脚本家・遊川和彦氏が語る“家政婦・ミタ”の生まれた理由より
撮影が進むにつれて気づいたんですけど、この作品は『死者に対して、我々生きている側の人間がこれから抱えていく義務を描く』という一面を持っています。
「なるほど。と膝を打った」
「何?」
「サーシャ視点であまり物事を考えてこなかったが、ヤマトよ永遠にのヤマト乗組員は、みんなお気楽だ。あまり深刻そうに見えない」
「うん。適当に波動カートリッジ弾を打つだけでゴルバ壊滅。とってもお気楽だね」
「でも、サーシャだけは違うわけだ。サーシャは、生きている自分が死んだ父母に対する義務を背負い込んだ形になる」
「えー」
「この義務感はサーシャだけのもので、他の誰かと共有されていない」
「だから1人で敵母星に残るわけだね」
「それは、この危機が本物だからだ」
「ヤマト側がいくらお気楽でも、重核子爆弾は本物ってことだね」
「しかし、サーシャは父母が命を投げ出して守ったヤマトと地球に対する義務感を感じていたわけだ」
「義務感か」
「むざむざ、黒色に蹂躙させては父母に申し訳が立たないわけだ」
「なるほど。だから、『死者のスターシャと守に対して、生きているサーシャが抱えている義務感』がポイントになるわけだね」
「もちろん、その義務感は間違っている。実際には、スターシャも守も、サーシャを生かすために死んでいるのだ。同じように死んで欲しいと思っていたとは思えない」
「でも、もう死んでいる以上は抗議できないよね」
「そうだ。だから、サーシャは死んでしまうことができたのだ」
「死者に対する義務感とは難しいね」
結局 §
「結局さ。永遠にという映画は、アルフォンとサーシャ。古代とユキはあまりいいことをしてない」
「古代は用意されたヤマトに乗っただけ。ユキはアルフォンに救われて重核子爆弾の秘密を教えてもらっただけ、なんだね」
オマケ §
「どうでもいいが、 大鉄人ワンセグンというネタを考えたのに使い所が無い」
「まさにどうでもいい思いつき」
「ちなみに、今朝(昨日現在)の日経には見出しにヤマトって書いてある記事があって思わず見たぞ」
「それは凄い」
「中身は、物流の記事だった」
「ぎゃふん」