2005年11月17日
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フォウの魅力が少し分かったような気がした……、機動戦士ZガンダムII 恋人たち

Written By: トーノZERO連絡先

 無理に時間を使って劇場まで行って見てきました。

 劇場版機動戦士ZガンダムII 恋人たち。

 新宿ジョイシネマ2の20:30からの最終回を狙って行くことにしました。

 仕事が終わってから行くとすれば、事実上それしか選択の余地がありません。

 そうすると時間に多少の余裕があります。

 そこで、19:00からのポケモンADVANCED GENERATIONは自宅で見ることにしました。しかし、感想を書く暇はありません。それが終わったらすぐに出なければなりませんので。

 これに対処するために、ノートパソコンを持ち出して、ポケモンの感想は電車の中で書くことにしました。つまり、今日のポケモンの感想は、実はいつもと違って電車の中で書かれたものなのです!

安く見られた §

 てっきり一般1800円を払う必要があるのかと思ったら、レイトショー・オールナイト プライス20:00以降スタートの回の入場料(特別興行除く) ¥1300 という安さで入場できました。これは思わぬラッキー。差額でプログラムブックの価格の大半をまかなえてしまいます。

導入部 §

 この映画の評価は悩みます。

 内容過多でこなれきっていないような印象もありますが、飛び抜けて優れたところもあります。

 特に導入部は凄い。

 アウドムラの銃座(?)に双眼鏡を持って何かを探しているカツというシーンは、ハッと驚かされます。あまりに予想外で意外と言えるし、生々しい人間らしさも感じさせます。映画の中にスッと観客が入っていくことができる良いシーンです。

 その後、複葉機でやってくるベルトーチカの描写も良いですね。複葉機が、生々しい人間のスケール感を意識させ、それと同時にそれを受け止めるモビルスーツのスケール感も意識させます。

フォウ §

 正直に言えば、TVシリーズのZガンダムのとき、フォウのどこが良いのかさっぱり分かりませんでした。そもそも、フォウの行動、フォウの心情が分からなかった気がします。

 しかし、この映画を見て、ちょっと分かった気がします。

 もしかしたら、フォウの心情がより分かるように組み直されているのかもしれません。

 自分の過去への固執と、カミーユへの愛の間の往復。その中で、自分の命を守るという価値観がぽっかり欠落していく悲しさ。

 そして、カミーユを大切に思う気持ちに気付いた瞬間に、逆にカミーユを冷酷にコクピットから追い払う演技の見事さ。

 声優の問題でゴタゴタしたらしい噂は聞きますが、このフォウは納得しました。魅力があると思います。

サラ §

 フォウの死後に前面に出てくる第2ヒロインとも言えるサラ。

 この娘も実に面白い。

 2回アーガマにつかまっているのに、2回とも口八丁で抜け出しています。

 わざわざ危険な任務に生身で志願しているようなムードがありますね。

 そこで、発生する気持ちのすれ違いも良いですね。

 カツに対して、サラはけっこう好意を抱いたのに、カツの方はその気持ちの機微に気付くこともなく、一方的に挫折します。

 サラとカミーユの関係も微妙なところがありますね。

ファ §

 しっかり出番がありましたね。

ハーレム §

 いやまったく。

 カミーユの周囲は女の子だらけ。

 一定以下の年齢層の女の子達(フォウ、ファ、サラ)はみなカミーユとそれなりに良いムードになる?

 意外とハーレムアニメとしての側面があるのが興味深いところです。

カップル(?)たち §

 ヘンケンとエマ。

 アムロとベルトーチカ。

 クワトロとレコア。

 上手く行かない大人達の恋の悲喜劇が同時進行するのも味がありますね。見ていて退屈しません。

フォウを失う前と後 §

 カミーユは、フォウを失った後で、一回り成長した感がありますね。

 兄貴分として、年下のカツを導いてみたり、サラの尋問までやってみたり。

 弟分から兄貴分への変化が若者の成長という感じでいいですね。

アーガマによるガンダムmk2のキャッチ §

 宇宙船の描写について非常に良かったのは、アーガマによるガンダムmk2のキャッチのシーンです。

 当初、アーガマはメインエンジンを前に向けて後ろ向きに飛行しています。更にバリュートを展開して減速。ガンダムMk2を受け取ってバリュート放棄後は、姿勢制御エンジンを吹かして方向転換して加速。この感の1つ1つの描写の確かさとスピード感、スリルは見事なものですね。

 さすが、ファーストガンダムでオニールのスペースコロニーを描き、∀ガンダムでザックトレーガーを描いた富野監督です。いや本当に、ザックトレーガーを描いたことがどれぐらい凄いのか、みんな分かっているのでしょうか?

アーガマのスケール感 §

 ラストシーン、アーガマの艦上のあちこちにアクシズのモビルスーツが立っている描写は優れていますね。アーガマの本来のサイズが強く強調される描写です。本当はこんなに大きかったのだ!ということが分かります。実は宇宙艦のサイズをきちんと表現することに関して言えば、ガンダムは不得意な分野であったと言えると思います。ファーストガンダムTVシリーズでは、「人間とモビルスーツと宇宙艦が画面に対して同じ比率で描かれているのでスケール感が全く分からない」という評価を下しましたが、驚くなかれ、全面的に作画を直した筈の劇場版機動戦士ガンダムIIIめぐりあい宇宙でもさっぱり直っておらず、かなり屈折した不満を持っていました。その不満は、この映画でも完全に解消された訳ではありません。しかし、部分的には確かに改善されていることが見て取ることができ、ちょっとだけ良い気持ちになれました。

結論 §

 100%手放しで褒められるかというと、そういうものではありません。

 しかし、1:38の上映時間、退屈することなく緊張感を維持して内容を堪能できたのは立派です。十分に合格点を出して良いと思います。

 もっとざっくばらんに言えば面白かった思います。楽しめました。

 次の3部作完結編も見に行くと思います。

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