謎のアニメ感想家(笑)、トーノZEROです。
今日のGungraveの感想。
いや本当にこれは凄い作品ですね。
トップとして組織を掌握していくハリー。人に会い続ける。この地道な描写。
そして、無関係の少年を前に、見ず知らずの店長を撃ち殺したあと感情を爆発させるハリー。
組織、権力、欲望と、その裏側の臆病な気持ち。
人の心の矛盾性が、丁寧に時間を掛けて描き出される愉悦。そう、これは愉悦なのですよ。ここまで良く描いてくれたと思います。
ハリーの嘘を見抜くビッグダディ。ビッグダディを後ろ盾に欲しいハリー。自分の子供のために無理ができない立場のビッグダディ。なかなか厳しいドラマですね。守るものを持つことで、大胆になれない立場。
一人になった後のどこか辛そうな、ハリーの笑い。
ブランドンが消えて、自分がのし上がるチャンスを見た九頭文治。少なくとも、ここに一人、ブランドンが消えたことに価値を見いだす男がいますね。
殺す相手の家族がいても殺す九頭文治。それに配慮したブランドンとは違うところを見せて、ブランドンに成り代わろうとするわけですね。
組織のために、シェリーのために、というベア。彼も、娘のために、どんどんハリーの野望に巻き込まれていきますね。
そして次が最大の見せ場。車で移動中に、皿を割ってたたき出される少年に気付くハリー。用があるはずもないのに車を止めさせて下車。たたき出した店長を射殺するハリー。死んだ店長にすがって泣く少年。恨んでいたはずの店長にすがって泣くところを見て、銃を取り落とすハリー。そして、本音の感情の爆発。こんな、魂の底からわき上がってくるような感情の発露は、そうそう見られるものではありません。これは凄いですね。
研究施設の事故。そこにいる人々が、まさに日常を生きている普通の人達であるかのように描かれているのが素晴らしいですね。異常事態に、本当に異常な出来事に直面した人間のように描かれています。だからこそ、そこで起きた状況の恐ろしさが、ひしひしと伝わってきます。
そして、復活するブランドン。とうとう、第1話に登場した車と、ブランドンを動かし続ける装備が登場しましたね。
今回の一言 §
EDの映像がモノトーンになってしまいましたね。
つまり、ドラマは色のない世界に突入したわけですね。