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2010年09月09日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマトtotal 3464 count

妹ガンダム1巻とバビル2世とヤマト

Written By: トーノZERO連絡先

「妹ガンダム1巻を本の山から偶然掘り出してから、また読み返してしまった」

「好きだねえ」

「しかし、発見もある」

「というと?」

「ガンダムに関する話は驚くほど丁寧にネタが説明されている。難民収容所でアムロに撃たれたジオン兵の名前がロスだなんて、ぜんぜん知らなかった」

「でも説明しないと、3つのしもべの1つがロスロスであるというネタが理解されないよね」

「うん。そこがポイントだ」

「えっ?」

「だからさ。ガンダム世代には3つのしもべが分からないんだよ」

「バビル2世は古すぎるってこと?」

「うん。しかも、驚くほどガンダム以外のネタは解説されていないんだよ」

「ええっ?」

「だからさ。手厚すぎるほど丁寧に解説されているガンダムと比較して、北斗の拳、レインボーマン、バビル2世、ウルトラマン80といった主要なネタは、なんら解説されていないんだよ」

「そうか、説明に落差があるのか」

「だから、妹ガンダムの感想にも実は落差がある。ひたすらシュールなガンダムネタのオンパレードという感想と、その先まで踏み込んだ感想は相容れないほどに違っている」

「そうか。シュールに見えるのは、実は元ネタが分からないからなんだね」

「うん。だから、ガデムは最後に変身するし、レンポーマンはダッシュ1が月の化身で、ダッシュセブン(ティエイト)が基本形態なんだ」

「それって、元ネタが分かれば元ネタへの極めて忠実な描写だと分かるけど、分からないとシュールなだけだよね」

「ダッシュナナジュウハチじゃないんだ。ダッシュセブンと引っかけるためにダッシュセブンティエイトなんだよ」

「そうか。かなり踏み絵のような作品だね」

「おたくの大統領でもさ。松本戦場漫画系ネタに走ったエピソードがあってさ。戦場漫画シリーズどころか、ザ・コクピットもハードメタルも前提のネタだって分かるけどさ。それでも、ある程度のヒントは用意されている。戦場漫画シリーズの子供達が行くとか言ってね」

「でも、こっちはそれほどのヒントもないわけか」

「うん。落差はむしろ拡大している」

いよいよ本題 §

「それで、妹ガンダムの話をしたかったわけじゃないだろ?」

「うん。もちろんだ」

「そろそろ本題に入ってくれよ」

「よし。行くぞ。問題はだな。バビル2世はロデムを美女に変身させて何をさせたかったかだ」

「そりゃもう、お年頃の男の子だからそういう方面への興味だってあるよな。ってそんな話じゃないだろ」

「すまん。仕切り直すぞ。エンジン再始動だ」

「艦長、申し訳ありません。連動スイッチがオフになっていました」

「実はヤマトも同じなんだ」

「ええっ?」

「SF的な設定は極めて丁寧に説明されているが、ミリタリーな設定はほとんど何も説明されていないという落差がある」

「というと?」

「ワープも波動砲も、スタッフを会議室に集めて詳しく解説される」

「うん。視聴者に対しても詳しく説明されるね」

「でもさ。コスモゼロがなぜ設定上52型であるか、説明はない。ドメル艦隊になぜ戦闘機、急降下爆撃機、雷撃機の3機種があるのかも説明はない。ドメル艦隊の空母が三段飛行甲板である理由も説明がない。なぜ戦闘空母という砲戦力のある空母がいるのかも説明されない」

「なるほど」

「だから、雷撃機が発艦した瞬間に沈み込む描写を見て、要するにあれなんだと分かる人と、そこまで踏み込めていない人ではまるで感想が違う」

「踏み込んでいない人は無重力の宇宙で下に落ちるのはおかしいと言うよね」

「でも、それは元ネタに忠実なのであって、けして科学的に間違った描写をしているというわけではないんだ」

「そうか。元ネタという重力が作用している宇宙ってことだね」

「だから、遠い未来に死んだレビルの子供が時間を遡って現代にいても、非科学的ではあるが、元ネタに忠実であろうとするとレビル2世は現代劇になるんだ。同様に、ヤマトは元ネタに忠実であろうとすると、非科学的に見えてしまうがそれは擬似的な錯覚に過ぎない」

ヤマトの問題 §

「というわけで、1つの問題が意図せずして明らかになった」

「というと?」

「解説されているネタを基本に見ていくとヤマトはSF的作品であり、科学性が重要であるかのように見える」

「そうやって見ていると、ものが上から下に落ちるのはおかしいという批判も出るよね」

「でも、それは踏み込みが浅かったというだけの話に過ぎない」

「なぜそうなっちゃうんだろう?」

「実はもう1枚屈折がありそうな気がする」

「というと?」

「ヤマトは大和ものというジャンルの末裔に位置づけられると思う」

「そのあとで、戦艦大和がどうのという架空戦記もいっぱい出たけどね」

「でも、それは伝統が繋がっているとは言えない。ヤマトまでは戦争を知っている世代が担い、それ以後はおそらく戦争を知らない子供達だ」

「なるほど」

「でだ。戦争を知ってる子供達というのはミリタリーのネタは解説不要なんだ」

「そうか。実体験だものね」

「しかも、自衛隊とか朝鮮戦争の話じゃないからね」

「その場で体験した世代か」

「従軍してなくても、空襲は受けている世代だ」

「そうか。それなら話が良く分かるね」

「うん。だから今更、解説などは必要がない」

「そうか。分かったぞ。そういう前提で作られているが、実はネタがネタとして分からない若すぎるファン層が支持してしまったことで、ネタが急に難しくなってしまったんだ」

「そうだ。常識があまりに違いすぎると当然の前提が前提にならず、SF的な解説の手厚さだけが残ることになる」

「しかし、君はどうなんだい? 戦争を知らない子供だろう?」

「実は従軍経験者が周囲にごろごろいて、家の庭に物置を埋めて防空壕にしたとかそういう話が生々しくリアルな環境だったのだよ。小1まで住んでいた家の庭の話だ。とても他人事には思えない」

「そうか」

「でも、別の家に引っ越した後で生まれた弟の世代はもう分からない。その庭がマンションになって残ってないのだからね」

「なるほど。間接的にでも皮膚感覚で戦争が感じられた最後の世代ってことか」

オマケ §

「というわけで、ジークといえばジオンじゃない。零戦だ」

「ええっ?」

「ケイトといえばバイファムじゃない。九七艦攻だ」

「さあ、叫ぼう」

「なんて?」

「ジーク零戦!」

「それ意味が違う」

「ジオンって言えって?」

「そうだ」

「じゃあ言うぞ。タイムトンネルジオンジオンジオン、あらわれ消える♪」

「ちがーう」

「なに、無敵は索敵だぞ」

「それもなんか違う」

「九七艦攻は索敵にも飛ぶからこれでいいのだ」

「よくない!」

オマケ2 §

「知識量で優劣が決まるという思想があるような気がする」

「知識でオタクの序列を付けるなって主張もあるようだね」

「知っている僕って偉いという考え方だ。でも、知らないけどオタクっぽいものが好きという層にはそれがたまらんのだろう」

「でもさ。妹ガンダムの感想にある溝は、それによって出来ているものだよね。基礎中の基礎ぐらいは知っている必要があるのじゃないの?」

「そこが罠だよ」

「というと?」

「若いガンダムファンの多くが理解できないネタの数々は、北斗の拳、レインボーマン、バビル2世、ウルトラマン80などだが、それぞれその世代にあってはそれなりにヒットしたメジャーなタイトルなんだ」

「えっ?」

「だからさ。知る人ぞ知るマニアックなネタは使われていないのだ。あくまで理解されやすいネタを選んである。あくまで分かって頂くことを前提に描かれていることが良く分かる」

「かつてテレビっ子だった中年なら誰でも分かって当たり前というチョイスなんだね」

「ウリクペンのような、ちょっとマニアックな路線には走らない」

「おたくの大統領では話題にしてるけどね」

「それはまた別の演出によるものだ」

「ということはなんだろう?」

「実は分かりやすいネタにも世代差があるってことに過ぎない」

「なるほど」

「実はオタクになるために勉強が必要というのは、世代差を越えるために勉強が必要という話かもしれない」

「知識量で優劣が付くという話ではないわけね」

「たとえばさ。スパロボ世代は、話が合わないという話もある」

「というと?」

「使えない雑魚ロボなのに、ヒーロー扱いする人がいるのは理解できないというのだが、スーパーロボット大戦に出てくる昔のロボは、それぞれが作品の顔となるヒーローだったのだ」

「それは話が合わないね」

「だからさ。そこで重要になることは知識量じゃない」

「何が重要なの?」

「最低限の常識だけ踏まえたら、あとは愛だよ。愛」

「知識じゃないわけね」

「うん。そうだ。知識じゃない。常識は必要だが知識は必要ない」

「あとは愛の問題と」

「だからさ。妹ガンダムにもジオンジオン団という言葉がわざわざ出てくる。他には一切出てこないし、そういう設定もないけど出てくる。なぜジオンが2回繰り返されて団と付くのかといえば、死ね死ね団が元ネタだからだ」

「死ね、死ね死ね死ね死ね死んじまえ♪」

「そこにあるのはもはや知識じゃない。愛だよ。作品愛」

「そうだね。実際に公共の電波に乗って、ご家庭に流れていた歌だものね。多チャンネル時代にもなってないし、まだテレビが一般家庭の娯楽の王様だった時代だ。かなりたくさんの人が見てるよね。しかも耳に残る」

「うん。だからさ。ある一定以上の世代では差別化の手段にならないんだ。みんな知ってる。それでも描くのは作品愛の問題になる」

「愛か」

「愛だ」

「そうか、だから愛の戦士レインボーマンか」

「なんか違う気がする」

「そろそろ話を戻そう」

「愛してナイトの話だっけ」

「ちがーう。好きだったけどちがーう」

「ジュリアーノ」「ぶみい」

「ヤマトに話を戻そう」

「結局、ヤマトも同じなのだ。一種の常識問題を扱っていて、知っている僕って偉いという優越感を与えてはくれない」

「知識量の問題として扱おうという人にはからきし相性が悪いね」

「うん。結局問題は知識量ではなく愛になるからだ」

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