンズは正しくないが、かといってエウーゴが100%の正義かと言えばそうでもない」

「グダグダじゃん」

「そうだ、「帰りの物語」とはグダグダになるものなのだ」

「まさか。パトレイバーも」

「そうだ。柘植の言い分も承服できないが、かといって警察の内部のゴタゴタも承服できないので、後藤さんは南雲さんを連れて警視庁から出ることになる」

「他には?」

「スレイヤーズなんかもそうだよね。ガウリイが『悪いのはどっちなんだよ』と言ってもリナは答えられない。そんなシーンがある」

「それで話はどこにつながるんだい?」

「「行きの物語」 が獲得の物語なら、「帰りの物語」は喪失の物語だ。何か大切なものが失われて終わることが多い。命は大切なものの一例だが、他のバリエーションもある」

「たとえば?」

「パトレイバー2なら後藤さんは南雲さんを失う。さらば宇宙戦艦ヤマトならみんな死ぬ。Zガンダムならカミーユが正気を失う」

「それで話はどこに行くわけだい?」

「「帰りの物語」が喪失の物語ならば、何かを差し出さないと物語は終われない。過剰にばらまきすぎたヤマトの物語を終わらせるには、それと同等の何かを差し出さないと終われない」

「等価交換なんだよ! ってことだね?」

「ハガレンは読んでないから知らないよ」

「えー」

「というわけで、最後に森雪らみんなの命を差し出し、古代とヤマトも差し出してやっと終わる。そのように考えれば、さらばの結末は特攻賛美とも言えなくなる。あれは大切なものが失われる描写であって、賛美されているわけでもない」

「つまり、さらば宇宙戦艦ヤマトは、「帰りの物語」の物語である限り何かを失わざるを得ないわけだね?」

「たとえ古代が死なないとしてもな。何か大切なものは失われる必要がある」

オマケ §

「ハガレンはねえ。アニメの第1話を見て、『等価交換なんだよ』という台詞が凄く嘘くさくて見る気が失せた。それっきり見てないよ」

「等価交換じゃダメなのかい?」

「そうさ。交換が等価なら、エネルギーを取り出せない永久機関も実現出来る」

「実際にはできないんだね?」

「そうさ。エントロピーは増大するからな。熱力学の第2法則だ。交換は等価ではなくエントロピーを増大させ、不可逆なのだ。解放系においては見かけ上の永久機関は可能だけどな」

オマケ2 §

WikiPediaの永久機関の「フィクションに登場する永久機関」に、波動エンジンが載っているとは思わなかったぞ」

「波動エンジンって永久機関なの?」

「自分は違うような気もするが……」

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「2つの対立する陣営があるとき、片方が100%正しく、片方が100%間違っていることはまずない」

「どちらかが正しいと思わせることで、間違っていてもシンパを自陣営に呼び込めるわけだね」

「そうだ」

「だから、本当の答えは2つの主張の中間にあるわけだね」

「いや、無い」

「えー。なんでだよ」

「2つの主張の中間に真実があると思わせるのも1つの詐術テクニックだよ。間違った主張と間違った主張の間に真実なんか浮かんでくるものか」

「……」

「しかし、「行きの物語」の物語は便宜上の正解と、便宜上の悪が用意されることが多い。悪人になったやむを得ない事情の物語が用意されることはあっても、悪は悪だ」

「ならば、「帰りの物語」とは?」

「対立する2つの陣営がどちらも100%の正義ではないことが描かれてしまう」

「たとえば?」

「ICEなら塔の上も下もどちらも正しくない」

「ヤマトなら?」

「彗星帝国は正しくない。かといって地球も正しくない。かくして古代は反乱を起こしてヤマトで飛び出すしかなくなる」

「えー」

「Zガンダムだって、ティターンズは正しくないが、かといってエウーゴが100%の正義かと言えばそうでもない」

「グダグダじゃん」

「そうだ、「帰りの物語」とはグダグダになるものなのだ」

「まさか。パトレイバーも」

「そうだ。柘植の言い分も承服できないが、かといって警察の内部のゴタゴタも承服できないので、後藤さんは南雲さんを連れて警視庁から出ることになる」

「他には?」

「スレイヤーズなんかもそうだよね。ガウリイが『悪いのはどっちなんだよ』と言ってもリナは答えられない。そんなシーンがある」

「それで話はどこにつながるんだい?」

「「行きの物語」 が獲得の物語なら、「帰りの物語」は喪失の物語だ。何か大切なものが失われて終わることが多い。命は大切なものの一例だが、他のバリエーションもある」

「たとえば?」

「パトレイバー2なら後藤さんは南雲さんを失う。さらば宇宙戦艦ヤマトならみんな死ぬ。Zガンダムならカミーユが正気を失う」

「それで話はどこに行くわけだい?」

「「帰りの物語」が喪失の物語ならば、何かを差し出さないと物語は終われない。過剰にばらまきすぎたヤマトの物語を終わらせるには、それと同等の何かを差し出さないと終われない」

「等価交換なんだよ! ってことだね?」

「ハガレンは読んでないから知らないよ」

「えー」

「というわけで、最後に森雪らみんなの命を差し出し、古代とヤマトも差し出してやっと終わる。そのように考えれば、さらばの結末は特攻賛美とも言えなくなる。あれは大切なものが失われる描写であって、賛美されているわけでもない」

「つまり、さらば宇宙戦艦ヤマトは、「帰りの物語」の物語である限り何かを失わざるを得ないわけだね?」

「たとえ古代が死なないとしてもな。何か大切なものは失われる必要がある」

オマケ §

「ハガレンはねえ。アニメの第1話を見て、『等価交換なんだよ』という台詞が凄く嘘くさくて見る気が失せた。それっきり見てないよ」

「等価交換じゃダメなのかい?」

「そうさ。交換が等価なら、エネルギーを取り出せない永久機関も実現出来る」

「実際にはできないんだね?」

「そうさ。エントロピーは増大するからな。熱力学の第2法則だ。交換は等価ではなくエントロピーを増大させ、不可逆なのだ。解放系においては見かけ上の永久機関は可能だけどな」

オマケ2 §

WikiPediaの永久機関の「フィクションに登場する永久機関」に、波動エンジンが載っているとは思わなかったぞ」

「波動エンジンって永久機関なの?」

「自分は違うような気もするが……」

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