2018年07月05日
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三百字小説『テンガチャヤのガチャ屋』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 テンガチャヤにあらゆるレアなガチャガチャが揃った究極のガチャ屋があるという伝説があった。

 僕はどうしても欲しいブツがあったので、東京からその店に遠征しに行くことにした。

 しかし、場所が分からない。マニアは誰も教えてくれないのだ。

 調べてみると、テンガチャヤとは大阪の天下茶屋のことらしい。僕は新幹線に飛び乗って大阪を目指した。

 だが、やっと到着した天下茶屋でいくら探しても伝説のガチャ屋は見つからなかった。

 「どうして伝説のガチャ屋が無いんだ!」

 「あ、また間違えた人が来てる」と通行人が笑って行った。

 「えっ?」

 中国奥地の天岩山にある茶谷工場、通称テンガチャヤの存在を僕が知るのはもっと後のことだった。

(遠野秋彦・作 ©2018 TOHNO, Akihiko)

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