2011年02月10日
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実はナウシカ入ってるSPACE BATTLESHIP ヤマト!?

Written By: トーノZERO連絡先

「2/8の鑑賞でやっと見えてきた」

「何が?」

「SPACE BATTLESHIP ヤマトにはナウシカが入ってる」

「ナウシカ? どうして?」

「以下の部分がナウシカ的なのだ」

  • 主人公が変なマスクで顔を隠して登場するが、外すと可憐
  • 破損した機体から敵の女を助けるとき「来い」という
  • その際、立場が逆転する
  • マスクが必要な汚染された場所のはずなのに、特定の条件を満たすとマスクを取っても平気
  • 我が身を犠牲にして最後に突っ込む主人公 (映画ナウシカ最後の奇跡の復活を茶番として否定するならやってることは同じだ)
  • 嘘 (放射能除去装置なんて無いし、森の人が語る青き清浄の地は人類の救いの場所ではなかった)

「うーむ」

「実はSPACE BATTLESHIP ヤマトを解釈する最後のピースがはまった気がする」

「でも、ナウシカじゃぜんぜんヤマトじゃないじゃん」

「でもここにナウシカが来るのは必然なんだ」

「どうして?」

「以下はWikiPediaの山崎貴からの引用だ」

2008年4月にNHK『トップランナー』に出演した際、いつか撮ってみたい映画として、原作版『風の谷のナウシカ』の映画化を挙げている。

「山崎貴監督にヤマトへの思い入れがあるのは嘘では無いだろうが、ナウシカに対する思い入れもあるのだろう。それも嘘では無かろう」

「がーん」

「だからさ。ここで重要なポイントはSPACE BATTLESHIP ヤマトの森雪のキャラクターはどこから来たのか、という問題なんだ」

「アニメの森雪じゃないね」

「だから、イメージソースはクシャナなんだよ」

「わお。クシャナ殿下なら非礼な男をいきなり殴って涼しい顔でも違和感が無いぞ」

「そして、ここが重要な部分だ」

「なに?」

「肉親の死で逆上して沖田に食ってかかる古代はアニメの古代というよりは、ジルの死に直面したナウシカだ」

「わはは」

ガミラスボーグ問題 §

「ガミラスボーグはアルファでありオメガである」

「全体が1つの意志を持つということだね」

「ガミラスボーグのボーグは多くの場合スタートレックのボーグの影響と解釈される」

「うん」

「ところが、サントラCDではガミラスロイドと表記されている」

「表記が違うんだね」

「以前、おいらは以下のように書いた」

「さて、問題は7曲目。ガミラスロイドという」

「ガミラスロイド?」

「おそらく、ガミラスボーグのことだと思う」

「どういうことだろう?」

「正確なことは分からないが、初期設定名称がガミラスロイドで、そのあとでガミラスボーグに名前が変更されたのではないか? 音楽の発注オーダーの時点では旧名称だった、というだけかもしれない」

「とすれば、どういうことだろう?」

「TNGを意識してガミラスボーグが出てきた、という感じではないのかも知れない」

「それがどうしたんだ?」

「SPACE BATTLESHIP ヤマトにナウシカが入っていると気付いた時点で、すぐに分かるべきであった」

「えっ?」

「王蟲だよ」

「ええっっ?」

WikiPediaより引用しよう」

種全体で共有する高度な知性をそなえており、思いやり、慈しみといった精神文化も持っている。

「なんと。アルファでありオメガではないか」

「更に重要な特徴がある」

「何?」

「王蟲は敵の属性と味方の属性を両方とも持っているのだ」

「そうか。それがガミラスとイスカンダルに重なるわけだね」

「しかし、TNGのボーグとは重ならないようだ」

「それってまさか」

「SPACE BATTLESHIP ヤマトのガミラスボーグをTNGを引き合いに出して語る行為は全て間違いであったという可能性がある」

「ええっ?」

「ガミラスボーグは本来別の名前で構想された敵であり、そのイメージソースはスタートレックのボーグではなくナウシカの王蟲であった可能性があり得る」

「もしそれが事実なら、したり顔でスタートレックと比較して散々SPACE BATTLESHIP ヤマトを叩いた連中が青くなるぞ」

「うん。この手の話はよくある。XXの下手くそな猿まね、と酷評されるものは世の中に多いが、実はその中にはけっこう『そもそもXXを真似しているわけでも目指しているわけでもない』という事例が多い」

「たとえば?」

「SF作家はUFOが出てくる小説を書いても、別にUFOの実在を信じている訳ではないが、しばしばマスコミはUFOについてSF作家に取材しに行く。UFO確信派の意見を期待して聞きに行くのだ」

「でも、それじゃ聞けるのはUFO懐疑派の意見でしかないよね」

「当たり前だ。フィクションとしてのUFO小説を書いたことは、UFOを信じていることとは何の関係も無い」

「そうか。この場合、XXならではの良さがまるで足りない、と批判されても、もともとXXを目指してないから当たり前なんだ」

「もちろん、SPACE BATTLESHIP ヤマトとナウシカを比較する議論にも意味は無い。こういう文章を書くと、すぐに王蟲と比較したって……と言いたがる連中は多いが、それも意味がない。そもそもゴールが違うんだからナウシカならでは良さの多くがSPACE BATTLESHIP ヤマトには含まれていない。当たり前だ」

暫定的なまとめ §

「暫定的にまとめ直すよ」

「うん」

「SPACE BATTLESHIP ヤマトという映画は、忠実な宇宙戦艦ヤマトのリメイクではない」

「そうだね。逸脱が多すぎるね」

「つまり、本質的な意味でヤマトという器にいろいろな酒を注いで作られたカクテルと解釈する方が良さそうだ」

「カクテルか」

「さらば宇宙戦艦ヤマトのような分かりやすい味もあるが、ナウシカは隠し味で分かりにくかったようだ」

「隠し味もあるのか」

「他に、宇宙からのメッセージとか、宇宙大作戦とか、スペース1999の影響もあると思って良いと思うが、おそらく影響の大半は比較的狭い期間に収まりそうな気がする」

「最初の解釈からはかなり遠くまで来たね」

「その通り。自分でも驚くばかりだ」

「でもスタッフ総意の方針とも思えないな」

「そうだ。あくまでヤマトを作っていると思っていた人も多いだろう」

更に分かる悪評の理由 §

「このような認識からは悪評が出てくる理由も良く分かる」

「なぜだい?」

「カクテルを出すということは、純米酒が欲しかった客や、ストレートのバーボンが欲しかった客には嗜好が合わないかも知れない」

「そうか」

「そこで重要なポイントは世代だ」

「どういう意味?」

「同時代を味わった人は、必然的にいろいろな味が入り交じる時代の空気を味わった人だ。つまり、必然的にカクテルになるんだよ。まあ、中にはストレートで飲んだ人もいるだろうけどさ」

「うん」

「でもさ。時間的に隔てられている人たちは何の苦労もなくストレートで飲めるんだ」

「ええっ?」

「たとえば、リアルタイムでヤマトを見た人はヤマトが終わった後で続いて始まる日本沈没を無視できなかったり、裏番組のハイジや猿の軍団を無視できなかったりする。ヤマト2なら続けて新エースをねらえが放送されて連続して見ていたとかね。印象が一部入り交じる」

「うん。真っ赤なスカーフと人はみな遠ざかりは不可分に繋がっている可能性もあるわけだね」

「地方差や個人差もあるだろうけどな」

「そうだね」

「当時既に高価でレアだったビデオデッキを持っていてみんなで分担してヤマトとハイジと猿の軍団を録画して見たという更に高年齢の世代だとまた印象が違うと思う」

「ヤマトはカクテルにならないかもしれない、ってことだね」

「そうだね。逆に3番組がチャンポンになった可能性もあるけど」

「そうか」

「でも、今から見るとすれば、DVD-BOXを買ってヤマトだけ全部続けて見ることができる。しかもハイジ派の家族とチャンネル権を巡ってバトルする必要すらない」

「カクテルをヤマト味と感じるか、濁った変な味と感じるかは世代ごとに違うかもしれないってことだね」

「逆に言えばカクテルはカクテルでも、ヤマト味が分からないぐらいに他の酒とチャンポンで飲んでいた連中もやっぱりヤマト味が分からないだろうけどな」

「ははは」

「というわけで結論がでたところで言いたいことは分かるな?」

「えっ?」

「こりゃ斎藤、ヤマトカクテル作れや」

「きっついな。結局ヤマトはカクテルか」

「佐渡は日本酒、SPACE BATTLESHIP ヤマトの斎藤はビールだが、ヤマトといえばカクテル」

オマケをねらえ §

「森雪、今日のエースはオレが取る!」

「あら残念ね、女子テニス界に男は入れないの。おほほほ」

「森、エースをねらえ!」

再熱する問題 §

「風呂に入って考えているうちに洒落にならないぐらい似ていることに気付いた」

「えっ?」

「いいか、もう一度まとめるぞ」

  • ユパ(沖田)はキツネリス(地球)を助けるために蟲(ガミラス)を撃ってしまった
  • ナウシカ(古代進)はメーヴェ(アナライザー)と共に瘴気(放射能)に溢れた腐海遊び(地上)に行き、そこで、王蟲の抜け殻(リチウム)を発見する。それから暴走する王蟲本体(通信カプセル)を発見する。そして、クイ(真田)とカイ(斎藤)とキツネリス(森雪)を連れたユパ(沖田)と出会う
  • キツネリス(森雪)は、当初ナウシカ(古代進)に敵対的で、噛んだ(殴った)。しかし、間違いに気付き従順になった
  • ナウシカ(古代進)は腐海の上空(致死量の放射能の地表)でマスクを取るが生きている。少し肺に入った (少しよたついた)
  • ナウシカ(古代進)は盟約に従い(藤堂の放送を見て)トルメキア軍(ヤマト)に参加した
  • ガンシップ(コスモゼロ)はトルメキア(ガミラス)侵攻以前に作られた機体である
  • ガンシップ(コスモゼロ)はバカガラス(ヤマト)に格納され、そこから飛び出す
  • ガンシップ(コスモゼロ)は翼(機体)が変形してスラストリバーサー(ホバリング形態)で減速する
  • メーヴェ(アナライザー)はガンシップ(コスモゼロ)に収納されるが再びそこから出た
  • 蟲達(ガミラス艦隊)を呼ぶ蟲(ガミラス機)が1匹(1機)、風の谷(ヤマト)に来るが、外に送り出して回避する
  • 大海嘯(防戦)で殺到する王蟲(ガミラス兵)の群れ

「固有名詞や動作を差し替えただけで文章が同じじゃないか」

「そうだ」

「でも、この解釈で行くと森雪はテトになってしまうよ」

「そうだ」

「クシャナにならないよ」

「いいんだ。なぜかといえば、そもそもテトとクシャナは同じ構造を持っているからだ」

「同じ構造?」

「ナウシカに対して敵対的に登場した後で疑問を抱き友愛的立場に変化するという立場だ」

「そうか、テトは後からクシャナで繰り返される構造の先触れとして出てくるわけだ」

「だから、森雪はテト=クシャナなんだ。ストーリー的にはテトに近い位置にいるが、人間なのでクシャナ的なキャラクター性を持つ」

「しかし、それだとナウシカ=古代進=木村拓哉となってしまうぞ」

「それもいいんだ。なぜなら、これまでもずっと古代進は最強ヒロイン扱いしてきたからだ」

「ええっ? いいの?」

「更に、木村拓哉そのものも一種のヒロイン扱いしても良いタイプだ」

「男なのに?」

「そうだ。従って、木村拓哉こそナウシカ=古代進の適役として作品を支えられたのだ」

更なるオマケ §

「実は朝起きてから公開する前に、コスモゼロのホバリング形態こそガンシップのスラストリバーサーに他ならないと気付いて愕然とした。上のリストには書き足してある」

「そうか。ガンシップが減速する際の翼が可動するギミックを宇宙戦闘機的にアレンジするとホバリング形態になるってことだね」

「そう考えれば、ガウォークはあまり関係無かった」

「まあそうだよね。手は出ても足は出ないし」

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