謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日の爆裂天使の感想。
サブタイトル §
第4話 兄弟 暁に死す
あらすじ §
列車は、メグと、ヴォンの双子の兄弟、リャンを乗せ、開発センターに向かって走ります。
セイ達は、トレーラーでそれを追います。
そこに、第3の勢力が乱入し、ヘリとサイボットで列車を攻撃します。それだけヴォンは価値がある存在であるようでした。
その最中に、ヴォンは化け物として覚醒し、自ら動き出し、周りの者達を惨殺します。
ヴォンに語りかけるリャン。ヴォンはリャンのことを分かったかのように思えましたが、銃を使ったリャンをヴォンは殺害してしまいます。
ヴォンは列車の運転席に入り込み、自分の身体を実験台にした日の出製薬の開発センターに向かって列車を激突させようとします。
ジョーはメグに、後ろの車両に乗り移れ、と指示します。しかし、そこにはまだ生きている兵士がいて、メグを絞め殺そうとします。ジョーは、ジャンゴに乗り込んで、線路と交差する鉄橋の上で待ちかまえ、そこからジャンプして列車に降ります。ジョーは、メグを助けると、後部の車両の連結器を破壊し、突っ込む先頭車両から、後部車両を切り離します。
そして、先頭車両は開発センターに突っ込み大爆発が発生します。
感想 §
やはり爆裂天使、面白いです。
映像的な魅力という面と、ストーリー的な面の両方が面白いですね。
映像的な魅力については。
ハイウェイを走るトレーラーと列車が併走する映像はぞくぞくするところがありますね。そのへんのアニメでは、何となく平地を走っている列車と車が併走する煮えきれない映像も多いですが、あくまでトレーラーは走れる場所をハイウェイに限定されるもどかしさが、一種の突き抜けたリアリティですね。
列車が発車する前に、わざわざ転車台で回したり、連結したり見せるのもこだわりですね。
列車から落ちそうになるメグのスリルある描写もなかなか。しかも、上手く助からず、敵に見つかって捕まるという予想外の間抜けな展開もスリリングです。
いきなり列車上で始まるサイボット対サイボットのロボット戦も面白いですね。あくまで狭い空間での慎重な戦いが演出されています。
第3勢力が、サイボットだけでなくヘリから歩兵が降下して列車の制圧を行おうとするところも、こだわりですね。戦いは、最終的に歩兵でしっかりと掌握しなければ、勝ったとは言えません。単に巨大なロボットの力を振り回すだけではダメです。そういう部分がちゃんと踏まえられているところも、一種のこだわりですね。
爆発を横に見ながら走るトレーラーのシーンも良いですね。
ストーリー的な面から言えば、単純に良い奴と悪い奴がいるという構造ではなく、途中で割り込んでくる第3勢力がいたり、化け物として覚醒したヴォンが残された自分の意志で行動したり、リャンも必ずしもメグ達と仲間というわけではないし。
特に良いのが、ヴォンですね。良くあるパターンだと、化け物になった時点で完全に自分を失って暴れるだけ、という状況になりますが。しかし、ヴォンは自分をこんな風にした奴らに自らを滅ぼしつつ同時に復讐しようとする意志が残ります。しかし、リャンを兄弟だと認識できずに殺してしまうあたり、完全な理性が残っているとは言い難い面もあります。この微妙なヴォンの状況が、実に独特で泣かせますね。
一方、そんなことは知ったことではなく、ただメグを助けようとするジョー。そして、自ら危機的な状況に陥ってばかりのメグのスリリングさ。
ジョーが列車に乗り移るためにワイヤーを張っても、うまく乗り移れないところも、こだわった演出ですね。いくら努力しても、そんなに上手く行くものではありません。そのもどかしさを乗り越えて問題を解決するから、ドラマは盛り上がります。
今回の一言 §
この作品のポイントは、メグだということが強く感じられます。メグは、けして戦闘力があるわけではありませんが、危険な場所に自ら乗り込み、自らの皮膚で状況を向き合います。戦闘力がないからこそ、状況にストレートに向き合えると言えます。そして、メグはメグという完結したキャラクターであって、視聴者の純情な男の子達を癒す記号的存在ではありません。そこがなかなかに過激で素敵ですね。