
「世田谷文学館の【萬画家・石ノ森章太郎展 ボクは、ダ・ビンチになりたかった】に行ってきた」
「初日だろ。混むだろう」
「いやー、開館無料日だったので」
「それでどうだった?」
「開館時間からすぐに時間に到着した。大人気の仮面ライダーと009がメインだからね。下手をすると行列かと思ったらそうでもなかった。予想の十分の一ぐらいの人出かなあ」
「感想はどうだい?」
「メインはライダーと009だが、ロボコンもゴレンジャーもさるとびエッちゃんも009ノ1もいてな。結構良かったぞ」
「ミーハーではない感想は?」
「石ノ森章太郎も歴史の一ページになったのか、という感慨とね。それから実は石ノ森章太郎は表現の巨人であることが分かった。いろいろやっているね。いわゆる子供まんがっぽいコミックは力をセーブしている作品で、攻めてる作品では凄い表現がゴロゴロしている。部分的にアートに片足を突っ込んでいるような絵もあったと思うよ。まあ、そういう絵を選んで展示しているという面もあるのだろうが」
「それだけ?」
「いや、そういう表現を前提に作品を観ると。ロボコンやゴレンジャーも違って見える。これはこれで攻めた表現なんだ」
「なるほど」
「あと、エッチなイラストはのぞき穴から見る演出も良かったね」
「えー」
「ついでに009のスタンプは全部押してきた」

「しかしねえ」
「なんだよ」
「クイズは答を見なくても全部分かってしまうのは何なんだか」
「年寄りなんだろう」