2010年06月25日
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ヤマト2のための宇宙海賊キャプテンハーロック試論

Written By: トーノZERO連絡先

前提 §

 TVアニメーションの宇宙戦艦ヤマト2と宇宙海賊キャプテンハーロックを前提とします。この場合のヤマト2は「さらば」を含まず、宇宙海賊キャプテンハーロックは1978年のTVアニメを示し、続編と派生作品を含みません。

類似点 §

  • 1978年である
  • 設定は100年単位で遠い未来である
  • 主役は大人と子供である (故人だが沖田と古代あるいは真田と新米、ハーロックと台場)
  • 自発的にフネに乗る (君が気に入ったならこのフネに乗れ)
  • 主役は地球の反逆者だが、実は地球の愛国者である
  • 主役メカはフネであるが、飛行機としての側面も与えられている
  • メッセージで始まり、解読がフネに乗り組む前の目玉である (謎の通信か謎のペナントかは別として)
  • 敵が専制君主である (ズォーダーとラフレシア)
  • 専制君主が民を引き連れてくる (都市帝国と移民船団)
  • 勝ったと思ったらもう一波乱ある (超巨大戦艦と地球のマゾーンの蜂起)
  • 敵対するが最終的に味方になってくれる男は戦闘で犠牲者になってしまう (土方と切田)
  • 魔法使い (真田とヤッタラン)
  • 若い女性 (森雪と有紀蛍)
  • ロボ (アナライザーとロペットワーワー)
  • 死者に拘束されている (沖田、トチロー)
  • しかし、死んではいても一緒にいる (沖田、トチロー)
  • 搭載戦闘機 (コスモタイガーにスペースウルフ)

相違点 §

  • 最初のメッセージが味方からか敵からか
  • 最終決戦が主役か否か (ハーロックはラフレシアと対決したが、古代は超巨大戦艦のズォーダーと対決したとは言えない)
  • 第2の敵がいるかいないか (デスラー的な第2の敵がハーロックにはいない)
  • ミーメに相当する女性がヤマトにはいない
  • テレサに相当する女性がハーロックにはいない

オマケ §

「ハーロックといえば」

「ハーロックといえば?」

「ヤマトがブームの時、もっとヤマトの亜流が多く出てもいいと思ったのだけど、実際はそうじゃなかった」

「というと?」

「結局、そのあとの作品の大半はロボットものになってしまったのだ。宇宙戦艦ものというジャンルは、ほとんど亜流を生み出していない」

「ほら。なんだっけ。今世紀最後の宇宙戦艦アニメとか言ってた機動戦艦ナデシコとかあるんじゃない?」

「結局、あれはロボットアニメでしかなかった。戦艦を期待して見たら間違いなく裏切られる」

「ロボットが出てくると問題なわけ?」

「うん、なぜなら人間が操縦する巨大ロボットの有無がロボットアニメではない宇宙戦艦ものというジャンルのアイデンティティになってしまうからだ。宇宙戦艦はロボットアニメにも出てくるからね。それ区別しようと思うと、そこに境界線が来る」

「なるほど。そこが重要、というかそこで区別するしかないわけだね?」

「そう考えると、あれだけブームになったヤマトの亜流なのに数は極めて少ない。ガンダムが亜流の量産でリアルロボットというジャンルを構築してしまったのとは対照的だ」

「それで?」

「そこで、亜流の中で成功したのは実際にはハーロックぐらいだけ、という話に繋がる」

「Mission Outer Space」

「それは亜流じゃなくて亜空」

「てへ」

「強いて言えば、無責任艦長タイラーとか、事例がないこともないが、それほど流行ってはいない」

「もちろんアニメの話だよね」

「うん。小説の方は、結構な人気作だったようだがそれとは別の話だ」

「了解だ」

「パワードスーツが若干ロボ的に描かれていてどうかという面がないこともないけど。それに、時代はかなりずれるけどね」

「そうか、ヤマト以後にそれなりに社会的に人気があったアニメという縛りを入れると」

「ともかくハーロックぐらいだ」

「そこでやっとハーロック」

「だが、本当にハーロックは亜流なんだろうか」

「というと?」

「実は松本先生の中にあった原ハーロックとでもいうべき物語があり、その表出がヤマトであり、別の表出がハーロックではなかったのか。そして、途中参加の第1シリーズは違う要素が多かったものの、割とフリーハンドで取り組んだヤマト2はより原ハーロック的になったのではないだろうか」

「それで結論は?」

「今のところ、無い」

「無いの?」

「ほんとうですよ、信じないかもしれないけれど」

「だから、ハーロックの挿入歌はいいから」

「このあたりは、これから徐々に追いかけていくことになるだろう」

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