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みやこは文房具モンスターを恐れない。かといって、彼らを軽んじることもない。あたかも人間の子供達と同じように親身に接し、彼らの心に気を使う。小さな不思議な者達と過ごす時間は素敵な価値をもたらすと同時に、文房具達の心はみやこによって受け止められる。
トーノZERO, THE BELKANアニメ感想家(笑)のアニメ感想を参ります。
今日のパワパフZの感想。
サブタイトル §
第25話「イタズラ文房具!」「花・はな・ハナ!」
あらすじ「イタズラ文房具!」 §
みやこの文房具が、モンスターになります。
ペンはイタズラ描きするペンナに、消しゴムはペンナの描いた絵を消せるゴンマになります。
ペンナとゴンマは喧嘩をしてしまい、みやこは二人を仲直りさせようと努力します。
イタズラしすぎたペンナは人間に追われ、ペンナのイタズラ描きを消せると人々に知られたゴンマは人々に求められ、もみくちゃにされます。
そのゴンマをペンナは助け出します。
いつの間にか、ペンナとゴンマは元の文房具に戻っていました。
あらすじ「花・はな・ハナ!」 §
道ばたに咲くクリスマスローズの花が、人々に愛されたいと願ってモンスター化します。
クリスマスローズ・モンスターは種子を飛ばし、街の至る所に花を咲かせ、街を大混乱に陥れます。
パワーパフガールズも出動しますが、収拾できません。
桜子は、荘一郎から預かったクリスマスローズと一緒に、クリスマスローズ・モンスターも愛して育てると言います。すると、モンスターは元の花に戻りました。
感想 §
前編も後編も素晴らしい!
前編はまさに、優しく受け止めるタイプのみやこが、モンスターを受け止めてしまう物語ですね。みやこは、不思議なもの、異質なものであっても、対等の目線でコミュニケーションし、微笑んで仲良くなろうとします。それは、モンスターと向き合うための、戦う以外のやり方の1つです。更に言えば、それは相手によっては非常に有効な方法です。
このドラマが興味深いのは、2つの立場から見た魅力があることでしょう。1つは、みやこの立場に感情移入し、不思議なものとのコミュニケーションを楽しむ魅力。もう1つは、ペンナとゴンマに感情移入し、見守ってくれるみやこの暖かさに感じ入る魅力。この2つの魅力が複合することで、複合的な魅力が発生していると言えます。
たとえていえば、佐藤さとるのコロボックルシリーズで、日本に住む不思議な小人を見出す人間の立場と、巨大な人間と触れ合うコロボックル達の立場の双方が描かれることから生まれる魅力と似ていると言えます。この作品は、そういう児童文学の優れた作品と並び立つ水準にまで昇華されていると言って良いでしょう。素晴らしいですね。
そして、この前編では、イタズラを行うペンナが悪い……という構図からいつの間にか、理不尽な要求を繰り返す一般の人たちが悪いという構図にすり替わります。ここもまた素晴らしいですね。
後編も、桜子が問題を収拾してしまうというパターン破りの結末が素敵です。この作品は、心の痛みがモンスター化によって具現化し、それをパワパフZが受け止めるという構造だと書きましたが、ここで痛みを受け止めたのは桜子ということになります。パワパフZ以外の誰かが痛みを受け止めるパターンは、最近徐々に増えていますが、桜子のような一般人(一時はモンスターにもなったが)が受け止められるというのは、とても良い話ですね。
今回の一言 §
やっぱり好きですよ、この作品は。最近良いアニメが多くあって、けっこう多数を見ています。しかし、その中でもパワパフZは突出して良いですね。
オマケ §
最近存在を知ったMAD映像です。なぜパワパフZの感想のオマケで紹介するかは、見れば分かります。
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