「実は夕べ、とある事件があってな」
「というと?」
「久々にPSPの電源を入れたと思いねえ」
「それで?」
「あれ、PSPって無線LAN対応じゃん? と思った」
「そうだね」
「だから、ACE COMBAT X2の体験版がそのうちに公開されるので、慌てないように無線LANの設定をしておこうと思った」
「USBでPCから転送することもできるけどね」
「うん。でも、直接繋がるなら、その方が楽かもしれないと思ってね」
「分かった。それでどうした?」
「MACアドレスで接続制限しているので、PSPのMACアドレスを調べてルータに登録した。これであとは面倒なキーの入力とかを行ったら素直に繋がった」
「それは良かったね」
「繋がったので、ネットワークが必要な機能を軽く動かしてみるかと思った。適当に既存の体験版をダウンロードして動くことを確認しようかとね」
「うん。それで?」
「いきなりファームのアップデートが必要と言われて焦った。しかも、バッテリが充電されないと始まらない仕様だ。ACアダプタつないでずっと放置していたらいつの間にか上がっていた」
「そうか」
「そこで、まあ何でも良かったのでR-TYPE TACTICS II -Operation BITTER CHOCOLATE-の体験版タイプAというのを落として動かしてみた」
「うん」
「昔、PC-Engine DuoでR-TYPEやったことあるしね。Super CD-ROM2の版。ああいうゲームだろうと思った」
「そうじゃなかったの?」
「違ったので大失敗だ。大戦略タイプのSLGだったのだ」
「ははは」
「しかも、クリアできないので焦って何回も繰り返して更に熱くなって大失敗」
「それは大変」
「いやいや。それで終わりじゃないぞ」
「というと?」
「体験版の1ステージすらクリアできないのは大問題だと思ってやっとラスボスに攻撃を行ったのだが」
「それで?」
「ステージのラスボスに攻撃すると、そこで体験版は終わりという仕様だった。つまり1ステージすらクリアできない制限付き体験版だったのだ」
「ははは」
「体験版の1ステージぐらいクリアしてやると思ったおいらの苦労は何なのだ!」
というわけでヤマト §
「というわけで、システムはほとんど大戦略と思っていい。補給車相当のユニットや、長距離支援型のユニットなどもある。母艦への収納もある。索敵ルールもある。ほとんど、大戦略2系のターン制大戦略そのものと思って良いだろう」
「それで?」
「ところが、1つだけ大戦略との決定的な差がある」
「というと?」
「大戦略は基本的に見下ろし型の平面マップだ」
「うん」
「ところが、このゲームは側面ビューの横から見るタイプで、しかも戦艦の兵器は上下を意識している。上部の兵器は上側にしか撃てないし、しかも波動砲的な兵器は前にしか撃てない」
「おっと」
「しかも、このゲームは基本的にヒーロー的なロボットが出てこない。主要な戦闘部隊は、同じ機種が複数あってそもそもヒーロー性が希薄だ」
「まるでヤマトだね」
「うん。そうだ。だから、大戦略のシステムをヤマト的な宇宙冒険に移し替えたようなシステムと思えば良いと思う」
「そうか。シューティングの世界ならたった1人のヒーローがいてもいいけど」
「そうだ。SLG型になると群像劇的になり、たった1人のヒーローが不在になってヤマト的になっていくのだ。ロボットアニメ的にはなっていかない」
「ロボットアニメのロボが多く出てくるSLG的なゲームもあるよね?」
「あれはね。ヒーロー殺しなんだよ」
「えっ!?」
「だからさ。もともとのアニメではヒーローだったロボや人物を、ただの雑魚に格下げすることとイコールなんだ」
「なるほど」
「ただ、無意味にアニメ美少女的な副官が出てくるあたりはイマイチ乗れないが、まあそれがオタク向けに売りたい必死さなんだろうな」
「ヤマトだって森雪がいるじゃないか」
「雪は副官じゃないからさ」
「そうか」
「あのへんは、ギレンの野望の間違った影響なのかな」
「そうか。レビルだと副官はただの男だけど、ギレンだとセシリア・アイリーンだね」
「セシリア・アイリーンも、テレビには出て無くて、劇場版の3作目になって始めて出たけど、別にそれほど可愛い感じでもなかった。可愛い女の子がいっぱい出てくるという感じの作品じゃなかったしね。ギレンの野望でも、それほど過剰に可愛いわけではなかった。まあ、副官だから可愛いという面はあるのだろうけど」
「じゃあ、R-TYPE TACTICS II -Operation BITTER CHOCOLATE-というゲームはどう見るべきなんだろう? ヤマト的? ガ○ダム的? 大戦略的?」
「ゲーム開発は1人でやるものじゃない。まあ、実質的に1人でやっちゃうこともあるけど。だから、複数人の感覚が入り込んでいろいろな側面があるということだろう」
「そうか。だから、場違いな美少女が副官も出ちゃう訳ね」
「でも、美少女があまり前に出すぎないのは、やはり作品としてそういう側面をあまり歓迎していないってことだろう」
「つまり、権限のある上の人たちが必ずしも支持してないってことね」
「たぶん、支持しているのは大戦略的な世界観であり、ヤマト的な世界観なんだろう。ため打ちなんてまさに波動砲だし、しかも大小艦艇の大半に装備されている」
「さらば以降の地球艦隊的な世界観だね」
オマケ §
「R-TYPE TACTICS II -Operation BITTER CHOCOLATE-ってのは、昔やったR-TYPEとは別物だと思った」
「うん。シューティングがSLGになっちゃ別物だね」
「でも違った」
「え?」
「R-TYPEって基本的に暗記ゲームなんだよ。次にどういう場所で何が起こるか暗記しないと先に進めないタイプなんだ」
「それで?」
「今回のこれもSLGだけど、実はどこになにがあるか暗記していないとなかなか先に進めない」
「でも索敵ルールありなんだろう?」
「だからさ。この辺で敵が待ち伏せてるから早期警戒機を先行して飛ばすとまずいとかさ。そういう配慮が必要なんだ」
「慎重に行けば暗記しなくてもいいのでは?」
「それでは、ターン数制限に引っかかってしまうのだ」
「それは大変だね」
「うん。凄く難しかったよ」
「つまり、やっぱり昔ながらのR-TYPEだったということだね」
「あと、始めてすぐアニメーションはオフというのも大戦略のセオリー通り」
「ははは」
「買う前は格好いい映像が売り物なんだけど、プレイし始めるとすぐ映像には飽きて邪魔だから切ってしまう。サターンのワールド・アドバンスド・大戦略とかとまるで同じ」
「昔ながらの大戦略っぽい世界だね」