今日は国立西洋美術館に行ってきました。といっても、意図して行ったわけではありません。本来の目的地は別にあったのです。しかし、上野を歩いているとFUN DAY 2009というポスターがあって確認すると国立西洋美術館が全部無料という夢のような企画であることが判明。普通に行くとそこそこ金が掛かるので、慌てて予定を変更。見てきました。
国立西洋美術館開館50周年記念事業 かたちは、うつる―国立西洋美術館所蔵版画展 §
版画は比較的小さなものが多く、見るのに苦労しましたが凄い作品が多いですね。モノクロであることやサイズが小さいことのハンデをあまり感じさせない凄みがあります。見る機会は少ないようなので、見られたのはラッキーだったと思います。
国立西洋美術館開館50周年記念事業 ル・コルビュジエと国立西洋美術館 §
この美術館の建物そのものが一種の美術品であり、デザインの経緯そのものが美術館の展示になるわけですね。無限に拡張可能な美術館として採光は窓に頼らず天井から行うといったコンセプトは面白いと思います。
しかし、単純な四角い建物のように見えて、内部のしきり方の工夫で単調感の無い刺激の多い建物になっているのは興味深いデザインです。というか、良い悪いは別としてこのデザインは収まるべきところにきちんと収まらない「狂った」デザインだと思いました。繰り返しますが、そのことの善し悪しは別問題です。その結果として、この建物そのものが一種の美術品になっていると感じました。
常設展 §
凄く良い風景画があったので名前を見るとモネの作がいくつかありました。特に「ラ・ロシュ=ギュイヨンの道」の夕闇が近づいた感じの色遣いは絶品ですね。しかし、舟遊びは現物を見ると今ひとつ安定感が無く、上手くレイアウトが収まっていない感じがして首をひねりました。しばらく絵を見ながら考えてやっと分かりました。不安定に揺れる船の絵だから、あえて不安定感のあるレイアウトによってそれを表現しているわけですね。静止画でも表現を工夫して動きを入れているわけで、素晴らしいセンスです。
全般的な感想 §
見ても見ても終わりません。凄い規模です。しかも、モネやルノワールなどが無造作に並んでいます。質も量も圧倒的です。
なので、無料なら混んでいて作品が見られないかもしれないという懸念は杞憂でした。人が前にいて動かないのですぐ見られない作品も多くありましたが、人が前に居座っていない作品も膨大だったからです。
見に行った価値があった、というものです。