今日のSEEDも凄い。
まず、いきなり軍法会議。素人臭い議事運営ですが、とても重い事態ですね。ファーストガンダムだと、アムロが脱走したとき営倉に放り込まれましたが、軍法会議的な表現はありませんでしたね。その点で、SEEDの方が、より組織の運営的なものが描かれていると言えるかもしれません。
そして、銃殺刑と艦長に言わせておいて、すぐ民間人なので適用しない、という形で決着させます。そこが、艦長の善人的な部分の現れなのでしょうね。
一方敵側はといえば。せっかく歌姫が戻ってきたのに、どこか愛がないアスランと歌姫の会話が痛いですね。歌姫を、主人公がアスランから取ってしまう展開もありでしょうか?
またさりげなく描かれる艦長とバジルール少尉の間の微妙な緊張。この二人は決定的に相容れないのでしょうか?
戦争っていやよね、と言うフレイの少し怖い口調。そのあと、みんなやっつけてもらわなくちゃ、と怖い顔になるのが壮絶ですね。カテジナと違う怖さです。
水着のグラビアを見ているエースパイロットの一瞬の描写。いいですね。この人は、ちゃんとこういうマイペースの時間を持っているわけですね。
民間の女の子を助け起こすフレイが、一見優しそうに見えるのが、これも怖いですね。
そして戦闘中に危機的状況が限界を超えて、ぶち切れる主人公。これも怖いですね。常識的な自制心が切れた状態で何が起こるのか。
あとは細かいところ。
通路内の無重力描写で、身体を動かさずに動き続ける人体、というのが良かったですね。それに作画枚数も節約できて、一石二鳥?
APU起動と言っているのは航空機のAPU(Auxiliary Power Unit)つまり補助動力装置ってことでしょうか?
アークエンジェルの兵器のカバーの開き方がそれぞれ違うのにあらためて感心しました。凝ってます。
こちらの回避アルゴリズムが解析されている、という台詞も良いですね。そのあとの、ランダム回避運動という台詞と併せて、ただ撃たれているだけの間抜けなフネとは違うのだと言うことが分かります。
機体で射線を隠す、というのはどうでしょうね? ちょっとやりすぎという感じもしますが、それだけの危険な技が見せられるエリートパイロット達、あるいは、コーディネーターだからできるという演出でしょうか?
ミラージュコロイドというのは、具体的にどんなものか分かりませんが、手垢のついた光学迷彩よりも、ずっと良い言葉ですね。
対空榴散弾頭?というのはどんなものか把握できませんでしたが、ほんの一瞬の描写にも新しいことを考えているのは良いことです。
自動追尾解除、弾幕を張れ、という台詞は、見えない敵に対する攻撃として理にかなっていますね。
最後に、これは重要です。「ラミネート装甲内、温度上昇」とか「これでは装甲、廃熱追いつきません」という台詞は、ちゃんと熱の存在を考えていることを示していますね。これは非常に良いところです。熱をどうやって捨てるのかは、宇宙船においてとても重要な問題です。まして、大きな熱を受ける装甲なら、なおさらです。
と～のは、もしかしたら何かの宿題を抱え込んでしまったのかも知れない歌姫を応援しています。
★ 2002年12月16日補足: 榴散弾という言葉が存在するようです。対空榴散弾頭という台詞はこれを意識したものかもしれません。やはり凝ってますね。
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